アパレル産業とは衣服の製造業および流通業のことです。
SPA(製造小売業)やアパレルメーカー、商社、販売店などで構成されます。
転職・就職で押さえておきたいアパレル産業の概要と動向についてご紹介します。
アパレル産業の業界動向(2024年)
アパレル業界
アパレル業界は、衣料品の企画開発を行い、生産工場でできあがった製品を小売業に卸売するアパレルメーカーと、企画開発から生産、販売まで一貫して行うSPA(製造小売業)を主軸としています。
さらに素材を生地にして提供するテキスタイルメーカーや商社、衣料品を販売する専門店などで構成されます。
アパレル業界には素材の生産、製品の生産、小売への流通という流れがあり、長い間、それぞれの役割により分業化されてきました。
しかし、メーカーによる小売店への直販や企画開発から生産、販売までを一体化したSPAが台頭し、こうした流通経路は変化しています。
アパレル業界の流れ
- 素材の生産
紡績メーカー、テキスタイルメーカー、商社 - 製品の生産
アパレルメーカー、縫製メーカー、卸売・問屋 - 小売へ流通
百貨店、専門店など
SPA(製造小売業)
SPAは企画開発から生産、販売までを一貫して手掛けます。
業績を伸ばしている企業では、低価格衣料を強みとして、付加価値を高めているのが特徴です。
価格競争が激化するなか、生き残りには、安さだけでなく、独自の強みやビジネスモデルが必要となっています。
ファーストリテイリング
SPAの国内最大手。
「ユニクロ」や「ジーユー」を世界展開しています。
- 設立:1963年5月1日
- 本部:東京都
- 本店所在地:山口県
- 売上高:2兆3,011億円
- 従業員数:58,505人
- 平均年齢:38歳
アダストリア
ポイントやトリニティアーツなどが経営統合。
カジュアル衣料が主力です。
- 設立:1953年10月22日
- 本部:東京都
- 本店所在地:茨城県
- 売上高:2,425億円
- 従業員数:6,356人
- 平均年齢:33歳
パルグループホールディングス
ファッション衣料・雑貨店。
アパレルを主力としていますが、日用雑貨の「3COINS」がヒットしました。
- 設立:2016年9月1日
- 本店所在地:大阪府
- 売上高:1,644億円
- 従業員数:3,591人
- 平均年齢:46歳
ワークマン
作業服チェーンの最大手。
一般向けの「WORKMAN Plus」、「ワークマン女子」も展開しています。
- 設立:1979年11月30日
- 本部:東京都
- 本店所在地:群馬県
- 売上高:1,282億円
- 従業員数:365人
- 平均年齢:37歳
ストライプインターナショナル
20~30代向のカジュアル衣料。
衣料品店のほかにホテルやカフェも展開しています。
- 設立:1995年2月
- 本部:東京都
- 本店所在地:岡山県
- 売上高:1,008億円
- 従業員数:2,495人
メーカー系
主要な販路である百貨店や専門店の売り上げ減が続き、ネット販売や新業態の構築で成長策を模索しています。
ワールド
ファッションビル・ショッピングセンター主体のアパレルメーカー大手。
「アンタイトル」「タケオ キクチ」などを展開しています。
構造改革を経て再上場を果たしています。
- 1959年1月13日
- 本部:東京都
- 本社所在地:兵庫県
- 売上高:2,142億円
- 従業員数:7,648人
- 平均年齢:44歳
オンワードホールディングス
百貨店主体のアパレルメーカー大手。
「23区」「組曲」など百貨店向けブランドを多数展開しています。
- 設立:1947年9月4日
- 本店所在地:東京都
- 売上高:1,760億円
- 従業員数:6,061人
- 平均年齢:45歳
TSIホールディングス
ファッションビル・ショッピングセンター主体のレディース大手。
東京スタイルとサンエー・インターナショナルが経営統合しました。
- 設立:2011年6月11日
- 本店所在地:東京都
- 売上高:1,544億円
- 従業員数:4,206人
ワコールホールディングス
婦人下着首位。
三愛の水着事業を買収して水着市場にも参入しています。
- 設立:1949年11月1日
- 本店所在地:京都府
- 売上高:1,885億円
- 従業員数:19,147人
- 平均年齢:46歳
グンゼ
インナーやストキッキングなどを展開。
素材事業も行っています。
- 設立:1896年8月10日
- 本社:大阪府
- 本店所在地:京都府
- 売上高:1,360億円
- 従業員数:5,214人
- 平均年齢:43歳
三陽商会
主力だった「バーバリー」のライセンス契約終了。
EC支援企業を買収し、売上拡大を図っています。
- 設立:1943年5月11日
- 本社:東京都
- 売上高:582億円
- 従業員数:1,179人
- 平均年齢:42歳
仕入れ型
仕入れ型の衣料専門店はアパレルメーカーや商社から衣料品を購入して販売します。
しまむら
低価格帯のカジュアル衣料店。
アジアへも進出しています。
- 設立:1953年
- 本社:埼玉県
- 売上高:6,175億円
- 従業員数:3,098人
- 平均年齢:42歳
ユナイテッドアーズ
セレクトシップ首位。
メンズ・レディース衣料や雑貨を展開しています。
- 設立:1989年10月2日
- 本社:東京都
- 売上高:1,301億円
- 従業員数:3,915人
- 平均年齢:35歳
ライトオン
ジーンズなどカジュアル衣料店。
ショッピングセンターを主体として全国展開しています。
- 設立:1980年4月1日
- 本社:東京都
- 売上高:482億円
- 従業員数:681人
- 平均年齢:35歳
紳士服
カジュアル化が進行し、専業モデルからの転換などの動きが見られます。
出社する人が増えたことでコロナ禍からは回復傾向です。
青山商事
紳士服業界トップ。
カジュアルも展開しています。
- 設立:1964年5月6日
- 本社:広島県
- 売上高:1,835億円
- 従業員数:6,638人
- 平均年齢:37歳
AOKIホールディングス
紳士服2位。
ブライダル事業やカフェなども展開しています。
- 設立:1976年8月21日
- 本社:神奈川県
- 売上高:1,761億円
- 従業員数:2,967人
- 平均年齢:41歳
コナカ
紳士服専門チェーン。
紳士服郊外店のほか、都市型スーツセレクトショップも展開しています。
- 設立:1973年11月
- 本社:神奈川県
- 売上高:631億円
- 従業員数:2,507人
- 平均年齢:40歳
はるやまホールディングス
紳士服の郊外店を西日本中心に展開しています。
- 設立:1974年11月6日
- 本社:岡山県
- 売上高:368億円
- 従業員数1,223人
- 平均年齢:45歳
子供服
少子化で国内市場は縮小傾向です。
各社は顧客層の拡大に力を入れています。
西松屋チェーン
ベビー・子供用衣料・雑貨の専門店。
郊外の大型店に強みがあります。
- 設立:1956年10月
- 本社:兵庫県
- 売上高:1,695億円
- 従業員数:680人
- 平均年齢:40歳
赤ちゃん本舗
ベビー・子供用衣料店。
- 創業:1932年4月1日
- 本社:大阪府
- 売上高:801億円
- 従業員数:874人

