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素材産業とは(種類と分類)

日本の化学や鉄鋼をはじめとする素材産業は、世界でも高い競争力を誇り、重要な位置を占めています。

事業所数や従業員数などでみても、日本経済、地域経済を支える基幹産業といえます。

素材産業の種類と分類についてご紹介します。

素材産業の種類

素材産業とは、鉄鋼や化学、紙パルプなど他の産業の基礎素材となる製品を製造する産業のことです。

素材産業は自動車をはじめさまざまな産業に高機能な部素材を提供し、国内の雇用や地域の経済を支える基幹産業です。

素材産業の国際競争力は高く、世界で高いシェアを占める素材が数多くあります。

今後はカーボンニュートラルに向けた生産プロセスの転換を進めていくことが課題となっています。

【素材産業の分類】

  • 木材・木製品製造業
  • パルプ・紙・紙加工製造業
  • 化学工業
  • 石油製品・石炭製品製造業
  • プラスチック製品製造業
  • ゴム製品製造業
  • 窯業・土石製品製造業
  • 鉄鋼業
  • 非鉄金属製造業
  • 金属製品製造業

参考:経済産業省「工業統計調査」

木材・木製品

木材・木製品製造業には、製材および単板(べニア)、合板など木製基盤素材を製造する事業とこれらの木材または竹、とう、コルクなどを主要材料としてつくられる製品を製造する事業が分類されます。

木材・木製品の分類

  • 製材業・木製品
  • 単板(べニア)
  • 木材チップ
  • その他の特殊製材
  • 造作材・合板・建築用組立材料
  • 木製容器

パルプ・紙・紙加工品

パルプ・紙・紙加工品製造業には、木材、その他の植物原料または古繊維から、主としてパルプおよび紙を製造する事業、またはこれらの紙から紙加工品を製造する事業が分類されます。

パルプ・紙・紙加工品の分類

  • パルプ
  • 加工紙
  • 紙製品
  • 紙製容器
  • その他

化学工業

化学工業には、化学的処理を主な製造過程とする事業およびこれらの化学的処理によって得られた物質の混合、または最終処理を行う事業(他に分類されないもの)が分類されます。

化学工業の分類

  • 化学肥料
  • 無機化学工業製品
  • 有機化学工業製品
  • 医薬品
  • 化粧品・歯磨・その他の化粧用調製品
  • その他

石油製品・石炭製品

石油製品・石炭製品製造業には、石油を精製する事業所、購入した原料を混合加工して潤滑油、グリースを製造する事業、コークス炉による石炭の乾留を行う事業、石炭を主原料として練炭、豆炭を製造する事業、舗装材料を製造する事業が分類されます。

石油製品・石炭製品の分類

  • 石油精製
  • 潤滑油・グリース
  • コークス
  • 舗装材料
  • その他

プラスチック製品

プラスチック製品製造業には、プラスチックを用いて、成形された押出成形品、射出成形品などの成形製品を製造する事業および同製品に切断、接合、塗装、蒸着めっき、バフ加工などの加工を行う事業、ならびにプラスチックを用いて成形のために配合、混和を行う事業、再生プラスチックを製造する事業が分類されます。

プラスチック製品の分類

  • プラスチック板・棒・管・継手・異形押出製品
  • プラスチックフィルム・シート・床材・合成皮革
  • 工業用プラスチック製品
  • 発泡・強化プラスチック製品
  • プラスチック成形材料
  • その他

ゴム製品

ゴム製品製造業には、天然ゴム類、合成ゴムなどから作られたゴム製品、タイヤ、チューブ、ゴム製履物などが分類されます。

ゴム製品の分類

  • タイヤ・チューブ
  • ゴム製・プラスチック製履物・同附属品
  • ゴムベルト・ゴムホース・工業用ゴム製品
  • その他

ガラス・セメント

窯業・土石製品製造業には、板ガラスおよびその他のガラス製品、セメントおよび同製品、建設用粘土製品などを製造する事業が分類されます。

窯業・土石製品の分類

  • ガラス・ガラス製品
  • セメント・同製品
  • 建設用粘土製品
  • 陶磁器・同関連製品
  • 耐火物
  • 炭素・黒鉛製品
  • 研磨材・同製品
  • 骨材・石工品等
  • その他

