一般的に中途採用で必要となる「履歴書」や「職務経歴書」の応募書類。アルバイト経験しかないから職務経歴書は必要ないということはありません。
フリーターから正社員への応募書類では、特に意欲と常識がチェックされますので、職務経歴書を作成することで積極的な姿勢を示すことができます。
アルバイト経験を効果的にアピールする応募書類の書き方をマスターして、基本的なビジネススキルと前向きな入社意欲を伝えましょう。
既卒・フリーターの履歴書の書き方
履歴書の形式と筆記用具
特に指示がなければ、履歴書は手書きで作成します。求人企業は応募者の文字から、常識や入社意欲を判断するなど、書類選考のポイントとなることがあります。
既卒におすすめの履歴書
既卒で職歴がない場合は、特技、性格、趣味などの自己紹介的な項目が充実している履歴書を選びましょう。
「学歴・職歴」が左側にまとめられ、右側には「得意な学科」「趣味」「志望動機」などの欄が広く取られているものがおすすめです。
【例】コクヨ「一般用・B5判」、日本法令「自己紹介書付き」
フリーターにおすすめの履歴書
長期のアルバイトや派遣社員が5年以上など、その経験をアピールする場合は、学歴は最終学歴のみで、職歴が大きく取られている転職者用を選びましょう。
【例】日本法令「転職者用・B4判(A3判)」
筆記用具は予備も用意
水性タイプのボールペンやサインペンが書きやすいでしょう。インクの色は黒が基本です。
途中でインクがかすれたり、太さが変わったりしないように、同じものを2本用意しておくと安心です。
履歴書の基本
履歴書は、応募企業に最初の印象を与えるものです。間違いなく、丁寧に作成することが大切です。
氏名と日付
氏名は戸籍に登録されている正確な漢字を省略せずに書きます。日付は郵送するなら投函日を、面接で持参するなら面接日を記入します。
年号は和暦、西暦いずれかで統一します。
連絡先
住所は都道府県から書き、ハイフンなどで略した書き方はしません。マンション名等も記入します。
電話番号は自宅の電話と携帯電話の両方を書いておくと丁寧です。連絡手段にメールを使用する企業が増えましたので、メールアドレスの欄がなくても、メールアドレスを記入しておくのがよいでしょう。
学歴
中学卒業から記載することが一般的です。高等学校以降の学歴は入学・卒業とも年次を記入します。
年次は間違えやすい項目ですので、しっかり確認して記載します。間違えると経歴詐称とされることもありますので、注意しましょう。
浪人以外の空白期間はないように記入します。
「家庭の事情により中途退学」「進路志望変更のため中途退学」「健康上の理由により中途退学」など
「留学」「ワーキングホリデー」などの理由とその期間に経験したことを記入します。
職歴
どんな会社で、どんな仕事を、どのようにしてきて、どんな結果を出してきたのかを記入します。応募企業と関連するもの、役立つ経験を強調して記入します。
アルバイトでいくつかの会社を経験した場合には、記載した後に「接客業務が中心」など、携わってきた業務内容をまとめて、一貫性があると思われる工夫をしましょう。
アルバイトは厳密には職歴ではありませんが、正社員としての経験がない場合やブランクの間にアルバイト経験がある場合は、職歴欄に記入します。
3ヵ月未満の短期アルバイトを書きすぎるのはマイナスの印象になりかねませんので、長期のものを中心に書きましょう。
求人企業は「なぜブランクがあるのか」を気にします。留学やボランティアなど理由がはっきりしている場合は、具体的に記入しましょう。
契約期間を満了した場合は「契約満了につき退職」
契約期間満了前に自分の都合で辞めた場合は「一身上の都合により退職」と記載します。
志望動機のポイント
なぜ応募企業を選んだのかを簡潔にまとめます。アルバイト経験でも応募企業で活かせる経験があること、その経験を活かして、どのように貢献できるか、という流れでアピールします。
会社は学校とは違いますので、自分の事情を志望動機にするのは不評です。新卒で就職しなかった理由に触れておくのもよいでしょう。
「慎重に自分の進む道を選んで、この仕事に応募するに至った」という流れを上手に伝えることがポイントです。
NGフレーズ
志望動機の例
既卒・フリーターの職務経歴書の書き方
職務経歴書の基本
