女性はライフスタイルが変化することが多く、さまざまなステージで新たなチャレンジをしています。
同じ仕事でキャリアアップを目指す人もキャリアチェンジを考える人もいるでしょう。
新たなチャレンジをするために、資格を取得することは知識や技術を身につけるだけでなく、自分の適性を知ることにも役立ちます。
女性のキャリアチェンジで人気のおすすめ資格をご紹介します。
仕事につながりやすい事務系資格
事務職は女性に高い人気がありますが、一般の事務職は飽和状態です。
デスクワークを希望する人にとっては、専門性を高めることが転職・再就職を成功させるための近道になります。
未経験からでも仕事につながりやすいおすすめの事務系資格をご紹介します。
医療事務
医療事務は医療業界の事務スタッフで、女性人気No.1資格です。
病院の受付案内や電話応対、医療保険の請求(レセプト業務)、カルテの入力管理、備品や薬剤の管理発注などを行います。
医療事務は国家資格ではなく、民間団体が認定する資格が複数あります。
なかでも定評があるのは診療報酬請求能力認定試験です。
診療報酬請求能力認定試験とは
公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する全国一斉統一試験です。
医療事務の最高峰資格として医療業界に広く認知されています。
医療事務に関しては多くの団体が独自の資格試験を行っています。
合格率が70%程度の他の医療事務資格と比較して診療報酬請求能力認定試験は難しいですが、定評があり、資格取得後の活用度が高いといえます。
受験資格
制限なし
試験日
年2回(7月、12月)
学科試験(医科・歯科どちらかを選択)
- 医療保険制度等・公費負担医療制度の概要
- 保険医療機関等・療養担当規則等の基礎知識
- 診療報酬等・薬価基準・材料価格基準の基礎知識
- 医療用語及び医学・薬学の基礎知識
- 医療関係法規の基礎知識
- 介護保険制度の概要
実技試験
- 診療録(カルテ)から手書き方式で診療報酬明細書(レセプト)の作成
- 試験場への診療報酬点数表、 その他の資料の持ち込みは自由
合格率
医科・歯科計30~40%
問い合わせ
公益財団法人 日本医療保険事務協会

転職・就職情報
大病院の医療事務は派遣や契約社員が多く、業務全体を専門の請負会社にアウトソースするケースも増えています。
こうしたアウトソースの会社に就職することもできますし、クリニックなどには正社員の求人があります。
女性が多い職種で、他職種での実務経験、社会人経験を積んだ人材を求めている医療機関が多くあります。
手に職をつけて、一般事務にはないやりがいを感じたい女性にとって、手堅いキャリアといえるでしょう。


調剤薬局事務
調剤薬局事務は調剤薬局の事務全般を担当します。
処方せんの受付、保険証の確認や調剤録の作成・管理、薬の会計、調剤報酬の請求(レセプト業務)などサポート業務を行います。
調剤薬局事務には複数の民間資格があり、調剤事務管理士、調剤報酬請求事務専門士などが代表的です。
調剤事務管理士は試験が年に6回あり、会場受験と在宅受験が選択できるので、初心者でも挑戦しやすい資格といえるでしょう。
調剤事務管理士試験とは
技能認定振興協会が認定する保険調剤薬局の受付や会計、レセプト業務などを担当する事務スタッフのスキルを証明する資格です。
調剤薬局事務の資格は、合格率が比較的高く、在宅受験もできるので、チャレンジしやすいといえます。
ただし、試験は専門性の高い内容ですので、出題範囲をしっかり学習することが必要です。
受験資格
制限なし
試験日
年6回(奇数月)
試験内容
- 学科:保険請求事務、薬の基礎知識
- 実技:レセプト点検問題、レセプト作成
合格率
60%程度
問い合わせ
技能認定振興協会
転職・就職情報
医薬分業が定着し、調剤薬局の重要性が高まるなか、薬剤師をサポートする事務スタッフが求められています。
全国どこでも働くことができ、雇用形態も選べるため、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。


介護事務
介護事務は介護サービスを提供するさまざまな事業所の業務をサポートする事務スタッフです。
サービス事業所の受付や会計、レセプト業務などを担当します。
介護事務の資格には複数の民間資格があり、介護事務管理士技能認定試験は介護事務初の資格試験です。
介護事務管理士技能認定試験とは
技能認定振興協会が認定する2000年にスタートした日本初の介護事務者の資格試験です。
全国の介護業界で認知されています。
介護事務の資格には、介護報酬算定の知識とスキルが求められます。
資格を取得することはそれほど難しくありませんが、市販されているテキストや問題集があまりないので、独学ではなく、資格・通信講座で学習した方がよいでしょう。
受験資格
制限なし
試験日
年6回(奇数月)
試験内容
- 学科:法規、介護請求事務
- 実技:レセプト点検問題、レセプト作成
合格率
50%程度
問い合わせ
技能認定振興協会
転職・就職情報
高齢化が進み、介護サービスの利用者は年々増加しています。
それだけ介護報酬請求業務も増えいきますので、介護事務スタッフのニーズは高まっていくといえるでしょう。

