中途採用における技術職の書類選考では、他の職種以上に応募企業が求めている実績やスキルをピンポイントで満たしていることが重要になります。
職務経歴書は、どのような技術をどのレベルで保有しているのか、その技術を使ってどのような仕事をしてきたかをわかりやすくまとめることが大切です。
未経験者の応募は関連職種からのキャリアチェンジが多く、全くの未経験者はハードルが高いことも覚悟が必要です。
技術職の職務経歴書(経験者・未経験者)
フォーマット
技術職の職務経歴書は、経歴を時系列にまとめる「編年体式」より、職務内容をプロジェクトや製品ごとにまとめる「キャリア式」の方が見やすい場合が多いです。
編年体式
経歴を古いものから順に時系列にまとめる書き方です。基本的な構成は入社、配属、異動などの見出しと見出しに沿った職務内容、実績を記載する形式です。
古い方から書くのが一般的ですが、最新のものから書く形式(逆編年体形式)もあります。
習熟度やレベルアップをアピールしやすいので、同じ業務に携わってきた人に向いています。
キャリア式
時系列ではなく、職務内容ごとに経歴をまとめる書き方です。基本的な構成は、経歴の要約、職歴と、職種別、プロジェクト別、取扱商品別などキャリア(同じ業務)ごとにまとめて記載する形式です。
プロジェクトごとに、業務内容や規模、担当が異なる技術職・エンジニアの人に向いています。
キャリア式のポイント
キャリア式で記載するときには、内容をわかりやすくまとめることがポイントです。
①職務・プロジェクトごとにまとめる
年代順に職歴を書き出し、職務、プロジェクト、担当製品などに分けて記載します。
②職務内容に見出しをつける
職務ごとにまとめて、内容がわかるような見出しをつけます。
【例】「会計システムの開発」「(製品名)の量産の立ち上げ」など
③職務内容を箇条書きにする
担当分野、担当フェーズ、開発環境、役割などを箇条書きにまとめます。
④表を使用する
文章の羅列では読みにくくなる場合があります。表を使うなど見やすさにも配慮すると好印象です。
技術職の職務経歴書で記載する内容
技術職の職務経歴書では、応募企業が求めている経験やスキルを中心にまとめることが大切です。
技術職の必須内容
- 職務(プロジェクト)の内容:研究、開発、設計など担当した業務内容の説明
- 製品・商品:携わった製品・商品の特徴や説明
- 開発環境:該当する開発環境を記載
- 実績:製品・商品の開発実績など数字で表すとわかりやすい
- 資格:アピールとなる取得資格を記載
技術職の職務経歴書の書き方
技術職の職務経歴書は、経験したことをすべて記載するのではなく、求められているスキルに関わる経験に重点を置いて作成します。
職務概要
「キャリア式」で書く場合には、冒頭に簡単な経歴を【職務概要】や【経歴要約】などとして、まとめるとわかりやすいです。
プロジェクトの一覧
担当した職務やプロジェクト、製品ごとにまとめます。期間、業務内容、開発環境、メンバー、立場など区分して記載すると見やすくなります。
職務内容
プロジェクト名など見出しをつけて、業務の内容を簡単にまとめます。担当分野、担当フェーズなども記載します。
携わったプロジェクトが多い場合には、応募企業の求人ニーズに合致する領域を中心にA4サイズ1~2枚にまとめましょう。
開発環境、役割
該当する開発環境を記載し、プロジェクト全体の規模やそのなかでの立場・役割なども盛り込みます。
リーダー経験
リーダーとしての役割を担ってきた場合は、積極的にアピールします。リーダー補佐などでも経験した業務を記載しましょう。
中途採用では、マネジメント力、コミュニケーション力が重視されますので、何人のメンバーをまとめたかなどを盛り込みます。
資格・スキル
技術職には、専門の資格やスキルだけでなく、英語や中国語などの語学力が求められることもあります。TOEICのスコアもアピール材料です。
自己PR
応募企業が求めているスキル、経験と合致させて、技術職としての強みや、職務を通じて習得したこと、応募先で貢献できることを記載します。

研究・開発のアピールポイント
