転職活動では、通常、書類選考に通過しなければ面接に進むことができません。
書類選考に通過する履歴書と、通過できない履歴書では何が違うのでしょうか?
特に職務経験が少ない20代・第二新卒では、職歴以外からも会ってみたいと思われる履歴書を作成できるかどうかがポイントになります。
書類選考を通過するの履歴書の書き方についてご紹介します。
選考を通過する履歴書とは
履歴書は書類審査の情報としてだけでなく、採用後の入社手続きの資料とされ、入社後も社員名簿の原本として長く保管される重要な書類です。
履歴書の基本
履歴書は採用選考で提出を求められるもっとも基本的な応募書類です。形式的なものと考えず、間違いがないよう丁寧に作成する必要があります。
履歴書用紙
中途採用を行う求人企業では基本的には即戦力を求めています。経験が少ない20代・第二新卒でも空白が目立つような履歴書はNGです。
自分の職務経歴の長さに合ったもの、アピールしたいことを伝えやすいものを選びます。
一般的な履歴書
学歴・職歴欄が広めの履歴書は、転職活動をする人に広く使われます。ただし、キャリアの浅い人は余白が目立つ可能性があります。
転職者用の履歴書
学歴が最終学歴のみの履歴書は、経験者の転職に向いています。退職理由や志望動機の欄が大きく、詳しく記載することができます。
第二新卒用の履歴書
右側が自己紹介欄になっている履歴書は、第二新卒の転職に向いています。適性や強みをアピールして意欲を伝えることができます。
写真
履歴書の写真は本人であることを確認するための証明写真ではありません。書類選考を受けるためのもので、履歴書の写真が第一印象となります。好印象を与えるような写真を選びましょう。
日付
日付は履歴書を書いた日ではなく、提出する日、郵送の場合は投函する日を書きます。
氏名
氏名は戸籍通りに正確に記入します。旧姓を使用したい場合も戸籍通りに記載して、希望は通信欄などに記載しましょう。
連絡先
連絡先は基本的には自宅の電話番号を記入しますが、携帯電話やメールで連絡をする企業も増えていますので、記入欄がなくても空欄を利用して、記入しておく方がよいでしょう。
学歴
学歴は一般的には小学校・中学校の卒業年月のみ、高等学校以上は入学年月と卒業年月を記入するのが基本とされています。
転職者用の履歴書では最終学歴のみの記載で問題ありません。
中途退学した場合
学校を中退した場合には、退学した年月と「家庭の事情により」など簡単な理由を記載します。
【例】経済的に学業継続が難しくなり、大学で学んだマーケティングの知識を社会で役立てようと退学を決意
職歴
履歴書のなかでもっとも注目されるのが職歴です。職歴は実務経験やスキルレベルを知るために重視される情報です。
勤務先の社名だけでなく、事業内容や従業員数、配属先を記入すると、仕事内容がイメージしやすくなります。
経験した業務を整理して、応募企業に役立つものを中心に記入します。
在学中であれば「現在在学中」、在職中であれば「現在に至る」、離職中であれば「一身上の都合により退職」などと最後の行に書きます。
免許・資格
免許・資格欄には、応募企業に役立つ知識やスキルを伝えることが目的です。
持っている免許や資格を全て書けばよいというわけではなく、応募企業と関連があるもの、応用範囲が広いもの(運転免許、簿記、TOEICなど)、取得年月が新しいものを優先して書きます。
関連するものであれば、資格取得のための通学や勉強中であることも記載します。
退職理由・志望動機
退職理由と志望動機は整合性を考えて記載します。
前職の不満を退職理由にせず、前向きな目的に転換して、目標達成のための転職であることを表現することが大切です。
- 退職理由を前職のせいにしない
- 前職では実現できない目標を伝える
- 同業他社であれば、なぜその企業を選ぶのかを伝える
- 将来の目標など長く働く意欲を伝える
キャリアごとの志望動機
志望動機はキャリアごとに期待される内容があります。
志望動機は自分のしたいことを一方的に書くのではなく、入社して貢献できることが伝わるような内容にすることが大切です。
キャリアごとの履歴書
経験が浅い人は、職歴以外からも適性や意欲が伝わるように履歴書に記載する内容を工夫しましょう。
履歴書の添削
応募書類は採用担当の視点をもって、書類選考に通過できるように作成することが大切です。
誤字脱字などを自分で最終チェックすることはもちろんのこと、できれば履歴書を提出する前に第三者に添削してもらうことをおすすめします。
不採用になる履歴書
履歴書は書かれた内容だけでなく、書き方も見られています。丁寧に正確な内容を記載しましょう。
- 入社後も続きそうな誤字脱字、年月日の不一致
- 社会人としての常識を疑う敬称の誤り
- 応募条件を全く満たしていない採用基準とのギャップ
- 空欄が目立つなど情報が少なく、意欲が伝わらない
- 長文でメリハリがなく、読みにくい
採用担当の視点
採用担当は多くの応募書類に目を通します。
採用基準を満たしていない場合は、応募が可能かを事前に確認したり、添え状で意欲を伝えるなど、履歴書を読んでもらえる工夫をしましょう。
- 必要な応募条件・求人スペックを満たしているか
- 求められている内容を理解して応募しているか
- 職務経験がどれくらい役立つか
- 短期間で即戦力になりそうか
- 入社時期や通勤など許容範囲にあるか
- 入社して定着できそうか
最終チェック
- 社会人らしい丁寧な字で書かれていますか?
- 誤字脱字はありませんか?
- 日付は提出日になっていますか?
- 印象の良い写真を貼付していますか?
- 連絡が取りいやすい自宅電話、携帯電話、メールアドレスを記載していますか?
- 氏名、住所、学校名、企業名は省略せず、正式な漢字、正しい表記で記載していますか?
- 入学、卒業、入社、退職の年月に間違いはありませんか?
- 志望動機はどこにでも当てはまるのではなく、応募企業に向けた内容になっていますか?
- 履歴書の必要項目を割愛していませんか?
- 保有資格に応募職種に関連しない資格を多く書いていませんか?
- 希望条件に応募企業に合わない提示をしていませんか?
- すべての項目に漏れはありませんか?
まとめ
履歴書は応募する企業の採用ニーズを理解して作成することができれば、高い確率で書類選考に通過することができます。
採用される書き方をマスターして、希望する転職への一歩を確実に進めましょう。
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス