教育・学習支援業には、大きく分けて学校教育と学校教育を除く教育活動があります。社会で求められる人材の変化とともに、教育のあり方も変化していきます。
教育・学習支援業の種類と分類についてご紹介します。
教育・学習支援業とは
教育・学習支援業とは、学校教育を行う事業、学校教育の支援活動を行う事業、学校教育を除く組織的な教育活動を行う事業、学校教育の補助教育を行う事業、教養、技能、技術などを教授する事業のことです。
通信教育、学習塾、図書館、博物館、植物園なども含まれます。
【教育・学習支援業の分類】
- 学校教育
・幼稚園
・小学校
・中学校、義務教育学校
・高等学校、中等教育学校
・特別支援学校
・高等教育機関
・専修学校、各種学校
・学校教育支援機関
・幼保連携型認定こども園 - その他の教育、学習支援業
・社会教育
・職業・教育支援施設
・学習塾
・教養、技能教授業
・他に分類されない教育、学習支援業
(参考:「日本標準産業分類」より)
学校教育
学校教育には、所定の学科課程を教授する事業および学校教育の支援を行う事業が分類されます。
幼稚園
幼稚園では幼児を保育し、その心身を発達させるための教育を行います。
小学校
小学校では義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを行います。
中学校、義務教育学校
中学校では小学校における教育を基礎として、義務教育として行われる普通教育を行います。
義務教育学校では義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して行います。
高等学校、中等教育学校
高等学校では中学校における教育を基礎として、高度な普通教育および専門教育を行います。
中等教育学校では小学校における教育を基礎として、義務教育として行われる普通教育ならびに高度な普通教育および専門教育を一貫して行います。
学校教育法による通信教育を行う事業も含まれます。
特別支援学校
特別支援学校は視覚障がい者、聴覚障がい者、知的障がい者、肢体不自由または病弱者に対して、幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる教育を行い、併せてその障害を補うために必要な知識技能を授ける事業を行います。
大学(高等教育機関)
大学は学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的および応用的能力を展開させるための教育を行う高等教育機関です。
学校教育法による通信教育も含まれます。
短期大学(高等教育機関)
短期大学は深く専門の学芸を教授研究し、職業または実際生活に必要な能力を育成するための教育を行う高等教育機関です。
学校教育法による通信教育も含まれます。
高等専門学校(高等教育機関)
高等専門学校は深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成するための教育を行う高等教育機関です。
専修学校
専修学校は職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、教養の向上を図るための教育を行います。
各種学校
各種学校は学校教育法による学校教育に類する教育を行います。
- 理・美容学校
- 洋裁学校
- 自動車教習所
- 学校教育法による学習塾 など
学校教育支援機関
学校教育支援機関は高等教育機関の評価、共通テストの実施など学校教育の支援活動を行います。
- 学位授与機構
- 大学入試センター
- 日本学生支援機構 など
幼保連携型認定こども園
幼保連携型認定こども園は子どもに対する学校としての教育および児童福祉施設としての保育、保護者に対する子育て支援事業を行います。
その他の教育・学習支援業
その他の教育・学習支援業には、学校教育を除く組織的な教育活動を行う事業や学校教育の補助教育を行う事業、教養、技能、技術などを教授する事業が分類されます。
公民館
公民館は市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術および文化に関する各種の活動を行います。
図書館
図書館は図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆または特定の人が利用するためのサービスを提供します。
博物館、美術館
博物館、美術館は歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展示して、一般公衆が利用するためのサービスを提供します。
動物園、植物園、水族館
動物園、植物園、水族館は一般公衆に対して、動植物を観覧させる事業を行います。
青少年教育施設
青少年教育施設は心身ともに健全な青少年を育成するために青少年教育活動を行います。
社会通信教育
社会通信教育は通信手段によって、一定の教育計画のもとに教材、補助教材等を受講者に送付し、これに基づき、設問解答、添削指導、質疑応答などを行います。
