コンプライアンス強化の必要性が高まるなか、すべてのビジネスパーソンに法律実務の能力が求められるようになっています。
ビジネス実務法務検定試験では、法務部門だけでなく、あらゆる業種・職種の業務で必要とされる法律知識を習得することができます。
ビジネス実務法務検定試験について資格の取り方と勉強法についてご紹介します。
ビジネス実務法務検定試験とは
ビジネス実務法務検定試験
ビジネスにおける業務上のリスク管理、コンプライアンスのための法律知識は、法務部門だけでなく、営業、販売、総務、人事などすべてのビジネスパーソンにとって必要不可欠な能力です。
ビジネス実務法務検定試験は、その基礎となる実践的な法律知識を効率的に学ぶことができます。
企業活動の主要分野をカバーしているので、業種・職種を問わず役立つ検定試験です。
※「ビジネス実務法務検定試験(R)」は東京商工会議所の登録商標です。
受験者の業種(2級)
- 建設業:18.0%
- 情報通信・ソフトウェア:13.5%
- 金融・保険業:13.3%
- 製造業:12.8%
- サービス業:9.3%
受験者の業種(3級)
- 情報通信・ソフトウェア:13.7%
- 製造業:13.5%
- 金融・保険業:11.2%
- サービス業:10.2%
- 大学生・大学院生:9.7%
受験者の職種(2級)
- 事務部門:17.6%
- 営業・販売部門:16.7%
- 総務・人事部門:12.8%
- その他職種:11.2%
- 法務部門:10.3%
受験者の職種(3級)
- 営業・販売部門:26.2%
- 事務部門:15.9%
- その他職種:13.1%
- 総務・人事部門:9.4%
- 法務部門:4.2%
資格取得のメリット
- 多くの企業が採用する社会人必須のスキルを習得できる
- 昇給・昇進などキャリアアップに役立つ
- ビジネス上のリスクを回避し、自分と企業を守ることができる
東京商工会議所検定サイト「ビジネス実務法務検定試験とは(データ)」より
ビジネス実務法務検定試験各級の基準
ビジネス実務法務検定試験には、1級・2級・3級のレベルがあり、1級の不合格者については得点上位者を準1級として認定しています。
1級
実務的対応能力としてのアッパーレベルを想定。
業務上必要な法律知識をビジネス全般にわたって持っており、その知識に基づいて多面的な観点から高度な判断・対応ができる。
2級
知識レベルのアッパーレベルを想定。
企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家に対する相談といった一定の対応ができるなど、質的・量的に法律実務知識を有している。
3級
ビジネスパーソンとして最低限知っているべき法律実務基礎知識を想定。
ビジネスパーソンとしての業務上理解しておくべき基礎的法律知識を有し、問題点の発見ができる。
ビジネス実務法務検定試験の内容
ビジネス実務法務検定試験
ビジネス実務法務検定試験は、東京商工会議所が実施する公的試験です。
あらゆる企業活動に共通する法律実務の知識を問われます。
受験資格
制限なし
試験日
- 1級:12月(統一試験)
- 2・3級:6~7月、10~11月
試験地
- 1級:各地のテストセンター
- 2・3級
・IBT方式:自宅や会社など受験者のパソコンで受験する方式
・CBT方式:各地のテストセンターの会場に設置されたパソコンで受験する方式
試験内容
【1級】論述問題
- 共通問題:民法・商法を中心に全業種に共通して発生する法律実務問題
- 選択問題:特定の業種に関連する一定の法律、事例による事務つ対応能力
・取引上のトラブルを処理
・取引関係に立たない第三者とのトラブルを処理
・法務関係の上司や弁護士などの専門家に法的トラブルの顛末・処理方法を報告
・予防法務的観点からトラブルになりそうな問題に対応
【2級】多肢選択式
- 企業取引の法務
- 債権の管理と改修
- 企業財産の管理・活用と法務
- 企業活動に関する法規制
- 株式会社の組織と運営
- 企業と従業員の関係
- 紛争の解決方法
- 国際法務(渉外法務)
【3級】多肢選択式
- ビジネス実務法務の法体系
- 企業取引の法務
- 債権の管理と回収
- 企業財産の管理と法律
- 企業活動に関する法規制
- 企業と会社のしくみ
- 企業と従業員の関係
- ビジネスに関連する家族法
合格基準
- 1級:200点満点で、各問題ごとに得点が50%以上かつ合計点が140点以上
- 2・3級:100点満点で、70点以上
合格率
- 1級:10%程度
- 2級:35%程度
- 3級:50%程度
問い合わせ
東京商工会議所 検定センター
ビジネス実務法務検定試験の勉強法
ビジネス実務法務検定試験の対策
検定試験の対策としては、独学や資格・通信講座で勉強する方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、基礎知識の有無やかけられる時間・費用など自分の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
公式テキストや問題集が市販されていますので、独学でも合格を目指すことができます。
独学に不安があったり、効率的に学習を進めたい人は、資格・通信講座を上手に活用することをおすすめします。
検定試験の準備期間
各級により異なりますが、資格・通信講座は合格まで3ヵ月から半年程度のカリキュラムが標準的です。
学習のポイント
検定の試験範囲は膨大ですので、出題内容の傾向をつかみ、各法律の基本的な内容を理解することが重要です。
2・3級は100点満点中70点で合格できますので、メリハリをつけて効率的に学習していくことがポイントになります。
2級の公式テキスト
2級の公式問題集
3級の公式テキスト
3級の公式問題集
社会人におすすめビジネス実務法務検定講座
仕事をしながら効率的に学習を進めるのであれば、自分のペースで学べる通信講座がおすすめです。
スタディング
スタディングはスマホで学べるオンライン資格講座です。
忙しい社会人でもスキマ時間を利用して短期合格を目指すことができます。
- 3級合格コース/2級合格コース/3・2級セットコース
- カリキュラム
・基本講座
・WEBテキスト
・スマート問題集
・テーマ別試験形式問題集
・合格模試 - 受講料:4,500円(3級)~
LEC東京リーガルマインド
LECは法律系資格指導に実績のある資格スクールです。
LECのビジネス実務法務検定試験スマート合格講座は、検定試験の効率合格に特化した講座です。
- 2級スマート合格講座:総講義時間30時間
- 3級スマート合格講座:総講義時間25時間
- 使用教材:公式テキスト
- 受講料:12,000円(Web通信・3級)~
まとめ
業務上のリスク回避やコンプライアンスのための法律実務は、企業で働くビジネスパーソンであれば誰でも身につけておきたいスキルです。
法律実務のスキルで自分を守ることは、企業を守ることにもつながります。
企業活動を適正に行っていくために、実務的な法務知識をもった人材はあらゆる業界で必要とされています。
社会人としてスキルアップやキャリアアップを目指す人にとって取得する価値の高い資格といえるでしょう。
参考:東京商工会議所検定サイト