建築施工管理技士は、建築工事の施工管理技術者の国家資格です。
建築工事において主任や監理技術者として工事を管理する建設関係では不可欠な資格です。
建築施工管理技術検定の第一次検定に合格すると建築施工管理技士補、第二次検定に合格すると建築施工管理技士の資格を取得することができます。
建設業界の重要資格である建築施工管理技士・施工管理技士補の資格と勉強法についてご紹介します。
建築施工管理技士・建築施工管理技士補
建築施工管理技術検定とは
建築施工管理技術検定とは、建築工事に従事する技術者の技術の向上を目的とした検定試験のことです。
技術検定には1級と2級があり、第一次検定と第二次検定に分けて実施されています。
技術検定は国土交通大臣が試験機関を指定しています。
建築施工管理技術検定は「一般財団法人 建築業振興基金」が試験を実施しています。
建築施工管理技士と建築施工管理技士補
建築施工管理技術検定の第一次検定に合格すると1級・2級建築施工管理技士補、第二次検定に合格すると1級・2級建築施工管理技士の国家資格を取得することができます。
1級建築施工管理技士と2級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士は大規模工事(超高層建築、大規模都市施設など)、2級建築施工管理技士は建築・躯体・仕上げの資格に分かれ、中小規模工事を扱うことができます。
2級建築施工管理技士の資格を取るには
2級建築施工管理技術検定
2級建築施工管理技士になるには、2級建築施工管理技術検定に合格する必要があります。
第一次検定の合格で2級建築施工管理技士補、第二次検定に合格すると2級建築施工管理技士の国家資格を取得することができます。
受検資格
第一次検定は17歳以上であれば誰でも受検することができます。
第二次検定を同日受検するには、以下の受験資格を満たすことが必要になります。
- 大学・専門学校の「高度専門士」
・指定学科:卒業後1年以上の実務経験
・指定学科以外:卒業後1年6ヵ月以上の実務経験 - 短期大学・高等専門学校(5年制)・専門学校の「専門士」
・指定学科:卒業後2年以上の実務経験
・指定学科以外:卒業後3年以上の実務経験 - 高等学校・中等教育学校(中高一貫校)・専門学校の専門課程
・指定学科:卒業後3年以上の実務経験
・指定学科以外:卒業後4年6ヵ月以上の実務経験 - その他(最終学歴問わず):8年以上の実務経験
- 躯体・仕上げの技能検定合格者 など
試験日
- 第一次検定:【前期】6月【後期】11月
- 第二次検定:11月
試験地
札幌、青森、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、沖縄
試験内容
- 第一次検定(マークシート方式)
・建築学等
・施工管理法
・法規 - 第二次検定(マークシート方式・記述式)
・建築:施工管理法
・躯体:躯体施工管理法
・仕上げ:仕上施工管理法
合格率
- 第一次検定:50%程度
- 第二次検定:35%程度
1級建築施工管理技士の資格を取るには
1級建築施工管理技術検定
1級建築施工管理技士になるには、1級建築施工管理技術検定に合格する必要があります。
第一次検定の合格で1級建築施工管理技士補、第二次検定に合格すると1級建築施工管理技士の国家資格を取得することができます。
第一次検定の受検資格
- 大学・専門学校の「高度専門士」
・指定学科:卒業後3年以上の実務経験
・指定学科以外:卒業後4年6ヵ月以上の実務経験 - 短期大学・高等専門学校(5年制)・専門学校の「専門士」
・指定学科:卒業後5年以上の実務経験
・指定学科以外:卒業後7年6ヵ月以上の実務経験 - 高等学校・中等教育学校(中高一貫校)・専門学校の専門課程
・指定学科:卒業後10年以上の実務経験
・指定学科以外:卒業後11年6ヵ月以上の実務経験 - その他(学歴問わず):15年以上の実務経験
- 二級建築士試験の合格者:合格後5年以上の実務経験
- 2級建築施工管理技術検定第二次検定の合格者:合格後5年以上の実務経験
- 2級建築施工管理技術検定第二次検定合格後の実務経験が5年未満の短期大学・高等専門学校・専門学校の「専門士」
・指定学科:卒業後学歴に応じた実務経験
・指定学科以外:卒業後9年以上の実務経験 - 2級建築施工管理技術検定第二次検定合格後の実務経験が5年未満の高等学校・中等教育学校・専門学校の専門課程
・指定学科:卒業後9年以上の実務経験
・指定学科以外:卒業後10年6ヵ月以上の実務経験 - 2級建築施工管理技術検定第二次検定合格後の実務経験が5年未満のその他(学歴問わず):14年以上の実務経験
- 2級建築施工管理技術検定第二次検定合格者:実務経験年数は問わず第一次検定のみ受験可能
※実務経験は建築施工管理に関するもので、1年以上の「指導監督的実務経験」を含むことが必要です。
※指導監督的実務経験とは、現場管理人、主任技術者、工事主任、設計監理者、施工監督などの立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
受検資格の詳細は指定試験機関で必ず確認してください。
第二次検定の受検資格
- 一級建築士試験の合格者
- 1級建築施工管理技術検定第一次検定の合格者(所定の実務経験者) など
試験日
- 第一次検定:6月
- 第二次検定:10月
試験地
札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄
試験内容
- 第一次検定(マークシート方式)
・建築学等
・施工管理法
・法規 - 第二次検定(マークシート方式・記述式)
・施工管理法
合格率
- 第一次検定:35%程度
- 第二次検定:50%程度
建築施工管理技士(補)の資格勉強
資格取得の勉強法
建築施工管理技士の資格を取得するには、大学や専門学校、資格・通信講座、独学などで勉強する方法があります。
受検資格の学歴や実務経験などによって学び方は変わってきます。
学習の状況やかけられる時間、費用など自分の状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
受検対策としてはテキストや問題集が市販されていますので、独学でも合格を目指すことができます。
独学に不安のある人や効率的に学習を進めたい人は、通信講座などを上手に活用することをおすすめします。
2級建築施工管理第一次検定のテキスト
2級建築施工管理第一次・第二次検定の過去問題解説集
1級建築施工管理第一次検定のテキスト
1級建築施工管理第一次検定の過去問題集
1級第二次検定の過去問題解説集
まとめ
建築施工管理技士は、建築工事の管理者として不可欠な資格です。
令和3年度からは、施工管理技術検定の制度改正により第一次検定に合格すれば、「施工管理技士補」の国家資格を取得できることになりました。
建設関係のなかでも毎年多くの人が受検する人気資格ですが、第一次検定の合格から資格を取得できるようになり、これまで以上に目指す価値のある資格になったといえるでしょう。




【参考】
・国土交通省ウェブサイト
・一般財団法人建築業振興基金ウェブサイト