キーワード解説
派遣社員とは
派遣社員とは、労働者派遣契約に基づいて、派遣元(人材派遣会社)から派遣先(派遣を依頼した会社)へ派遣される派遣労働者のことです。
派遣社員は、派遣元との間に雇用関係があり、派遣元が原則として事業主としての責任を負います。派遣先とは指揮命令関係にあります。労働者派遣には常用型(無期雇用)と登録型(有期雇用)があります。
業務区分ごとの派遣期間制度は廃止され、業務内容は問わない新たな派遣期間の制限が設けられました。
- 個人単位の期間制限
同一組織における同一派遣社員の受入れ期間は3年 - 事業所単位の期間制限
同一事業所における派遣社員の受入れ期間の限度は3年 - 期間制限の対象外
・無期雇用派遣労働者
・60歳以上の派遣労働者
派遣社員と派遣元
派遣社員は派遣元と労働契約を締結します。賃金、割増賃金、年次有給休暇、産前産後休暇、災害補償、健康管理などは派遣元が責任を負います。
派遣社員と派遣先
派遣社員と派遣先には雇用関係はなく、指揮命令関係にあります。派遣先は実際の就業先として、労働時間、休憩、休日、深夜業、安全管理などの責任を負います。
派遣元と派遣先
派遣元と派遣先は労働者派遣契約を締結します。派遣契約では派遣労働者が従事する業務内容や派遣先の所在地、指揮命令者、派遣期間などに関して明確にする必要があります。
港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療関係などの業務については、派遣事業が禁止されています。
二重派遣の禁止
派遣社員を受け入れた派遣先が、その派遣社員を別の事業主に派遣することは二重派遣として、禁止されています。
請負との違い
請負(業務委託)と労働者派遣の区別はあいまいになりやすいですが、契約の形式ではなく、労働者の就労状況によって、判断されます。
請負は、業務の発注者が請負業者に対して仕事の完成を依頼します。業務の遂行方法は請負業者に委ねられていて、発注者には請負業者の労働者に対する指揮命令権はありません。
業務の一部を外注化する業務請負や業務委託も労働者派遣とは区分されます。
偽装請負
形式的には請負契約としながら、実態としては労働者派遣になっている「偽装請負」は違法です。多くの場合、発注者が労働者を指揮命令し、管理監督して、業務を遂行しています。
偽装請負は、事業主としての責任や義務を逃れるために行われているものとして、取り締まりの対象となっています。
派遣先からの待遇に関する情報提供義務
働き方改革の一環として、派遣先企業が待遇に関する情報を派遣元企業に提供しなければならないということが義務づけられました。
派遣社員の待遇を改善し、同一労働同一賃金の方向性を進めるためには、派遣先で雇用されている社員がどのような待遇を受けているかについて、情報提供がなければ雇用関係のない派遣元では対応できないからです。


