キーワード解説
ブラック企業
ブラック企業とは、労働法や関係する法律に違反する労働、あるいは抵触する可能性があるグレーゾーンでの労働や違法性の高い営業行為を意図的・恣意的に従業員に強いたり、パワーハラスメントを手段として強制したりする企業や法人のことを意味しています。
厚生労働省では、労働基準関係法令に違反した企業名と事案の概要を公表しています。
公表された企業はブラック企業とみなされる可能性が高いといえます。
ブラック企業には、明確な定義があるわけではないので、解釈は人によって変わってきます。
法令違反をしている場合だけでなく、法令違反はしていなくても、ブラック企業と解釈されるケースも多くあります。
ブラック企業に対して、働きやすく、従業員に優しい企業は、ホワイト企業と呼ばれるようになっています。
厚生労働省では、安全衛生優良企業公表制度を開始するなど、ホワイト企業についての取り組みも行っています。
ブラック企業の解釈
- 法令違反をしている
- 法令違反はしていないが、労働条件が劣悪
- 法令違反はしていないが、就業環境が劣悪
- 法令違反はしていないが、過重労働
ブラック企業の代表的な特徴
ブラック企業の取り締まり
厚生労働省は若者の「使い捨て」が疑われる企業への取り組みを行っています。
労働基準関係法令に違反した企業は公表されるほか、ハローワークでは新卒求人を一定期間受け付けないことにしています。
- 長時間労働の抑制への取り組み
- 相談窓口を設置
- 職場のパワーハラスメントの予防・解決を推進
ブラック企業から身を守る労働相談
ブラック企業についての悩みは労働問題を扱う窓口に相談することができます。
電話やメールでの相談や情報を受け付けています。
- 行政機関への相談なら
・都道府県労働局
・労働基準監督署
・労政事務所 - 労働組合への相談なら
・総合サポートユニオン
・日本労働組合総連合会
・全国労働組合総連合
・全国労働組合連絡協議会 - 弁護士への相談なら
・ブラック企業被害対策弁護団
・日本労働弁護団
・過労死110番
ブラック企業の退職
ブラック企業は退職する人が多いことが特徴のひとつです。
退職する人が多いので、大量に採用しますが、採用が間に合わず、退職したくても、なかなか辞めることができない場合があります。
あるいは、そもそも退職を言い出すことが難しい職場環境という場合もあります。
退職したくてもできなかったり、退職を言いだすことができない人に代わって退職の意思を会社に伝える退職代行を利用する人も増えています。
雇用情報の提供
若者がミスマッチで早期離職することを防ぐため、新卒採用を行う企業は応募者やハローワーク、人材紹介会社などから求めがあった場合には、青少年雇用情報を提供しなければなりません。
企業の公式サイトや求人票で情報が公表されていなくても、応募する企業の労働条件や平均勤続年数、研修の有無や内容などの情報を確認することができます。
情報提供を求めても提供されない場合には、ハローワークに相談することができます。
労働基準関係法令違反の公表
厚生労働省は、「労働基準関係法令違反に係る公表事案」として、労働基準法などに違反した企業について、各都道府県労働局が公表した内容を集約して公表しています。
年度ごとにとりまとめた内容(企業名、所在地、違反法条、事案概要等)のファイルがWeb上に公開されています。
公開された一覧はブラックリストといえ、公表された企業はブラック企業とみなされる可能性が高くなります。
安全衛生優良企業
安全衛生優良企業とは、従業員の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善しているとして、厚生労働省から認定を受けた企業のことです。
この認定を受けるためには、過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がないなどの基本事項に加え、従業員の健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働防止対策、安全管理など、幅広い分野で積極的な取組を行っていることが求められます。
【参考】
・厚生労働省労働基準局監督課「労働基準関係法令違反に係る公表事案」
・厚生労働省ウェブサイト
□残業代は支払われているか
□諸手当と残業代は別々になっているか
□みなし労働時間は実態と大きなギャップがないか
□給与は毎月1回以上支払われているか
□年次有給休暇を取得できるか