保育サービスの業界研究


保育所のニーズは、幼児教育・保育無償化により、さらに強まっています。保育サービス市場は拡大傾向が続くと見込まれますが、保育士の確保が課題となります。

保育所の運営会社は、保育士の待遇改善や業務負担の削減、福利厚生の充実などに力を入れています。

保育業界の転職・就職で押さえておきたい基礎知識、業界の動向、採用市場をご紹介します。

保育業界の最新動向(2020年)

保育サービスとは

保育業界の代表的なビジネスは保育所です。保育所は認可保育所と認可外保育所に分かれます。ほとんどの運営が自治体や社会福祉法人で、企業の参入は少数です。

待機児童は減少に転じましたが、都市部を中心に課題は残っています。保育士不足も深刻な状況が続いています。

政府は保育士の給与を引き上げる方針を掲げています。保育士の給与は全産業に比べて低く、待遇が保育士不足につながっていると考えられるためです。行政からの支援を含めて、業界全体の改革が必要になっています。

保育サービスの種類

  • 施設保育:認可保育所、認可外保育所
  • 在宅保育:ベビーシッター、保育ママなど

保育サービス企業

保育所のニーズは高く、今後も成長が見込まれます。積極的な新設を続ける企業も目立ちます。

JPホールディングス

業界最大手の東証一部上場企業です。首都圏の認可保育所を中心に施設を増やし、地方主要都市へも進出しています。英語、クッキング、体操、リトミックの教育プログラムを実践し、食育にもこだわった保育をしています。総合保育サービス企業として業界をけん引する存在です。

  • 売上高:292億円
  • 従業員数:3,481人
  • 平均年齢:48歳

ライクキッズネクスト

旧サクセスホールディングス。事業所内保育施設(企業・病院・大学等)の運営を受託しています。また認可保育園をはじめ、学童クラブや児童館など、さまざまな形態の保育施設も運営しています。

  • 売上高:205億円
  • 従業員数:2,534人
  • 平均年齢:30歳

こどもの森

業界大手の老舗企業です。首都圏を地盤に認可保育所をメインとして、東京都認証保育所、児童館、学童保育所などを展開し、安定的に事業を拡大しています。施設型保育に特化し、法人ではなく、個人の保護者を対象とした保育所事業を続けています。

  • 売上高:180億円
  • 従業員数:1,500人

グローバルキッズCOMPANY

創業10年でマザーズに上場した旧グローバルグループ。認可保育所の開設を重点的に行っています。グループ中核のグローバルキッズでは保育士、栄養士、看護師などの専門家がチームとして取り組む「チーム保育」を実践しています。

  • 売上高:170億円
  • 従業員数:2,116人

ポピンズ

ポピンズの事業内容はベビーシッター派遣、認可保育所、東京都認証保育所の運営、事業所・大学・病院・商業施設・ホテル内託児所の運営、学童クラブの運営、受験教室、インターナショナルスクールなど多岐にわたります。大手企業や病院などの取引が多く、ポピンズのブランド力を高めています。

  • 売上高:169億円
  • 従業員数:4,000人

ピジョンハーツ

ピジョングループの保育サービスです。認可保育所などを展開し、特に企業内・院内保育所で圧倒的な実績があります。

  • 売上高:37億円

介護系

  • ニチイ学館:保育所「ニチイキッズ」を展開
  • ベネッセスタイルケア:首都圏中心に保育所、学童保育を展開

教育系

  • 小学館集英社プロダクション:保育所、幼児教室を展開
  • 学研ココファン・ナーサリー:子育て支援事業を展開

その他

  • アートチャイルドケア:アートコーポレーション傘下の保育所
  • ソラスト:東京都、千葉県で保育所運営
  • タスクフォース:法人向けサービスを展開

幼児教育

少子化の進展は、幼児教育を展開する施設にとって、大きな課題となっています。

認定こども園

幼保一体化施設として認定こども園は増加していくことが予想されます。施設の種類により定義や条件が異なっています。

  • 幼保連携型:認可幼稚園と認可保育所の基準を満たす施設
  • 幼稚園型:認可幼稚園が保育所的な機能を備える施設
  • 保育所型:認可保育所が幼稚園的な機能を備える施設
  • 地方裁量型:幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が必要な機能を果たす施設

幼稚園

幼稚園は保育所とは対照的に経営環境が厳しくなっています。幼稚園から認定こども園への移行も増加しています。

  • 私学助成認可幼稚園
  • 施設型給付認可幼稚園
  • 幼稚園型認定こども園
  • 幼保連携型認定こども園

保育業界の採用市場


保育士の人材不足は深刻な状況です。資格を持っていれば希望の転職・就職を実現しやすい状況にあるといえます。

保育士になるには

保育所など児童福祉施設において子供の保育を行うためには、国家資格が必要です。保育士は保育の専門家として、専門知識と技術を持って児童の保育を行い、指導します。

保育士の資格を取得するには、指定の養成校を卒業する方法と保育士の国家試験に合格する方法があります。養成校を卒業しなくても、保育士試験に合格すると資格を取得できますので、社会人からでも目指しやすい資格といえます。

国家試験の受験資格

  • 4年生大学の卒業者
  • 4年制大学に2年以上在学し、62単位以上の修得者
  • 短期が委託や専修(専門)学校の卒業者
  • 児童福祉施設で5年以上児童の保護に従事した者
  • 高等学校卒業者の場合は、児童福祉施設で2年以上児童の保護に従事した者
  • 幼稚園教諭免許所有者など

試験日

  • 筆記試験:4月、10月
  • 実技試験:7月、12月

試験内容

  • 筆記試験:社会福祉、児童家庭福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育原理、教育原理、社会的養護、保育実習理論
  • 実技試験:音楽表現に関する技術、造形表現に関する技術、言語表現に関する技術

合格率

20%程度(全科目合格者)

保育士国家試験で資格を取得する方法
保育士養成校を卒業しなくても、保育士国家試験に合格すれば、保育士資格を取得することができます。20代・第二新卒が最短で資格取得を目指すのであれば、国家試験がおすすめです。

保育士の給与

区分 20~24歳 25~29歳 37.1歳(平均)
所定内労働時間 171時間 169時間 169時間
残業 3時間 4時間 4時間
月収 206,100円 226,400円 238,000円
年間賞与等 470,900円 712,800円 707,900円
年収 2,944,100円 3,429,600円 3,563,900円

(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」より)

保育士の転職支援

保育士の転職市場は活発ですので、一般の転職サイトでは業界の動向に追いつけない傾向があります。保育士専門の転職支援サービスを上手に利用することをおすすめします。

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まとめ

少子化は進んでいますが、保育所のニーズは高く、保育士は足りていません。保育士の待遇改善が進められていますので、これまで以上にやりがいをもって働き続けられる環境が整備されていくと考えられます。

保育士は子どもの保育に関するスペシャリストとして、人に感謝され、自分も成長できる社会的にも意義のある仕事です。保育士不足が深刻ですので、やる気のある人にとっては、いろいろな活躍の場が広がっているといえます。

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