簿記3級
日商簿記3級は経理・財務の基礎知識を証明できる資格です。
商工会議所が実施する公的試験で、職種・業種を問わず企業から評価されています。
日商簿記検定は簡単な資格ではありませんが、3級は比較的取得しやすいといえます。
はじめて簿記を学ぶ人は3級を取得してステップアップしていくのがよいでしょう。
受験資格
制限なし
試験日
6月、11月、2月
試験内容
商業簿記:経理関連書類を読み取り、取引先企業の経営状況を数字から理解できる
合格率
40%程度
問い合わせ
日本商工会議所・各地商工会議所
転職・就職情報
簿記資格者のニーズは安定しています。
経理業務の入門資格といえる簿記3級は企業などの経理事務で役立ちます。


女性に人気の専門系資格
医療・福祉や美容分野の仕事は女性に高い人気があります。
一生ものの資格として、あらゆるライフステージで活かせることも魅力です。
女性に人気の専門系資格をご紹介します。
歯科衛生士
歯科衛生士は、歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図ることを目的として、人々の歯・口腔の健康づくりをサポートする専門職の国家資格です。
高齢化や予防歯科の意識の高まりからニーズが増えています。
受験資格
国が指定した学校または歯科衛生士養成施設を卒業した人 など
試験日
年1回(3月上旬)
試験内容
- 人体の構造と機能
- 歯・口腔の構造と機能
- 疾病の成り立ちおよび回復過程の促進
- 歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会のしくみ
- 歯科衛生士概論
- 臨床歯科医学
- 歯科予防処置論
- 歯科保健指導論
- 歯科診療補助論
合格率
95%程度
問い合わせ
一般財団法人 歯科医療振興財団
転職・就職情報
勤務先の多くはデンタルクリニックですが、高齢化や予防歯科の意識の高まりからデンタルクリニック以外でもニーズが増えています。
歯科助手から歯科衛生士を目指す人もいます。


保育士
保育士は、保育所など児童福祉施設において子供の保育を行うための国家資格です。
保育士の求人ニーズは高く、子どもが好きな人が資格取得を目指しています。
保育士試験が年2回になり、受験する人も増えています。
受験資格
- 大学等(大学院、大学、短期大学、保育系の専門学校)を卒業した人
- 大学に2年以上在学し、必要以上の単位を修得した人
- 高校卒業+児童福祉施設2年以上児童の保護に従事した人 など
試験日
- 前期試験:【筆記】4月 【実技】6~7月
- 後期試験:【筆記】10月 【実技】12月
試験内容
- 筆記試験
・保育原理
・教育原理及び社会的養護
・児童家庭福祉
・社会福祉
・保育の心理学
・子どもの保健
・子どもの食と栄養
・保育実習理論 - 実技試験:保育実習実技2分野を選択(筆記合格者のみ)
・音楽に関する技術
・造形に関する技術
・言語に関する技術
合格率
25%程度(通常試験)
問い合わせ
一般社団法人 全国保育士養成協議会
転職・就職情報
保育士不足が続いています。
保育士になるには、保育士養成施設を卒業するか保育士試験に合格する方法があります。
保育士の採用は養成施設の求人や自治体の募集、人材紹介などで行っています。


ネイリスト
ネイリストは転職や独立、副業などで女性のキャリアチェンジで人気の職種です。
ネイリストとして働くために資格が必須なわけではありませんが、資格を持っていれば、スキルの証明に有利です。
ネイリストには複数の民間資格があり、ネイリスト技能検定試験はネイル資格として最も歴史があります。
ネイリスト技能検定試験とは
ネイリスト技能検定試験は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターが主催しています。
ネイリストとしての正しい技術と知識の向上を目的としていて、実践に役立つ資格です。
受験資格
- 1級:ネイリスト技能検定試験2級の合格者
- 2級:ネイリスト技能検定試験3級の合格者
- 3級:義務教育の修了者
試験内容
- 実技試験
- 筆記試験
試験日
- 1級:年2回(4月、10月)
- 2・3級:年4回(4月、7月、10月、1月)
試験地
札幌・盛岡・仙台・東京・名古屋・新潟・金沢・大阪・広島・高松・福岡・沖縄
合格率
- 1級:40%程度
- 2級:40~55%
- 3級:85%程度
問い合わせ
公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター
転職・就職情報
ネイルサロンや美容室、エステティックサロンに勤めることが多いですが、経験を積んでサロンの開業を目指す人も増えています。


まとめ
女性がキャリアチェンジを目指すなら、興味のある分野の知識や技術を習得して、スキルアップしていくことをおすすめします。
取得した資格は、一生のスキルとして活かしていくことができるでしょう。


