Web業界の転職には、必ずしも資格が必要なわけではありません。
常に新しい技術や流行が移り変わり、必要なスキルも変わっていきます。
そのような業界であっても、資格をもっていることは、客観的にスキルや技術レベルを証明することができ、採用選考では有利になります。
Web職種に役立つ資格をご紹介します。
Web系の資格
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、Web業界唯一の国家検定です。
国家検定制度である技能検定制度の一つとして、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施しています。
レベルは1級から3級まで設定されていて、試験に合格すると、その級の「技能士」を名乗ることができます。
1級の受検資格
- 7年以上の実務経験
- 普通職業訓練修了+5年以上の実務経験
- 大学卒業+3年以上の実務経験
- 高度職業訓練修了+1年以上の実務経験
- 2級の技能検定合格+2年以上の実務経験
※実技試験は1級の技能検定の筆記試験合格者のみ
2級の受検資格
- 2年以上の実務経験
- 普通職業訓練修了
- 大学卒業
- 高度職業訓練修了
- 3級の技能検定合格
3級の受検資格
ウェブの作成や運営に関する業務に従事している人および従事しようとしている人
試験日
- 1級:【学科】12月【実技】2月
- 2・3級:5月、9月、12月、2月
試験内容
- 学科:インターネット概論など(筆記試験)
- 実技:ウェブサイト構築など(課題選択方式)
合格基準
学科、実技ともに、100点満点の70点以上が合格ラインです。
合格率
- 1級:10~20%
- 2級:30~40%
- 3級:60~70%
問い合わせ
特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会
Webデザインのおすすめ入門書
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5のスキルと知識を認定する試験です。
Web・デザイン・開発に関わる幅広い職種を対象としています。
2つのレベルがあり、それぞれのスキルと知識を持つWebプロフェッショナルであることを証明できます。
受験資格
制限なし
試験日
随時(全国各地の試験センターでの受験かオンライン受験)
試験内容
- レベル1
・Webの基礎知識
・CSS
・要素
・レスポンシブルWebデザイン
・APIの基礎知識 - レベル2
・JavaScript
・WebブラウザにおけるJavaScript API
・グラフィックス・アニメーション
・マルチメディア
・ストレージ
・通信
・デバイスアクセス
・パフォーマンスとオフライン
・セキュリティモデル
問い合わせ
NPO法人 LPI-Japan事務局
HTML5プロフェッショナル認定試験のテキスト&問題集
Webデザイナー検定
Webデザイナー検定は、Webサイトのコンセプト、日程、予算などをもとに、コンセプトメイキング・制作・テスト・評価・運用を行うための知識や技術を評価する検定です。
Web制作業界において、プロデューサー、ディレクター、プランナー、プログラマーなどとして活躍するクリエイティブ人材を想定しています。
検定にはベーシックとエキスパートの2つのレベルがあります。
受験資格
制限なし
試験日
- 前期:7月
- 後期:11月
試験内容
コンセプトメイキングなどの準備段階から、Webページデザインなどの実作業、テストや評価、運用まで、Webデザインに必要な多様な知識を測ります。
- 表現の基礎:ディジタルの基礎、インターネットの基礎
- 制作準備:コンセプトメイキング、情報の構造
- Webサイトの制作と運用:インターフェースとナビゲーション、動きと音の効果、Webサイトを実現する技術、Webサイトのテストと運用
- 知的財産権:知的財産権
合格率
- ベーシック:60%程度
- エキスパート:30%程度
問い合わせ
公益財団法人画像情報教育振興協会
Webデザイナー検定の公式問題集
Illustratorクリエイター能力認定試験
Illustratorクリエイター能力認定試験は、Illustratorの活用能力を測定・評価する資格検定試験です。
Illustratorを使用して、DTPファイルおよびWebデザインツールの作成や、問題の指示に従い1つの作品を作り上げる表現力などの、コンテンツ制作に関するスキルを認定します。
受験資格
制限なし
試験日
個人受験:認定試験会場にて随時試験
試験内容
提示されたテーマ・素材から仕様に従ってコンテンツを制作する能力を測定します。
- スタンダード
・作業指示書に基づいた制作ができる
・Illustratorの基本的な操作ができる - エキスパート