職務経歴書は、自分をアピールするための書類です。経歴を並べるのではなく、応募企業が求めていることを理解して、アピールできる経歴を中心にまとめましょう。
残念な職務経歴書
好印象の職務経歴書
職務経歴書に盛り込む内容
既卒・フリーターの職務経歴書では、アルバイトや派遣社員の経験もアピール材料になります。アピールとなる経験を強調しましょう。
アルバイト経験
アルバイト期間が長いものを優先して記載します。目安として3ヵ月未満ものは省略してよいでしょう。
アルバイトの仕事内容
アルバイトでどのような仕事をしてきたか、できるだけ具体的に記載します。
仕事内容は「販売」など一言で表現するのではなく、わかりやすく言い換える工夫をするようにしましょう。
接客業務、店内商品のレジ業務、商品の陳列、店内清掃、クレーム対応など
データの入力業務、入力チェック、ファイリング、書類の管理など
仕事への工夫
アルバイトでも自分なりに工夫したこと、努力したことを記載します。効率化や売上アップのために工夫した点をアピールしましょう。
社員並み仕事経験
社員と変わらない仕事をしていた場合には必ずそのことを記載します。チーフやスタッフリーダーになったなど肩書や昇進があった場合も記載しましょう。
正社員を希望する理由
なぜフリーターから正社員になろうと思ったのかは、採用担当が知りたいところです。志望動機や自己PRに絡めて記載しましょう。
職務経歴書の書き方
職務経歴書に最初に目を通すのは、採用担当です。わかりやすく読みやすい書き方を工夫しましょう。
職務内容
アルバイト経験をすべて書く必要はなく、期間が長いものや応募先で役立つものを優先します。働いた期間、働いた会社情報、仕事内容を、働いた順番に書きます。
アルバイト経験でも応募先で活かせる実務経験は評価されますので、積極的にアピールしましょう。3ヵ月未満のものやアピールにならないものは省略してかまいません。
保有資格・スキル
免許・資格だけでなく、応募先に関連する知識や技術、職業訓練の受講歴、基本的なビジネスマナーが身についていることはアピールポイントになります。事務系職種であればPCスキルを必ず記載します。
自己PR
自己PRで仕事への意欲をアピールします。これまでの経験と応募する職種に関連がない場合などは、文頭で「自分が何をしてきたのか」「なぜフリーターを選んだのか」「正社員を目指す理由は何か」を説明しておくほうがよいでしょう。
志望動機とリンクする正社員を希望する理由と気構え、熱意を伝えましょう。
- アピールできる強み
- 強みとなる経験・裏付けの理由
- 強みを応募企業でどう活かすか
既卒・フリーターの書類作成サポート
作成した応募書類に自信が持てなかったり、応募する前に添削してもらいたい、という人も多いのではないでしょうか。
就職サイトの就職支援サービスを利用すると、書類作成のアドバイスや添削などのサポートを受けることができます。
既卒・フリーター専門の就職支援サービスを利用して、書類選考に有利な応募書類を作成しましょう。
既卒・フリーターの就職支援
既卒・フリーターの就職支援サービスでは、既卒やフリーターなど未経験から正社員として就職できる求人を扱っています。
未経験OKの幅広い職種・業界の求人をカバーしていますので、自分に合った仕事を見つけることができます。
専門の就職支援サービス
まとめ
既卒・フリーターの応募書類では、これまでアルバイトを真剣にやってきた経験、その経験を活かして正社員になりたいという本気度を伝えることが大切です。
アルバイトであっても真剣に仕事に取り組んできた姿勢は評価されます。自信をもって前向きにアピールしましょう。



参考:職務経歴書の基本構成
職務経歴書
20××年×月×日
氏名○○ ○○
【職務内容】
具体的な仕事内容や実績を伝えます。アピールになるアルバイト経験や派遣社員経験は記載して大丈夫です。
- 勤務先、入社・退社年月、所属、職種
- 経験した業務の詳細・実績
- 勤務先での評価、表彰、受賞、昇格、後輩指導など
【資格・スキル】
応募企業に役立つ知識や技能を伝えます。
- 免許・資格・スキルレベル
- 業務に関連する学歴、自己啓発
【転職理由・自己PR】
入社意欲や求人ニーズに合った適性や強みを伝えます。
- 転職(退職)理由
- 自己PR