転職・就職に役立つ保育サービス業界研究


保育サービスは、共働き家庭の増加とともに市場を拡大しています。

待機児童の問題も改善傾向にあります。

保育サービスの需要は拡大傾向が続くと見込まれますが、保育士の確保が課題となっています。

保育所の運営会社は、保育士の待遇改善や業務負担の削減、福利厚生の充実などに力を入れています。

転職・就職で押さえておきたい保育サービスの基礎知識、業界の動向、採用市場をご紹介します。

保育業界の最新動向(2023年)

保育サービスとは

保育業界の代表的なサービスは保育所です。

保育所は認可保育所と認可外保育所に分かれます。

ほとんどは自治体や社会福祉法人が運営しています。

民間企業の参入は少数ですが、受け皿は広がっています。

待機児童問題は改善が進みましたが、都市部を中心に課題は残っています。

保育士不足も深刻な状況が続いています。

政府は保育士の給与を引き上げる方針を掲げています。

保育士の給与は全産業に比べて低く、待遇が保育士不足につながっていると考えられるためです。

行政からの支援を含めて、業界全体の改革が必要になっています。

こども家庭庁が2023年に発足予定であり、国による子育て支援に期待が高まっています。

保育サービスの種類

  • 施設保育:認可保育所、認可外保育所、認定こども園、幼稚園など
  • 在宅保育:ベビーシッター、保育ママなど

保育サービス企業

保育所のニーズは続いていますが、地方では定員割れする施設も出ています。

保育各社はサービスの付加価値を高めることに力を入れています。

JPホールディングス

業界最大手の上場企業です。

首都圏の認可保育所を中心に施設を増やし、地方主要都市へも進出しています。

英語、クッキング、体操、リトミックの教育プログラムを実践し、食育にもこだわった保育をしています。

総合保育サービス企業として業界をけん引する存在です。

  • 売上高:343億円
  • 従業員数:3,976人
  • 平均年齢:43歳

ライク(ライクキッズ)

事業所内保育施設(企業・病院・大学等)の運営を受託しています。

また認可保育園をはじめ、学童クラブや児童館など、さまざまな形態の保育施設も運営しています。

  • 売上高:277億円
  • 従業員数:5,340人

こどもの森

業界大手の老舗企業です。

首都圏を地盤に認可保育所をメインとして、東京都認証保育所、児童館、学童保育所などを展開し、安定的に事業を拡大しています。

施設型保育に特化し、法人ではなく、個人の保護者を対象とした保育所事業を続けています。

  • 売上高:220億円
  • 従業員数:2,500人

グローバルキッズCOMPANY

創業10年でマザーズに上場した旧グローバルグループ。

認可保育所の開設を重点的に行っています。

グループ中核のグローバルキッズでは保育士、栄養士、看護師などの専門家がチームとして取り組む「チーム保育」を実践しています。

  • 売上高:235億円
  • 従業員数:2,778人

ポピンズ

ポピンズの事業内容はベビーシッター派遣、認可保育所、東京都認証保育所の運営、事業所・大学・病院・商業施設・ホテル内託児所の運営、学童クラブの運営、受験教室、インターナショナルスクールなど多岐にわたります。

大手企業や病院などの取引が多く、ポピンズのブランド力を高めています。

  • 売上高:247億円
  • 従業員数:4,000人

ソラスト

医療・介護・保育事業を展開。

東京都、千葉県で保育所を運営しています。

  • 売上高:506億円
  • 従業員数:30,928人
  • 平均年齢:44歳

ヒューマンホールディングス

認可保育所の運営が中心。

事業所内保育所や院内保育所も展開しています。

  • 売上高:226億円
  • 従業員数:4,052人
  • 平均年齢:44歳

ピジョンハーツ

ピジョングループの保育サービスです。

認可保育所などを展開し、特に企業内・院内保育所で圧倒的な実績があります。

介護系

  • ニチイ学館:保育所「ニチイキッズ」を展開
  • ベネッセスタイルケア:首都圏中心に保育所、学童保育を展開

教育系

  • 小学館集英社プロダクション:保育所、幼児教室を展開
  • 学研ココファン・ナーサリー:子育て支援事業を展開

その他

  • アートチャイルドケア:アートコーポレーション傘下の保育所
  • タスクフォース:法人向けサービスを展開

幼児教育

認定こども園は増加傾向にあります。

認定こども園が増えるということは、幼児教育が充実するということでもあります。

認定こども園

幼保一体化施設として認定こども園は増加していくことが予想されています。

施設の種類により定義や条件が異なります。

  • 幼保連携型
    認可幼稚園と認可保育所の基準を満たす施設
  • 幼稚園型
    認可幼稚園が保育所的な機能を備える施設
  • 保育所型
    認可保育所が幼稚園的な機能を備える施設
  • 地方裁量型
    幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が必要な機能を果たす施設

