ネイリストは転職や開業、副業などキャリアチェンジに人気の資格です。
ネイリストになるには、技術を習得して、ネイルサロンなどで実力を磨くことをおすすめします。
ネイリストとして働くために資格が必須というわけではありませんが、資格を持っていれば、ネイリストとしての技術と知識を証明することに役立ち、キャリアにも有利です。
ネイリストの仕事とキャリアに有利なおすすめ資格についてご紹介します。
ネイリストの仕事
ネイリストとは
ネイリストとは日本で作られた和製英語です。
爪の手入れなどのネイルケアや人工爪の施術、爪の装飾などのネイルアートを行う職業です。
ネイリストになるために資格が必要となるわけではありませんが、複数の民間資格があります。
ネイリストの施術
- 手足の爪と指の手入れ(爪の整形、爪磨き、甘皮の手入れなど)を行う
- ネイルラッカー・マニュキュアで爪に色やデザインを施す
- スカルプチュア・ジェルネイルの施術を行う
- ネイルアート(ラメ・ホログラム・ラインストーンなど)を施す
- 爪のトラブル解消や矯正
- ネイルケアのアドバイス など
キャリアでの活かし方
- ネイルサロン
- 美容室
- エステティックサロン
- ブライダルサロン
- 独立・開業
- ネイル講師
- スタイリスト など
ネイリストに役立つ資格
ネイリストの代表的な資格
ネイリストには複数の民間資格があります。
ネイリストの技術を証明する検定試験として、ネイリスト技能検定試験やジェルネイル技能検定試験、ネイルスペシャリスト技能検定試験などが代表的です。
ネイリスト技能検定試験
ネイリスト技能検定試験は、公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センターが主催する検定試験です。
ネイル技術に関する資格として最も歴史があり、実践に役立つ試験です。
ジェルネイル技能検定試験
JNAジェルネイル技能検定試験は、NPO法人 日本ネイリスト協会が主催する検定試験です。
ジェルネイルの普及を目的としたサロンワークで役立つ試験です。
ネイルスペシャリスト技能検定試験
ネイルスペシャリスト技能検定試験は、NPO法人 インターナショナル ネイル アソシエーションが主催する検定試験です。
国際水準のネイルスペシャリストを認定する技能検定です。
ネイリスト技能検定試験の概要
ネイリスト技能検定試験
ネイリスト技能検定試験は、最も古いネイル技術の試験として実績があり、多くの人が受験しています。
1級から3級のレベルが設定されています。
各級のレベル
- 1級
トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術および知識 - 2級
サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術および知識 - 3級
ネイリストベーシックのマスター。ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術および知識
受験資格
- 1級:ネイリスト技能検定試験2級の取得者のみ
- 2級:ネイリスト技能検定試験3級の取得者のみ
- 3級:義務教育を修了していれば誰でも受験可能
試験日
- 1級:4月、10月
- 2級・3級:4月、7月、10月、翌年1月
試験地
札幌、盛岡、仙台、東京、名古屋、新潟、金沢、大阪、広島、高松、福岡、沖縄
※盛岡は4月、10月のみ
※3級は全国の登録試験会場でも実施
試験内容
- 1級
【事前審査】
・テーブルセッティング&消毒管理
・モデルの爪の状態
・チップの状態
【実技試験】
・ネイルイクステンション:スカルプチュアネイル、チップ&オーバーレイ
・ネイルアート:ミックスメディアアート
【筆記試験】
・衛生と消毒
・爪の構造
・爪の病気とトラブル
・ネイルケアの手順
・化粧品学
・イクステンションの手順
・その他実践的施術全般
・プロフェッショナリズム
・ネイルの歴史 など - 2級
【事前審査】
・テーブルセッティング&消毒管理
・モデルの爪の状態
【実技試験】
・前半:ネイルケア(両手10本)
・後半:チップ&ラップ、カラーリング、ネイルアート
【筆記試験】
・衛生と消毒
・爪の構造
・爪の病気とトラブル
・ネイルケアの手順
・リペアの種類およびチップ&ラップの手順
・その他実践的施術全般
・プロフェッショナリズム
・ネイルの歴史 など - 3級
【事前審査】
・テーブルセッティング&消毒管理
・モデルの爪の状態
【実技試験】
・ネイルケア(両手10本)
・カラーリング
・ネイルアート
【筆記試験】
・衛生と消毒
・爪の構造
・爪の病気とトラブル
・ネイルケアの手順 など
筆記試験の免除
試験結果が「筆記のみ合格」だった場合は、次回の試験で同じ級を受験するときにのみ筆記試験が免除されます。
合格率
- 1級:40%程度
- 2級:40~55%
- 3級:85%程度
問い合わせ
公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター
ネイリスト技能検定のテキスト
JNAジェルネイル技能検定試験
JNAジェルネイル技能検定試験は、プロとしてジェルネイルを施術するために必要な理論と技術が問われます。
