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家電量販店の業界研究【概要・動向】

家電量販業界は店舗づくりや接客方法、きめ細かなサービスなどで世界的な市場に成長してきました。

コロナ禍では巣ごもり・テレワーク需要で各社は利益を大きく伸ばしましたが、反動減が続いています。

転職・就職で押さえておきたい家電量販店業界の概要と動向についてご紹介します。

家電量販店とは

家電量販店は、家庭用電気械器や附属品などを小売する専門店チェーンです。

家電量販店には大きく分けて、郊外の店舗と主要駅前の大型店があります。

幅広い品ぞろえと低価格販売でメーカー系列販売店からシェアを拡大してきました。

国内家電市場の大きな成長は見込めないものの、事業範囲の拡大や新規事業など成長戦略を進めています。

市場はネット販売が拡大しています。

家電製品の分野

  • 映像機器
  • 音響機器
  • 事務機器
  • 情報通信機器
  • 空調機器
  • 家事家電機器
  • 調理機器
  • 理美容、健康機器
  • 管球ランプ、電池
  • 記憶媒体

家電量販企業

家電量販店業界は、上位企業の売上が多くを占める寡占市場です。

家電量販企業の戦略やオペレーションは各社で異なります。

他業界との連携を進める動きが目立ちます。

ヤマダホールディングス

家電量販店業界トップ。

家電販売のヤマダデンキは「郊外型店舗」「都市型店舗」「地域家電店の組織化」と業界トップの店舗チェーンを持っています。

大塚家具を吸収合併しました。

注文住宅のヒノキヤグループを子会社化するなど、経営の多角化も進めています。

新しい事業へのチャレンジを続け、常に業界で動向が注目されています。

  • 設立:1983年9月
  • 本社:群馬県
  • 従業員数:25,284人
  • 平均年齢:45歳
  • 店舗数:996店(ヤマダデンキ)

ビックカメラ

家電量販店業界2位。

ビックカメラは駅前カメラ系の都市型家電量販店として成長し、コジマを傘下に収め、郊外にも勢力を拡大しています。

専門店の集合体として家電以外の売上も拡大させています。

  • 設立:1980年11月
  • 本社:東京都
  • 従業員数:9,883人
  • 平均年齢:37歳
  • 店舗数:44店

ヨドバシカメラ

家電量販店業界3位。

ヨドバシカメラは秋葉原と大阪・梅田に世界最大級の売上を誇る店舗を持っています。

世界で通用するオペレーションシステムが強みで、収益性は業界トップ水準です。

通販サイトにも力を入れています。

  • 設立:1960年4月
  • 本社:東京都
  • 従業員数:5,000人
  • 店舗数:24店

ケーズホールディングス

ケーズホールディングスは郊外型店舗を多く持ち、着実に売上と利益を伸ばしています。

家電大型専門店として家電製品を中心とした商品構成を行っています。

  • 創業:1947年3月
  • 本社:茨城県
  • 従業員数:7,154人
  • 平均年齢:41歳
  • 店舗数:546店

エディオン

ニトリホールディングスと資本業務提携。

エディオンは地域密着経営を行っている企業で構成されています。

接客のよさと提案力で顧客満足度が高い企業として認知されています。

  • 設立:2002年3月29日
  • 本社:大阪府
  • 従業員数:9,260人
  • 平均年齢:43歳
  • 店舗数:450店(直営)

ノジマ

オーナー系の家電量販企業。

ノジマは首都圏を地盤として成長してきました。

シンガポール小売大手の買収など市場拡大が見込まれる新興国の開拓を進めています。

  • 設立:1962年4月
  • 本社:神奈川県
  • 従業員数:12,016人
  • 平均年齢:33歳
  • 店舗数:233店

上新電機

上新電機は関西を地盤とする地域密着経営で成長してきました。

優れた顧客サービスで順調に売り上げを伸ばしています。

  • 設立:1950年2月2日
  • 本社:大阪府
  • 従業員数:4,184人
  • 平均年齢:43歳
  • 店舗数:216店

コジマ

ビックカメラグループの家電量販企業。

コジマは全店舗が「コジマ×ビックカメラ」のコラボ店となりました。

新規事業の売上拡大やコラボ店への改装を進めています。

  • 設立:1963年8月
  • 本社:栃木県
  • 従業員数:2,835人
  • 平均年齢:40歳
  • 店舗数:141店

家電小売業の売上高

順位企業名売上高
(百万円)
1ヤマダデンキ1,228,999
2ヨドバシカメラ778,463
3エディオン649,335
4上新電機406,502
5ビックカメラ(22/8)405,608
6ノジマ284,324
7コジマ279,374
8デンコードー158,450
9MXモバイリング133,410
10兼松コミュニケーションズ99,945
11ベルパーク99,870
12関西ケーズデンキ79,061
13コスモネット77,655
14サーボウェーブ74,962
15ギガス73,129
16エクスプライズ70,000
17ビッグ・エス63,966
18九州デーズデンキ56,378
19ピーアップ49,234
20サンキュー47,671

(帝国データバンク『全国企業あれこれランキング2024』より)

家電量販店の採用市場

販売・サービス系職種の採用市場は活発です。ECサイトやネット通販などが急成長し、新たなニーズも生まれています。

家電量販企業の基本は販売業務です。まずは販売を経験してから、他の職種に配置されるのがキャリアアップの流れといえます。

店舗担当

  • 販売担当
  • レジ担当
  • 商品管理
  • 店舗管理職(店長、副店長、部門責任者)

本部担当

  • バイヤー
  • 販売促進
  • 店舗開発
  • マーケティング
  • 商品管理
  • ネット販売
  • 管理部門

取得しておきたい資格

  • 家電製品アドバイザー
  • 販売士
  • 自動車免許
  • 語学資格

機械器具小売業の給与

区分20~24歳25~29歳41.1歳
(平均)
所定内労働時間164時間163時間164時間
残業12時間14時間12時間
月収244,300円280,500円340,400円
年間賞与等456,900円795,400円1,012,800円
年収3,388,500円4,161,400円5,097,600円

(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より)

まとめ

コロナ禍で好調だった家電量販店ですが、電気代の値上げなどの影響で低調に推移しています。

今後はインバンド需要の回復が期待されます。

家電量販店の業界は実力主義です。

若手でも実力が認められれば役職につけるので、他の業界より早く昇進することができます。

そのためには20代のうちから実力を磨き、勉強しておくことが大切になります。

家電製品アドバイザーの資格を取るには
家電製品アドバイザーは、家電製品について、選択、使用方法、不具合発生、廃棄などについて、消費者に的確に説明できる家電販売のプロフェッショナルです。
流通・小売業界で有利なおすすめ資格
流通・小売業界は少子高齢化やライフスタイルの変化、IT化などにより大きく変化しています。急激に環境が変化している流通・小売業界の転職では資格が役立ちます。
小売業の仕事
小売業界にはさまざまなビジネスがあり、消費者に商品を届ける役割を担っています。小売ビジネスの業態と職種についてご紹介します。
業界天気図一覧(2025年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職・就職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2025年度の主要業界天気予想を一覧にしました。

 

【参考】
・経済産業省ウェブサイト
・総務省ウェブサイト
・全国家庭電気製品公正取引協議会
・日本経済新聞出版『日経業界地図2024年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2024年版』