幼稚園

幼稚園は保育所とは対照的に経営環境が厳しくなっています。

幼稚園から認定こども園への移行も増加しています。

  • 私学助成認可幼稚園
  • 施設型給付認可幼稚園
  • 幼稚園型認定こども園
  • 幼保連携型認定こども園

保育業界の採用市場

保育士の求人・転職

保育士不足は続いていて、有効求人倍率は他の職種と比較しても高い水準を維持しています。

特に東京や大阪など都市部での不足が深刻です。

保育サービスは景気に左右されにくい業界ですので、保育士のニーズは今後も続くと考えられます。

保育士の給与

区分20~24歳25~29歳38.1歳(平均)
所定内労働時間170時間167時間166時間
残業3時間3時間3時間
月収221,400円242,900円256,500円
年間賞与等468,300円710,800円744,000円
年収3,125,100円3,625,600円3,822,000円

(厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より)

保育士の転職活動

保育士の転職市場は活発ですので、一般の転職サイトでは業界の動向に追いつけない傾向があります。

保育士専門の転職支援サービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーが転職をサポートしてくれます。

非公開・好条件の求人紹介だけでなく、求人情報からだけでは知ることのできない職場環境などを聞くこともできます。

書類作成や面接対策などのサポートもあります。

保育士求人・転職サイトおすすめランキング【20代・第二新卒】
保育士転職では専門サービスの利用が欠かせなくなっています。20代・第二新卒保育士さんのよりよいキャリアをサポートする保育士求人・転職サイトをご紹介します。

保育士の転職スキルアップ

保育士になるには

保育所など児童福祉施設において子供の保育を行うためには、国家資格が必要です。

保育士は保育の専門家として、専門知識と技術を持って児童の保育を行い、指導します。

保育士の資格を取得するには、指定の養成校を卒業する方法と保育士国家試験に合格する方法があります。

養成校を卒業しなくても、受験資格があれば保育士試験に合格することで、資格を取得できますので、社会人からでも目指しやすい資格といえます。

国家試験の受験資格

  • 4年制大学を卒業した人
  • 4年制大学に2年以上在学し、62単位以上を修得した人
  • 短期大学や専修(専門)学校を卒業した人
  • 児童福祉施設で5年以上児童の保護に従事した人
  • 高等学校卒業者の場合は、児童福祉施設で2年以上児童の保護に従事した人
  • 幼稚園教諭免許の取得者 など

試験日

  • 筆記試験:4月、10月
  • 実技試験:7月、12月

試験内容

  • 筆記試験:社会福祉、児童家庭福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育原理、教育原理、社会的養護、保育実習理論
  • 実技試験:音楽表現に関する技術、造形表現に関する技術、言語表現に関する技術

合格率

20%程度(全科目合格者)

試験対策の保育士通信講座おすすめスクール
保育士試験対策の通信講座をお手頃価格で受講できるスクールご紹介します。条件を満たせば教育訓練給付制度を活用してお得に人気の保育士講座で学ぶことができます。
保育士試験の受験者数・合格者数・合格率(47都道府県)
保育士試験に合格すれば保育士養成校を卒業しなくても保育士資格を取得することができます。保育士試験の受験者数・合格者数・合格率(都道府県別)をご紹介します。

まとめ

少子化は進んでいますが、保育所のニーズは高く、保育士は足りていません。

保育士の待遇改善が進められていますので、これまで以上にやりがいをもって働き続けられる環境が整備されていくと考えられます。

保育士は子どもの保育に関するスペシャリストとして、人に感謝され、自分も成長できる社会的にも意義のある仕事です。

保育士不足が深刻ですので、やる気のある人にとっては、いろいろな活躍の場が広がっているといえます。

社会人になってから保育士になるには【転職・キャリアチェンジ】
社会人から保育士になるには、どのようなルートがあるでしょうか。保育士になるためには保育士養成施設と保育士試験の大きく2つのルートがあります。
働きながら保育士養成施設で学ぶには
保育士養成施設では保育士として必要な知識と技術を学び、卒業と同時に保育士資格を取得できます。保育士資格を取得できる大学・短大・専門学校についてご紹介します。
転職・就職に役立つ業界天気図一覧(2023年)
採用市場と密接に関わる企業の業績。業界の動向は転職活動を進めるうえで、重要な情報のひとつです。2023年度の主要業界天気図を一覧にしました。

 

【参考】
・東洋経済新報社『四季報業界地図2023年版』
・日本経済新聞出版『日経業界地図2023年版』
・厚生労働省WEBサイト