・デザインコンセプトや表現の目的に応じて適切な機能を選択し、表現できる
・DTP/Webデザインに関する基本的な知識がある
合格率
70%程度
問い合わせ
サーティファイ認定試験事務局
Illustratorのおすすめテキスト
Photoshopクリエイター能力認定試験
Photoshopクリエイター能力認定試験は、Photoshopを使用したグラフィックコンテンツの制作能力を測定する資格検定試験です。
Photoshopを用いた画像ファイルの作成や、問題の指示に従い1つの作品を作り上げる表現力などのコンテンツ制作に関するスキルを認定します。
受験資格
制限なし
試験日
個人受験:認定試験会場にて随時受験
試験内容
提示されたテーマ・素材から仕様に従ってコンテンツを制作する能力を認定します。
- スタンダード
・作業指示書に基づいた制作ができる
・Photoshopの基本的な操作ができる - エキスパート
・デザインコンセプトや表現の目的に応じて適切な機能を選択し、表現できる
・DTP/Webデザインに関する基本的な知識がある
合格率
70%程度
問い合わせ
サーティファイ認定試験事務局
Photoshopのおすすめテキスト
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、Webサイト制作のデザイン能力およびWebページのコーディング能力を認定する試験です。
Web業界必須の知識・スキルを証明できる資格で、Web制作会社やデザイン関係の事務所への転職などで保有スキルの証明に活用できます。
試験にはスタンダードとエキスパートの2つのレベルが設定されていて、サーティファイが随時実施しています。
受験資格
制限なし
試験日
個人受験:認定試験会場にて随時試験
スタンダード
セマンテックWebを理解し、HTML5をマークアップすることができ、CSSを用いてHTMLの構造を維持しつつ、Webページのデザインやレイアウトを表現できることが求められます。
エキスパート
レイアウト手法や色彩設計等、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザインを表現することができ、スクリプトを用いた動きのあるWebページの表示、マルチデバイス対応、新規サイトを構築できることが求められます。
試験内容
- スタンダード
・実技問題(テキストエディター、Webページ作成ソフト使用) - エキスパート
・知識問題
・実技問題(テキストエディター、Webページ作成ソフト使用)
合格率
80%程度
問い合わせ
サーティファイ 認定試験事務局
Webクリエイター能力認定試験の公式テキスト
DTPエキスパート
DTPエキスパートはメディアビジネス全般を想定した必須の知識とその活用力を問う試験です。
プランナーやデザイナーからセールスパーソンまでメディアで活躍できる人材の育成を目的としています。
試験にはCGエキスパートとCGエキスパート・マイスター2つのレベルがあります。
受験資格
制限なし
試験日
年2回(3月、8月)
試験地
東京、大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌
試験内容
- 学科試験:多肢選択式
- 実技試験:課題制作(CGエキスパート・マイスターのみ)
問い合わせ
公益社団法人日本印刷技術協会
DTPエキスパートの公式テキスト
Web系の資格を取るには
資格取得の勉強法
Web系の資格を取得するには、独学や通信講座、スクールなどで学ぶ方法があります。
スキルのレベルやかけられる時間、費用など自分に状況に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
公式テキストが市販されている試験は、独学でも合格を目指すことができます。
独学に不安があったり、効率的にスキルアップしたい人は通信講座やスクールを上手に活用することをおすすめします。
クリエイターのオンラインスクール
デジハリ・オンラインスクールでは、デジタルハリウッドの授業を完全オンラインで学ぶことができます。
クリエイティブ業界に多くの卒業生を輩出しているデジタルハリウッドが母体となり、最新かつ実践的なカリキュラムを提供しています。
- Webデザイン
- 3DCG・映像
- ネット動画
- グラフィックデザイン など
まとめ
Web業界の転職は資格より実力が重視されますが、Web系資格をもっていることで、一定の知識やスキルを証明することができます。
またWeb職種にはテレワークが可能な仕事が多いので、副業やフリーランスとして独立するチャンスも広がっています。
【参考】
・中央職業能力開発協会
・各試験実施機関ウェブサイト
・デジハリ・オンラインスクールウェブサイト