研究・開発職で求められるスキルはピンポイントです。十分な応募企業の研究を行って、合致する技術知識や経験レベル、実績を伝えることが不可欠です。
経験者
- マッチングを意識した経験領域とスキルの詳細記述がポイント
- リーダーやマネジメント経験は有利。予算やスケジュール・納期・進捗の管理、メンバーの管理、品質管理など責任や役割がわかる内容にする
- 論文などがあれば内容を記載する
未経験者
- 未経験であっても関連資格などでスキルレベルを証明する
- 応募企業の業界知識、対人折衝力、コミュニケーション力、チームワーク、語学力がアピール材料
建築・土木系のアピールポイント
建築・土木系の技術職では、専門技術に加えて、交渉力やマネジメント能力もアピールになります。
経験が浅い場合には、必要なスキルや知識を習得中であることを伝えます。
経験者
- 建築技術や関連法規の知識など具体的なスキルを記載する
- プロジェクトの実績や評価だけでなく交渉や折衝などの経験もアピール材料
- マネジメント・リーダー経験は有利。規模(メンバー数)や進捗・スタッフ管理などを記載する
未経験者
- 必要な資格は勉強中であることを記載する
- 一級建築士や工事、不動産関連の資格がアピール材料
- コミュニケーション能力、交渉力、事務処理能力などを記載する
IT・Web系のアピールポイント
SEやプログラマーなど職種の特性や、Web系・制御系・オープン系・汎用系などの技術分野、ベンダー・ITコンサルファーム・Sler・サイト運営など応募先が求める人物像とマッチする実績やスキルを強調します。
経験者
- プロジェクト別に役割や案件の概要、開発環境も記載する
- 使用言語、OS・DB、ハードの知識、資格を記載する
- マネジメント・リーダー経験は有利。規模(メンバー数)や進捗・スタッフ管理などを記載する
未経験者
- 基礎的なプログラミング言語やネットワーク知識は前提
- 関連する資格などでスキルレベルを証明する
- Web系事業会社では個人のHP作成経験もアピール材料
技術職の書類作成サポート
作成した応募書類に自信が持てなかったり、応募する前に添削してもらいたい、という人も多いのではないでしょうか。
転職エージェントの転職支援サービスを利用すると、書類作成のアドバイスや添削などのサポートを受けることができます。
技術職の転職支援
技術職の転職では、職種に精通した転職支援サービスを利用して、書類選考に有利な職務経歴書の作成をおすすめします。
転職支援サービスの例
- 非公開・独自案件の求人紹介
- 専任のキャリアコンサルタント
- 企業ごとの書類作成・面接対策など
技術職の転職支援サービス
まとめ
職務経歴書に最初に目を通すのは、技術職ではない採用担当であることがほとんどです。
経験したプロジェクトをただ羅列してもアピールにはなりません。応募企業で求めている経験やスキルを強調することが、書類選考を通過させる重要なポイントです。
基本的にはチームで業務を行いますので、クライアントやメンバーとの関係、コミュニケーション力も選考ポイントのひとつです。



参考:職務経歴書の基本構成
職務経歴書
20××年×月×日
氏名○○ ○○
【職務概要】
「キャリア式」で書く場合には、冒頭に簡単な経歴を【職務概要】や【経歴要約】などとしてまとめると、採用担当にも伝わりやすくなります。
【職務内容】
担当した職務やプロジェクト、製品ごとにまとめます。期間、業務内容、開発環境、メンバー、立場などを記載するとわかりやすくなります。
- 勤務先、勤務期間、所属、職種
- 経験した業務の詳細・実績
- 昇格・昇進、リーダー経験など
【習得スキル】
開発言語や環境、使用していたツールやソフト、語学力などを記載します。
- 開発言語・開発環境
- 使用ツール・パソコンスキル
- 受講研修
- 語学力など
【資格・免許】
応募職種に活かせる資格や免許をすべて記載します。
【自己PR】
自分の強みや経験・スキルが応募職種にどのように活かせるかを記載します。ものづくりへの思いを伝えることもポイントです。特に経験が浅い第二新卒や未経験者は、積極的や姿勢や意欲を伝えることが大切です。
- アピールポイント
- 転職(退職)理由