賞与とは

キーワード解説

賞与

賞与とは、毎月定期的に支払われる給与とは別に、一定期間勤務したことに対して付加的に支給される一時金のことです。

この一時金のことを「賞与」「ボーナス」「報奨金」「臨時給与」などと呼んでいます。

支給額はあらかじめ確定されておらず、企業の業績や従業員の勤務成績、貢献度などに応じて支給されます。

一般的に賞与の支払い時期は夏季と冬季に集中しています。

多くの企業で賞与が支払われていますが、就業規則などに定めがなければ、企業には賞与の支払い義務はありません。

就業規則などで、支給時期や金額、計算方法が定められている場合には、賃金となり、企業には賞与を支払う義務が発生します。

本来は賞与を支給するかどうかは企業の任意です。

ただし、慣例として賞与の支払いを継続している場合には、賃金とみなされますので、急に支給をやめることはできないことになっています。

賞与の役割

賞与には「賃金の後払い」と「会社業績の配分」の役割があると考えられています。

「賃金の後払い」とは、生活保障的賃金ということです。

賞与にはある程度、生活保障的賃金としての役割があると考えられています。

一方で大きくなっているのは、「会社業績の配分」としての役割です。

多くの企業では、固定の賞与にプラスして、業績に連動した賞与の部分を持たせています。

就業規則の定め

多くの企業では、就業規則において賞与の支払いについて定めています。

賞与の支払いについては、労使間で、自由に設定してよいことになっています。

賞与は生計費の補助と成果の配分という目的で支給されているため、固定的な部分と業績や貢献などを反映して変動する部分とで構成されています。

賞与の比率は固定的な部分が減り、変動的な部分が増える傾向にあります。

成果配分として支給するのであれば、賞与の額を決定する方法を明確にしておかなければなりません。

業績が良ければ支給額は多くなり、業績が悪かったときは支給額が減ることにより、従業員の意欲や熱意を高めることが期待されています。

  • 支払い有無
  • 支払い基準
  • 支給額
  • 支給方法
  • 支給期日
  • 支給対象者

賞与の算定

賞与の算定方法は企業の自由ですが、年次有給休暇を取得した日を欠勤または欠勤扱いにするなど、労働基準法で認められている労働者の権利について、不利益な取り扱いをするようなことはできません。

賞与の受給資格(支給日在籍要件)

通常、賞与は評価対象期間と実際の支給日との間にタイムラグが生じます。

評価対象の全期間を勤務して、支給日までに退職するというケースで、賞与を受給できるかどうかは、賞与について就業規則でどのように定められているかによります。

就業規則において、賞与の支給日に在籍していない従業員を賞与の支給対象者から除外するという規定が設けられていることが少なくありません。

この場合、賞与支給日前に退職すると、賞与はもらえないことになります。

年俸制の場合には、総額を分割して毎月支払い、賞与として年俸額の16分の4を支給する等が明確になっていれば、支給日に在籍していなくても、支給対象期間内の在籍日数に応じた賞与の支給を受けることができると考えられます。

賞与と懲戒処分

懲戒処分を受けた従業員について、同じ事由で賞与を支給しないという取り扱いをすることは、二重処罰に該当する可能性があります。

就業規則に定められている条件の範囲内で処遇を行わなければなりません。

賞与と解雇

整理解雇など企業側の事情によって離職した場合、たまたま解雇日が支給日前であったというだけで、賞与が支給されないとすることは不合理であると考えられます。

賞与と同一労働同一賃金

賞与も同一労働同一賃金の対象となります。

正社員には賞与があり、非正規雇用には賞与はなしという機械的な運用は同一労働同一賃金の趣旨に反するということになります。

非正規雇用に賞与を支給しないのであれば、企業にはその違いについて説明する義務が求められます。

参考:厚生労働省ウェブサイト

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  • 賞与には生計費の補助と成果配分の性格がある
  • 賞与は支給対象期間に勤務していても支給日に在籍していないと支給されないことがある
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