鉄鋼

鉄鋼業には、鉱石、鉄くずなどから鉄および鋼を製造する事業、鉄および鋼の鋳造品、鍛造品、圧延鋼材、表面処理鋼材などを製造する事業が分類されます。

鉄鋼の分類

  • 製鉄業
  • 製鋼・製鋼圧延業
  • 製鋼を行わない鋼材
  • 表面処理鋼材
  • 鉄素形材
  • その他

非鉄金属

非鉄金属製造業には、鉱石、金属くずなどを処理し、非鉄金属の製錬および精製を行う事業、非鉄金属の合金製造、圧延、抽伸、押出しを行う事業および非鉄金属の鋳造、鍛造、その他の基礎製品を製造する事業が分類されます。

非鉄金属の分類

  • 鉄鉱石
  • 亜鉛
  • アルミニウム
  • 電線・ケーブル
  • その他

金属製品

金属製品製造業には、鉄および非鉄金属製品を製造する事業が分類されます。

金属製品の分類

  • ブリキ缶・その他のめっき板等製品
  • 金物類
  • 作業工具
  • 暖房・調理等装置、配管工事用附属品
  • 建設用・建築用金属製品
  • 金属素形材製品
  • 金属線製品
  • ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等
  • その他

素材産業の技術者

素材産業では幅広い分野の技術者が活躍しています。

化学系の技術者

化学系の技術者は、化学肥料・無機工業製品・有機工業製品・油脂・油脂製品・塗料・天然樹脂製品・木材化学製品・医薬品・発火物・香料・化粧品・石油製品・ゴム・化学繊維・合成繊維など化学製品の開発に関する技術的な業務に従事しています。

開発系以外では、化学製品の製造に関する化学工程の生産性の検討・生産準備・設備計画などの工程設計および工程管理・品質管理、監督、指導・分析・検査などの技術的な業務に従事しています。

開発系の技術者

  • 化学繊維開発
  • 化学肥料開発
  • 化学薬品開発
  • 化粧品開発
  • 合成ゴム開発
  • 高分子化学製品開発
  • バイオケミカル開発
  • プラスチック製品開発
  • 油脂製品開発
  • 無機化学製品開発
  • 有機化学製品開発

生産系の技術者

  • 医薬品製造・生産
  • 化学繊維製造・生産
  • 化学肥料製造・生産
  • 化学薬品製造・生産
  • 化粧品製造・生産
  • 合成ゴム製造・生産
  • 高分子化学製品製造・生産
  • バイオケミカル製造・生産
  • プラスチック製品製造・生産
  • 無機化学製品製造・生産
  • 有機化学製品製造・生産
  • 油脂製品製造・生産
  • 薬品分析試験
  • ガス主任技術者
  • 毒物・劇物取扱責任者 など

金属系の技術者

金属系の技術者は、金属の製錬・精錬・溶解・鋳造・熱処理・圧延・表面処理・合金の製造などに関する技術の開発などの業務に従事しています。

開発系以外では、金属の製造などに関する生産性の検討・生産準備・設備計画などの工程設計および工程管理・品質管理、監督、指導などの技術的な業務に従事しています。

開発系の技術者

  • 圧延開発
  • 鋳物開発
  • 金属精錬開発
  • 合金開発
  • 製鉄開発
  • 鋳造開発
  • 電気精錬開発

生産系の技術者

  • 圧延
  • 製鉄
  • 製鋼
  • 銅精錬
  • 金属精錬
  • 電気製錬
  • 電解炉操炉
  • 熱処理
  • 鋳造
  • 合金
  • 金属試験
  • 金属材料試験 など

まとめ

素材産業は重要な位置を占める基幹産業ですが、グローバル市場の競争激化や脱炭素への対応などさまざまな課題に直面しています。

今後も成長を持続させるためには、さまざまな変革に取り組んでいくことが必要になっています。

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【参考】
・経済産業省ウェブサイト
・総務省「日本標準産業分類」「日本標準職業分類