キーワード解説
無断欠勤とは
無断欠勤とは、労働者が勤務日に無届で出勤しないことです。無断欠勤は職場秩序を乱す行為として、懲戒処分の対象となり得ることが認められています。
無断欠勤など勤怠不良における懲戒処分の判断は、その度合いが重要な判断要素となります。
懲戒処分の対象としての無断欠勤について、無届欠勤を指すのか、届出はあるが、正当な理由がない欠勤を含むのかについては、裁判でも結論が分かれています。
逮捕や勾留されたことで、出勤できなくなったり、精神的な不調により出勤できなくなっている場合にも、無断欠勤に当たるといえるのかどうか争われることが多くあります。
本人からの書面、あるいは家族や弁護士から休暇申請が提出された場合には、休暇として承認されたわけではなくても、無断欠勤には該当しないと判断されています。
無断欠勤による懲戒解雇が有効とされた例
事前の届出をせず、欠勤の理由や期間、居所を具体的に明確にしないまま2週間欠勤したことは、正当な理由のある欠勤であるとは認められないとして、就業規則の規定に基づく懲戒解雇が有効と判断されました。(開隆堂出版事件)
無断欠勤による懲戒解雇が無効とされた例
正当な理由なく1ヵ月間無断欠勤したことを理由とする懲戒解雇について、業務に大きな支障がなかったこと、勤務成績が他の従業員と比較しても劣ることがなかったこと、上司が特に注意しなかったことといった事情から、懲戒解雇が無効と判断されました。(栴檀学園事件)
懲戒処分
懲戒処分とは、労働者の職場秩序や服務規律の違反に対して、使用者(会社)が何らかの処分を行うことです。懲戒処分の種類や内容は、就業規則の必要記載事項の一つとして、具体的に明示しておくことが必要とされています。
就業規則の懲戒事由には、一般的に無断欠勤や業務命令違反、犯罪行為、経歴詐称などが定められています。
- 戒告:比較的軽い違反行為に対して行われる処分
- けん責:始末書の提出が必要となる警告処分
- 減給:始末書の提出と給与を一定額差し引く処分
- 降格:始末書の提出と役職を下げる処分
- 出勤停止:始末書の提出と一定期間の出勤を停止する処分
- 諭旨解雇:退職を勧告し、自己都合退職扱いとする処分
- 懲戒解雇:重大な違反や違法行為に対して行われる即時解雇処分
退職代行サービス
退職したくても、なかなか辞めさせてくれない上司やそもそも退職を言い出すことが難しい職場環境のなかで、本人に代わって退職の意思を会社に伝える退職代行を利用する人が増えています。
どうしても出社することが難しい状況であれば、無断欠勤を続けるのではなく、退職代行を利用して、退職するのもひとつの選択肢といえるでしょう。




