働き方改革

キーワード解説

働き方改革とは

働き方改革とは、働く人の個々の事情に応じて、多様で柔軟な働き方を自分で選択できる社会を実現するための取り組みのことです。

日本企業では「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く人のニーズの多様化」などの状況に直面し、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。

働き方改革では、こうした課題を解決し、さらなる経済成長につなげることを目指しています。

働き方改革を推進するために、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立し、平成30年7月6日に公布されました。

改正の対象となった法律は、労働基準法や労働安全衛生法、労働契約法など多岐にわたっています。

法改正の概要は、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講ずるというものです。

働き方改革は、日本国内の雇用の約7割を担う中小企業・小規模事業者において、実施されることが重要になっています。

時間外労働の上限規制

残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別な事情がなければこれを超えることはできません。

  • 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
    ・時間外労働:年720時間以内
    ・時間外労働+休日労働:月100時間未満、2~6ヵ月平均80時間以内
  • 原則である月45時間を超えることができるのは、年6ヵ月まで
  • 法違反の有無は「所定外労働時間」ではなく、「法定外労働時間」の超過時間で判断
  • 大企業への施行は2019年4月、中小企業への適用は1年猶予され2020年4月から

割増賃金率の引き上げ

猶予されていた中小企業の月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます。

2023年4月1日からは、大企業、中小企業ともに月60時間超の残業割増賃金率は50%になります。

  • 時間外労働(60時間以下):25%
  • 時間外労働(60時間超):50%
  • 法定休日労働:35%

勤務間インターバル制度の導入推進

1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する仕組みです。

この仕組みを事業主の努力義務とすることで、働く人の十分な生活時間や睡眠時間を確保します。

産業医などの機能の強化

長時間労働やメンタルヘルス不調などにより、健康リスクが高い状態にある従業員を見逃さないために、「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されました。

  • 産業医の活動環境の整備
    ・産業医の独立性・中立性の強化
    ・産業医への権限・情報提供の充実・強化
    ・産業医の活動と衛生委員会等との関係強化
  • 健康相談の体制整備、健康情報の適正な取り扱い
  • 長時間労働者に対する面接指導等
    ・労働時間の状況の把握
    ・労働者への労働時間に関する情報の通知
    ・医師による面接指導の対象となる労働者の要件の拡大

年次有給休暇の確実な取得

使用者(企業)は、年次有給休暇の付与日数が10日以上の労働者(従業員)に対して、付与した日(基準日)から1年以内に5日の年次有給休暇を取得させる必要があります。

5日に満たない日数分については、使用者が取得時季を指定して年次有給休暇を与えなければなりません。

年次有給休暇は労働者が希望した日に取得できますが、繁忙期などで事業の正常な運営ができなくなるような場合には、使用者から年次有給休暇の取得時期を変えるよう求めることができます。

雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差は禁止されています。

  1. 不合理な待遇差の禁止
    同一企業内において、正社員と非正規社員との間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることを禁止
  2. 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
    非正規社員は、「正社員との待遇差の内容や理由」などについて、事業主に説明を求めることができる
  3. 裁判外紛争解決手続きの整備
    都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続きを行う

同一労働・同一賃金

正社員と非正規社員について均等・均衡待遇を行うことが義務づけられています。

正社員と同じ働き方のパートタイマーやアルバイト、契約社員の賃金や待遇は同じにしなければなりません。

研修や福利厚生施設の利用なども同じにすることが必要となります。

取り扱いは業務内容や職務範囲、責任、転勤の有無などを考慮して行うことが義務づけられています。

働き方が違うために待遇に差がある場合であっても、その差は合理的でバランスのとれたものにしなければなりません。

参考:厚生労働省WEBサイト

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