職員教育施設・教育支援施設
職員教育施設・教育支援施設は官公庁、企業もしくは事業所が業務遂行のために所属する職員等を対象とした教育・研修を行ったり、委託を受けて教育・研修を行います。
- 航空保安大学校
- 防衛大学校
- 警察大学校
- 海上保安大学校
- 自治大学校
- 日本年金機構研修センター など
職業訓練施設
職業訓練施設は公的に職業能力開発、技能講習などを行います。
- 職業能力開発総合大学校
- 職業能力開発校
- 職業能力開発促進センター
学習塾
学習塾は小学生、中学生、高校生などを対象として学校教育の補習教育または学習指導を行います。
- 学習塾(各種学校でないもの)
- 進学塾(各種学校でないもの)
- 予備校(各種学校でないもの)
音楽教室
音楽教室では主として音楽に関する技能・技術を教授します。
- ピアノ教室
- バイオリン教室
- ギター教室
- カラオケ教室 など
書道教室
書道教室では主として書道を教授します。
生花・茶道教室
生花・茶道教室では主として生花・茶道を教授します。
そろばん教室
そろばん教室では主としてそろばんを教授します。
外国語会話教室
外国語会話教室では主として外国語会話を教授します。
スポーツ教室
スポーツ教室ではスポーツ技能、健康、美容などの増進のため、指導者が柔道、水泳、ヨガ、体操などを教授します。
- スイミングスクール
- ヨガ教室
- テニス教室
- ゴルフスクール など
その他の教養・技能教室
- 囲碁教室
- 着物着付教室
- 料理教室
- パソコン教室
- 教養講座
- カルチャー教室 など
教員資格認定試験
教育資格認定試験は、通常の教員養成のコースを歩んできたか否かを問わず、教員として必要な資質、能力があると認められれば教員資格を取得できる試験です。
社会人から教員を目指すことができます。
試験の種類
- 幼稚園教員資格認定試験
- 小学校教員資格認定試験
- 高等学校(情報)教員資格認定試験
受験資格
- 幼稚園教員資格認定試験
幼稚園において、専ら幼児の保育に従事する職員など - 小学校教員資格認定試験
高等学校を卒業した人、その他大学に入学する資格のある人など - 高等学校(情報)教員資格認定試験
高等学校を卒業した人、その他大学に入学する資格のある人で、情報処理技術者試験の応用情報技術者試験等の合格者
試験日
- 第1次試験:6月
- 第2次試験:9月
試験地
東京近郊(小学校教育資格認定試験は大阪近郊もあり)
試験内容
【小学校教育資格認定試験】
- 教科及び教職に関する科目Ⅰ(マークシート方式)
- 教科及び教職に関する科目Ⅱ(マークシート方式)
- 教科及び教職に関する科目Ⅲ(論述式)
- 教科及び教職に関する科目Ⅳ(論述式)
※第1次試験合格者のみ第2次試験を受けることができます。
問い合わせ
独立行政法人 教職員支援機構 事業部 教員免許課 資格認定試験係
司書(司書補)
司書は公共図書館等で資料の選択や発注、受け入れから分類、目録作成、貸出業務、読書案内などを行う専門職です。
司書補は司書の職務を補助する役割を担います。
司書講習を受講して資格を取得することができます。
大学で必要な科目を履修して取得することもできます。
受講資格
【司書補講習】
高等学校もしくは中等教育学校を卒業した人、または高等専門学校第三学年を修了した人
【司書講習】
- 大学に2年以上在学し、62単位以上を修得しているか、高等専門学校を卒業していること
- 2年以上司書補として勤務した経験がある人
問い合わせ
文部科学省 総合教育政策局地域学習推進課
学芸員資格認定
学芸員資格認定は、学芸員となる資格があることを認定するための試験および審査です。
受験資格
【試験認定】
- 学士の学位がある人
- 大学に2年以上在学し、62単位以上修得した2年以上の学芸員補経験者
- 教員免許をもつ2年以上の教育職員経験者
- 4年以上の学芸員補経験者
- その他
【審査認定】
- 修士もしくは博士の学位、または専門職学位を有する2年以上の学芸員補の経験者など
試験日
- 試験認定:12月
- 審査認定:1月
試験内容
【試験認定】
必須科目(8科目)と選択科目(2科目)についての筆記試験
【審査認定】
書類審査と面接
問い合わせ
文化庁 企画調整課博物館振興室
職業訓練指導員(テクノインストラクター)
職業訓練指導員は、公共や民間の職業訓練施設で就職やスキルアップなどに必要な技能・技術・知識についての指導や支援を行います。
取得方法
- 職業能力開発総合大学校指導員養成課程卒業
- 技能検定合格者(1級)+ 指定の講習修了
- 技能検定合格者(2級)+ 職業訓練指導員試験
- 大学卒業等+実務経験+職業訓練指導員試験(または指定の講習修了)
問い合わせ
各都道府県職業能力開発
まとめ
次世代を担う人材の育成は教育・学習支援業界の重要な役割です。
学校教育の周辺には多様なサービスがあり、対象は幼児から社会人、シニアまで広がっています。
【参考】
・総務省ウェブサイト
・文部科学省ウェブサイト
・厚生労働省ウェブサイト