キーワード解説
社会人入試
社会人入試とは、社会人を対象とした入試制度のことです。
社会人入試は、社会人特別入試、社会人推薦入試など大学や学校によって呼び方は異なります。
総合型選抜(AO:アドミッション・オフィス)入試のひとつとして、社会人募集を行っている大学もあります。
総合型選抜は、勉強以外の活動や能力を評価する入試制度で、社会人であれば、社会に出て、仕事をしてきたことが評価されます。
社会人入試は、7割以上の大学で実施されています。
社会人入試を実施している大学でも、すべての学部や学科で実施しているわけではなく、多くの大学では限定された学部、学科でのみ実施しています。
人口構造・産業構造・社会構造が大きく変化するなか、社会の成長、経済の活性化を支える社会人のために、大学における受け入れを促進する取り組みは、社会全体の課題として広く行われることが求められています。
特に大学就学が期待される学習者層
- 社会人のうち企業研修などで組織的に学習する人や自主的に進学する人
学習目的は、専門的知識・技能の向上、業務の高度化・現代化に伴う知識・技能の獲得、企業経営の中核を担うための職能開発など - 就職後に短期間で離職した人や大学に進学しなかった人など20代~30代の若年層
- 育児で就業を中断後、復職を希望する人や新たに就業を希望する人
- 定年退職等を迎えた高齢者
学習目的は、職業経験を生かした起業・就業の準備や地域参画活動の準備など
社会人入試の出願資格
社会人入試の出願資格は、高校を卒業していること、あるいは高等学校卒業程度認定試験に合格していることなど、一般入試における大学入学資格に加えて、年齢や社会人経験などの条件があります。
社会人としての経験年数は、2~3年以上とされていることが一般的です。
勤務経験だけでなく、主婦やアルバイトとしての年数を含んだり、勤務をした経験は問わず、「高校卒業後○年以上」など、学校により条件はさまざまです。
社会人入試の選考方法
社会人入試の選考方法は、書類審査と小論文・面接で行われるのが一般的です。
社会人入試では、学習意欲や問題意識の深さなどが重視されますので、書類審査における志望動機や面接のなかで、何をどうして学びたいのかが伝わることが大切です。
通信制大学の入学試験では、学科試験は行わず、書類審査が中心です。
社会人編入学
短期大学や大学を卒業した人や中退した人は、大学に編入することができます。
編入学についても社会人を対象とした入試が行われています。
社会人編入学の出願資格は、大学・短期大学・高等専門学校を卒業、または大学に2年以上在学して所定の単位を取得した人、専修学校の専門課程を修了した人などです。
さらに、年齢や社会人としての経験年数が条件となります。
入学金や学費
社会人入試であっても、基本的に入学金や授業料は一般の学生と変わりありません。
一部の学校では社会人入試による入学者に、特別な免除や減免の制度を設けているところもあります。
また、学校が独自に設けている奨学金もあります。詳細は志望する学校の募集要項などで確認できます。
通信制大学
通信制大学の多くは入試がなく、学費もリーズナブルなので社会人に人気があります。
通信制大学では職業も年齢層も幅広い社会人学生が学んでいます。
通信制大学はテキスト学習・課題とスクーリングを組み合わせて単位を修得していきます。
スクーリングは対面授業のことで、夏休みや冬休みの期間、週末などを利用して集中的に実施する大学が多くなっています。
通信制大学は社会人にも学びやすく、学位を取得できるだけでなく、資格も取得できることが魅力です。
通信制大学は幅広い分野をカバーしているので、さまざまな目的に合わせて学ぶ分野を選ぶことができます。
- 教育学系の分野
- 福祉学系の分野
- 法律・政治学系の分野
- 人間科学・心理学系の分野
- 情報学系の分野 など
大学院・大学
大学院の社会人入試は書類審査と面接などにより選抜が行われています。
社会人には実務に役立つ実践的な知識やスキルを身につけられる大学院が人気です。
専門分野のスキルを身につけたり、資格取得を目指すことができます。
大学院では多彩な社会人学生が学んでいて、異業種交流や人脈作りに役立つことも魅力です。
社会人にも学びやすいように、平日夜間や土曜日の開講、通学に便利なサテライトキャンパスなど工夫がされています。
大学等で取得可能または受験資格を取得できる人気資格・免許
【参考】
・文部科学省ウェブサイト
・厚生労働省ウェブサイト