転職・キャリアチェンジに有利な医療系資格


医療職にはいろいろな専門資格がありますが、医療が高度に、複雑になればなるほど、専門家のニーズは高まります。加えて、高齢化にともない医療職の職域が医療分野以外に拡大しています。転職やキャリアチェンジでチャンスが多い医療系の資格をご紹介します。

転職・キャリアチェンジに強い医療系の資格

医療職の転職市場

医療職全体として転職市場は活発で、求人倍率は全国平均より高くなっています。

医療職の有効求人倍率

職業 新規求人倍率 有効求人倍率
医師・薬剤師等 8.33 6.27
看護師・保健師・助産師 3.18 2.45
医療技術者 3.82 2.82
その他の保健医療の職業 2.92 1.76
保健医療サービスの職業 2.96 2.33

(厚生労働省「平成29年8月分一般職業紹介状況」)

医療職の給料(所定内給与額)

業種・職種 平均 20~24歳 25~29歳
医療業 319,500円 224,500円 256,400円
保健衛生 335,500円 203,900円 222,400円
福祉・介護事業 233,100円 193,300円 211,700円
薬剤師 336,500円 272,100円 278,700円
看護師 299,300円 248,500円 273,800円
准看護師 259,800円 197,200円 228,100円
看護補助者 193,500円 172,100円 186,200円
理学・作業療法士 270,000円 234,700円 256,300円
歯科衛生士 247,300円 216,300円 243,700円

(厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」)

薬剤師

調剤や医薬品の提供、薬事衛生を司る高度な専門家。人気の国家資格です。基本的に大学薬学部を卒業して、薬剤師国家試験に合格する必要があります。

薬剤師のキャリア活用法

  • 病院などの医療機関
  • 調剤薬局
  • 製薬会社
  • 化粧品会社
  • ドラッグストア

受験資格

  • 学校教育法にもとづく大学(短期大学を除く)において、薬学の正規の課程を修めて卒業(卒業見込を含む)
  • 外国の薬学校を卒業し、または外国の薬剤師免許を受けて、厚生労働大臣が1と同等以上の学力および技能を有するとした認定者

試験科目

  • 基礎薬学
  • 医療薬学
  • 衛生薬学
  • 薬事関係法規および薬事関係制度

合格率

55%前後

転職・就職情報

薬剤師の転職市場は非常に活発で、病院などの医療機関や調剤薬局、製薬会社、ドラッグストアなど求人は豊富です。CRO(医薬品開発受託機関)の求人ニーズも高まっています。

看護師

女性の国家資格の代表格。タフな仕事ですが、安定した人気で、男性需要も増えています。高齢化が進み、病院以外の領域で活躍の場が拡大しています。

受験資格

  • 国が指定した学校(指定学校・指定大学)で3年以上、必要な学科を修了
  • 看護師養成所(指定養成所)を卒業
  • 准看護師+指定学校、指定大学または指定養成所で2年以上修業 など

試験科目

人体の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進、社会保障制度と生活者の健康、基礎看護学、在宅看護論、成人看護学、老年看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学の10科目

合格率

90%前後

転職・就職情報

看護の職域は拡大していますので、看護師の転職は売り手市場です。福祉系の仕事など別業界からの転職も少なくありません。多くの看護学校で社会人推薦枠を設けています。

理学療法士(PT)

身体の動作能力を回復させる医療行為に従事するリハビリテーションの専門職。知名度はあまり高くありませんが、リハビリ系の代表的な国家資格です。

理学療法士のキャリア活用法

  • 医療サービス(外科・整形外科・リハビリ科・リハビリセンター・診療所・クリニック)
  • 介護サービス(デイケア・訪問・通所リハビリテーション)
  • 保健サービス(健康教育・介護予防)
  • 福祉サービス(障がい者施設・児童福祉施設)
  • 行政サービス(自治体・特別支援学級)
  • トータルヘルス(健康管理・スポーツリハビリ)

受験資格

国が指定した学校または理学療法士養成施設において、3年以上、理学療法士として必要な知識及び技能の修得など

試験科目

  • 一般問題:解剖学、生理学など
  • 実地問題:運動学、理学療法など
  • 口述試験及び実技試験:点字試験受験者に対して、実地問題に代えて行う

合格率

80%前後

転職・就職情報

超高齢者社会のなかで、ニーズは高まり続けています。勤務先は総合病院やリハビリ専門病院(リハビリセンター)がメインですが、地域のデイケアセンター、保健福祉センターにも拡大しています。若手が増え、30歳前後にはリーダー的な立場を任されています。

作業療法士(OT)

身体と精神の応用動作能力と社会的適応能力を回復させるリハビリテーションの専門職。理学療法士とともにリハビリ系の国家資格です。PTのリハビリで身体が動くようになった人に、「社会復帰するためのトレーニング」をするのがOTといえます。