初級から上級までのレベルが設定されています。
各級のレベル
- 初級
ネイルケアのベーシックマスターとジェルネイルを施術するために必要な基礎知識と技術の修得 - 中級
ネイルケアとジェルネイルを施術するためにプロとしてサロンワークに必要な専門知識と技術の修得 - 上級
ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的知識と技術の修得
受験資格
- 初級:義務教育を修了していれば誰でも受験可能
- 中級:JNAジェルネイル技能検定試験初級の合格者
- 上級:JNAジェルネイル技能検定試験中級の合格者
試験日
年2回(6月、12月)
試験地
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡
試験内容
- 初級
【事前審査】
・テーブルセッティング&消毒管理
・モデルの爪、トレーニングハンドの状態
【実技試験】
・ネイルケア(両手10本)
・ポリッシュカラーリング
・ジェルカラーリング
・ジェルアート
【筆記試験】
・ネイルに関する基礎知識:衛生と消毒、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケア・ジェルネイルの手順 など
・ジェルネイルに関する基礎知識 - 中級
【事前審査】
・テーブルセッティング&消毒管理
・モデルの爪、トレーニングハンドの状態
【実技試験】
・ネイルケア、カラーリング
・ジェルグラデーション
・ジェルイクステンション(クリアスカルプチュア)
・ジェルフレンチカラーリング
【筆記試験】
・ネイルに関する基礎知識:衛生と消毒、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケア・ジェルネイルの手順、その他実践的施術全般、プロフェッショナリズム など
・ジェルネイルに関する基礎知識・理論 - 上級
【事前審査】
・テーブルセッティング&消毒管理
・トレーニングハンドの状態
【実技試験】
手指の消毒から始め、指定された5本の指にイクステンションを施す。
・ジェルクリアスカルプチュア
・ジェルチップオーバーレイ+デザイン
・ジェルチップオーバーレイ
・ジェルチップオーバーレイ+フレンチルック
筆記試験の免除
試験結果が「筆記のみ合格」だった場合は、次回の試験で同じ級を受験するときにのみ筆記試験が免除されます。
問い合わせ
NPO法人 日本ネイリスト協会
ジェルネイル技能検定のテキスト
ネイルスペシャリスト技能検定試験
ネイルスペシャリスト技能検定試験は、ネイルの正しい知識と技術を習得することを目的としています。
初心者を対象としたA級、SA級、プロフェッショナルを対象としたPA/AA/AAA級に分かれています。
受験資格
義務教育を修了していれば誰でも受験可能
※飛び級あり
試験日
6月、10月、翌年2月
試験地
札幌、東京、名古屋(2月のみ)、大阪、福岡、沖縄(10月のみ)
試験内容
- A級
【実技試験】
・ネイルケア
・カラーリング - SA級
【実技試験】
・ネイルケア
・チップオーバーレイ
・カラーリング - PA/AA/AAA級
【実技試験】60点以上でPA級、70点以上でAA級、80点以上でAAA級の合格
・ネイルケア、ネイルチップ
・スカルプチュア(クリア、フレンチ)
・カラーリング
【学科試験】
ネイル(美容)技術を行うために必要な消毒衛生、爪や皮膚を含む人体のしくみと病気、技術テクニックに関わる知識
免除制度
学科試験、実技試験どちらか一方が合格だった場合、合格科目の試験が免除されます。
問い合わせ
NPO法人 インターナショナル ネイル アソシエーション
ネイリストになるには
ネイルのスキル習得法
資格を取得しなければネイリストとして働けないわけではありませんが、社会人からのキャリアチェンジであれば、資格を取得する方が断然有利です。
ネイリストの資格を取得するには、ネイルスクールや通信講座、独学などでネイルの技術や知識を習得する方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分の状況やかけられる時間、費用に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
ネイリスト検定のテキスト
まずは独学で学んでみたいという人は、主催団体が監修しているテキストを購入して、合格を目指すことができます。
筆記試験は公式問題集から出題されます。
ネイルスクール・通信講座
ネイルについて正しい技術と知識を身につけて、プロとして活躍したい人にはスクールや通信教育のネイリスト講座をおすすめします。
転職や開業のサポートを受けることもできます。
まとめ
ネイリストはネイルサロン以外にもエステサロンや美容室など活躍の場を広げています。
経験を積んで、サロン開業のチャンスもあります。
趣味や独学でネイル技術を身につけた人も、信頼されるプロのネイリストとして活躍するには、正しい技術と知識を証明するためにも資格の取得をおすすめします。
【参考】
・ネイリスト検定試験センター
・日本ネイリスト協会
・インターナショナル ネイル アソシエーション