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未経験から看護助手になるには

看護助手は病院などの医療機関で看護師をサポートする仕事をしています。

医療現場では看護師の負担を減らすため、看護助手の役割が注目されるようになり、積極的に配置することが奨励されています。

ニーズが増えている看護助手の働く場所と仕事内容についてご紹介します。

看護助手とは

看護助手は病院などにおいて、医療行為は行わず、医師、看護師からの指示により患者への食事・入浴など身の回りのお世話や看護師をサポートする業務を行います。

看護助手に公的な資格はなく、民間の認定資格があります。

資格がなくても看護助手として働くことはできますが、医療機関に採用されるには医療についての知識や技術を証明できる資格があると有利です。

【看護助手の主な名称・資格】

  • 看護助手
  • 看護師助手
  • 看護補助者
  • 看護補助員
  • メディカルワーカー

看護助手の就業場所

看護師、准看護師、助産師として働く人の就業場所は、「病院」が最も多く、次いで「診療所」となっています。

看護師の70%近くが「病院」で働き、「診療所」も合わせると80%超が病院・診療所勤務です。

看護助手の勤務先も病院や診療所などの医療機関になります。

就業場所別の人員割合(%)

就業場所看護師准看護師保健師助産師
病院69.035.76.461.5
診療所13.232.54.122.6
助産所0.00.00.06.2
訪問看護ステーション4.91.90.60.1
介護保険施設等7.924.82.9
社会福祉施設1.73.70.90.1
保健所、都道府県・市町村0.90.372.75.0
事業所0.40.46.80.1
看護学校等・研究機関1.40.02.14.1
その他0.70.73.40.4

(厚生労働省「令和2年衛生行政報告例」より)

病院

病院は入院設備が20床以上の施設で、診療所は入院設備が19床以下、または入院設備がない施設です。

看護師の職場の多くは病院です。

看護師をサポートする看護助手の多くも病院で働いています。

病院の種類

  • 国公立病院
  • 自治体病院
  • 公的病院
  • 民間病院

診療所・クリニック

診療所・クリニックは地域医療を支える身近な施設です。

診療科目は1つであったり、複数であっても小規模で入院施設を持たないところが多く、診療は外来が中心です。

診療所・クリニックの主な診療科

  • 内科
  • 整形外科
  • 眼科
  • 耳鼻咽喉科
  • 外科
  • 小児科
  • 皮膚科
  • 泌尿器科
  • 精神科
  • 産婦人科
  • 脳神経外科
  • 循環器科
  • 胃腸科
  • 消化器科
  • 産科

病院での仕事

看護助手は、注射などの医療業務は行いませんが、看護師のサポートや入院患者のお世話などをします。

病院といっても診療科目は多岐にわたり、所属によって仕事の内容は大きく異なります。

外来

外来には、初めて病院に来る人、通院している人、健康診断を受ける人など、毎日、たくさんの人が訪れます。

看護師は、重い症状の人から軽い人まで、いろいろなケースに立ち会い、適切な対応力や判断力が求められます。

看護助手は、器具の補填や整理、車いす・検体搬送など環境整備を中心に行います。

病棟

病棟では所属する科や入院患者の状態によって求められる看護の内容が異なります。

症状の観察、医療処理や療養上の世話、心身のサポートなどを基本としてきめ細やかなケアが求められます。

看護助手は、看護師の補助や入院患者の身の回りのお世話をします。

手術室

病院には手術室専門の看護師もいます。

機器や道具類の正確な扱いや緊急事態の冷静な対応、的確な動作が求められます。

看護助手は、器具の洗浄や管理、清掃などを中心にサポート業務を行います。

ICU(集中治療室)

ICUでは救急治療や手術をした重症患者を集中的に治療します。

24時間体制で急変にも迅速に対応できる確かな知識や技術が求められます。

看護助手の待遇

看護助手の待遇は働く地域や施設、働き方によって大きく変わってきます。

看護助手の給与は看護師に比べると高くはありませんが、20代では他の職業と比較して低い水準というわけではありません。

看護助手は未経験や無資格からでもスタートでき、キャリアアップもできることが魅力になっています。

看護師・看護助手の平均給与

区分看護師看護助手
所定内労働時間158時間157時間
残業6時間3時間
月収351,600円219,400円
年間賞与等862,100円456,800円
年収5,081,300円3,089,600円

(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より)

看護助手の資格取得

看護助手の仕事は資格がなくてもスタートすることはできますが、資格を取得することで医療についての知識や技能を示すことができます。

転職・就職には資格取得が有利です。

看護助手から看護師を目指す人もいます。

看護助手の認定資格

「看護助手実務能力認定資格」は、全国医療福祉教育協会が認定した看護助手講座を受講して、一定の成績を修め、講座を修了した人に授与されます。

看護助手の資格が取れるおすすめ通信講座
多くの医療現場では看護師の負担軽減のため看護助手のニーズが高まっています。医療の専門知識がない人でも、認定資格を取得できる看護助手の通信講座をご紹介します。

看護助手から看護師

看護助手として医療現場を経験することで、看護師になるという目標を明確にする人もいるでしょう。

社会人が看護師の資格を取得するには、まず看護師養成機関に入学する必要があります。

養成機関を卒業して、看護師国家試験に合格すると看護師の資格を取得することができます。

看護師養成機関の種類

看護専門学校は全国にあり、養成校の半数を占めています。

社会人入試・社会人枠を設けている養成校は多く、社会人から看護師を目指す道は開かれています。

  • 4年制大学
  • 3年制短期大学
  • 看護専門学校

看護師のキャリアパス

看護師のキャリアにはスペシャリストやマネジメント、独立まで幅広いタイプがあります。

看護師のキャリアは多様化と専門化が進んでいます。

  • 専門看護師や認定看護師の資格を取得してスペシャリストの道
  • 組織内で昇進、昇格してマネジメントの道
  • 新たな専門性を身につけて専門職の道
  • ケアマネジャーなどの資格を取得して独立・開業の道

看護助手から介護福祉士

高齢化にともない医療と介護の連携が進んでいます。

看護助手は介護福祉士国家試験の受験資格(実務経験+実務者研修)となる職種です。

働きながら介護福祉士を目指すことができます。

介護福祉士の受験資格

  • 介護業務等3年以上の実務経験と実務者研修の修了者
  • 介護福祉士養成施設卒業(修了)者
  • 福祉系高等学校卒業者 など

まとめ

看護助手は資格がなくても働けますので、学生から主婦まで幅広く活躍しています。

働きながら看護助手の認定資格を取得することができます。

さらに社会人から看護師を目指す人も多くいます。

看護師の仕事はハードですが、ライフスタイルに合わせて働き方を選ぶことができます。

家族の転勤があっても、看護師の仕事は全国で可能ですし、保育所のある病院も多く、出産しても続けることができます。

看護現場の経験を積んで、スペシャリストを目指すなどキャリアアップの道も確立されています。

認定資格のほかには患者さんのお世話に役立つ介護職員初任者研修などもおすすめです。

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【参考】
・総務省「日本標準職業分類」
・厚生労働省ウェブサイト
・公益社団法人日本看護協会ウェブサイト