作業療法士のキャリア活用法

  • 医療サービス(精神科・リハビリ科・リハビリセンター・診療所)
  • 福祉サービス(障がい者施設・児童福祉施設)
  • 介護サービス(デイケア・訪問・老人保健施設)
  • 教育・行政関係

受験資格

国が指定した学校または作業療法士養成施設において、3年以上、作業療法士として必要な知識及び技能の修得など

試験科目

  • 一般問題:解剖学、生理学など
  • 実地問題:運動学、臨床心理学など
  • 口述試験及び実技試験:点字試験受験者に対して、実地問題に代えて行う

合格率

70~80%台

転職・就職情報

PTは成果がわかりやすい医療ですが、OTは成果がわかりにくいので、目立たないかもしれません。老人福祉領域で期待が高まっていますので、医療だけでなく、福祉の仕事をしてみたい人にとって取得価値があるといえるでしょう。

鍼灸あん摩マッサージ指圧師

「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」はそれぞれ別の資格ですが、同時取得する人がほとんどです。知名度が高い医術の国家資格です。

受験資格

国が認定する養成学校で3年以上の学習など

試験科目

医療概論、東洋医学概論など12科目と、はり理論、きゅう理論、あん摩マッサージ指圧理論

合格率

80%前後

転職・就職情報

近代医学からの転向や社会人の転職も多い仕事です。資格取得者は独立希望が多いですが、鍼灸治療院で修業するのが現実的といえます。

歯科衛生士

歯科衛生士は、歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図ることを目的として、人々の歯・口腔の健康づくりをサポートする国家資格の専門職です。

受験資格

国が指定した学校または歯科衛生士養成所の卒業など

試験科目

人体の構造と機能、歯・口腔の構造と機能、疾病の成り立ちおよび回復過程の促進、歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会のしくみ、歯科衛生士概論、臨床歯科医学、歯科予防処置論、歯科保健指導論、歯科診療補助論

合格率

95%前後

専門・認定歯科衛生士

  • 認定歯科衛生士
  • 日本歯周病学会認定歯科衛生士
  • インプラント専門歯科衛生士
  • 日本歯科審美学会歯科衛生認定士
  • ホワイトニングコーディネーター
  • 日本成人矯正歯科学会矯正歯科衛生士

転職・就職情報

歯科医院のほか、保健所や福祉施設でも需要があります。介護保険で口腔ケアが認められていることもあり、訪問歯科診療も増えています。

保険・医療・福祉の国家資格取得者は5年以上の実務経験で介護支援専門員(ケアマネジャー)の受験資格が得られますが、歯科衛生士も該当します。

医療事務

医療業界の事務スタッフで、女性人気No.1資格です。病院の受付案内や電話応対、医療保険の請求(レセプト業務)、カルテの入力管理、備品や薬剤の管理発注などを行います。

診療報酬請求能力認定試験

診療報酬請求事務に従事する者の資質の向上を図るため、公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する 全国一斉統一試験

受験資格

制限なし

学科試験(医科・歯科どちらかを選択)

  • 医療保険制度等・公費負担医療制度の概要
  • 保険医療機関等・療養担当規則等の基礎知識
  • 診療報酬等・薬価基準・材料価格基準の基礎知識
  • 医療用語及び医学・薬学の基礎知識
  • 医療関係法規の基礎知識
  • 介護保険制度の概要

実技試験

  • 診療録(カルテ)から手書き方式で診療報酬明細書(レセプト)の作成
  • 試験場への診療報酬点数表、 その他の資料の持ち込みは自由

合格率

医科・歯科計30~40%

取得の難易度

医療事務に関しては多くの団体が独自の資格試験を行っています。合格率が70%程度の他の医療事務資格と比較して診療報酬請求能力認定試験は難関ですが、定評があり、取得後の活用度が高いといえます。

転職・就職情報

大病院の医療事務は派遣や契約社員が多く、業務全体を専門の請負会社にアウトソースするケースも増えています。こうしたアウトソースの会社に就職することもできますし、クリニックなどには正社員の求人があります。

女性が多い職種で、他職種での実務経験、社会人経験を積んだ人材を求めている医療機関が多くあります。手に職をつけて、一般事務にはないやりがいを感じたい女性にとって、手堅いキャリアといえるでしょう。

まとめ

医療と介護の連携が進み、医療職の活躍の場は広がっています。今後もその傾向は続きますので、医療系資格は転職やキャリアチェンジがしやすい状況といえます。

専門医療資格は資格取得後の経験がものを言う仕事ですが、20代・第二新卒のキャリアチェンジはまだまだ挑戦する価値があります。

医療・看護の施設と活かせる資格
医療職の転職は売り手市場です。医療・看護と介護の連携が重要度を増し、活躍の場も広がっています。種類も就業者も多い医療機関の基礎知識と特徴をご紹介します。
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20代・第二新卒の転職・就職に有利なおすすめ資格の種別・難易度(合格率)・受験資格を一覧でご紹介します。

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