アパレル業界の採用市場
アパレル特有の職種
アパレル業界には特有のさまざまな職種があり、専門性を生かして活躍しています。
デザイナー
ブランドや企業のデザイナーとして、ブランドのテイストや雰囲気に合わせた企画・デザイン提案の業務を行います。
パタンナー
デザイナーが作成したデザイン画をもとに洋服の型紙(パターン)を作る仕事です。
デザイナーと二人三脚で業務を進めます。
バイヤー
商品別の販売予算や利益予算まで責任を持つ仕入れ担当者です。
売れ筋商品を見極めて買い付ける仕事であるため、トレンドに敏感であることが求められます。
マーチャンダイザー(MD)
消費者のニーズを把握し、商品の仕入れ計画や価格数量、価格設定など商品に関する管理責任者です。
小売りではバイヤーと同じように、ショップの顧客層に合った商品を選んで陳列します。
ビジュアル・マーチャンダイザー(VMD)
ショップのコンセプトやブランドイメージを表現して、売上に繋がる商品配置やレイアウト、在庫・生産数などを元に売り場作りをする仕事です。
エリアマネジャー(スーパーバイザー)
担当するエリア内にある複数の店舗を担当し、運営や管理を支援、指導するのがエリアマネジャー、スーパーバイザー(SV)の仕事です。
百貨店であればフロアマネジャーが類似した職種といえます。
多くの場合、販売経験のある人が担当します。
プレス
ファッション業界における広報担当者です。
雑誌やテレビなどのメディアに商品をPRするのが仕事です。
商品を貸し出して撮影やテレビで露出してもらいます。
ファッションアドバイザー
ファッションアドバイザーは、接客を通して、店の商品を売る販売職です。
商品の種類や店舗の特性などによって、接客方法はさまざまです。
豊富な商品知識やファッション情報を持ち、コーディネートの提案ができること、顧客のニーズを的確につかむことが求められます。


まとめ
アパレル不況が続くなか、百貨店やショッピングセンターの低迷を補うために、各社は自社ECの強化やレンタルなど新事業での顧客開拓に力を入れています。
海外進出にも積極的です。

【参考】
・一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会
・一般財団法人日本ファッション協会
・各企業公式サイト
・日本経済新聞出版『日経業界地図2024年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2024年版』