インターネットの普及により、商取引の形も大きく変わりました。
インターネット上で商品やサービスを提供するeコマース(電子商取引)市場は急成長しています。
小売業界では、実店舗だけでなく通信販売やネットショップを展開する企業が増えました。
eコマース市場は急拡大していますが、ネットショップに詳しい人材は不足している状況です。
ネットショップ・EC業界で役立つネットショップ検定の資格(ネットショップ実務士)について、ご紹介します。
ネットショップ実務士の資格
ネットショップ検定とは
ネットショップ検定とは、EC業界での実務能力を証明する資格「ネットショップ実務士」になるための検定試験です。
ネットショップ能力認定機構が実施しています。
スキルごとに指定された条件をクリアすることで、ネットショップ実務士の資格を取得することができます。
ネットショップ検定のレベル
- ネットショップ検定レベル1(基礎知識)
- ネットショップ検定レベル2(実践知識)
- ネットショップ検定レベル3(実践経験)
- ネットショップ検定レベル4(EC企画能力)
- ネットショップ検定レベル5(EC経営能力)
受験資格
制限なし
試験日
希望の日時を選択
試験地
全国のテストセンター(受検しやすい地域の会場を選択)
試験方法
パソコンで受験するCBT方式
ネットショップ実務士補
ネットショップ実務士補は、「ネットショップ実務士」へのステップアップを目指した補助資格です。
1日のセミナーを受講することで、資格を取得することができます。
ネットショップ実務士補の主な対象
- ネットショップ(EC)業界に興味がある人
- ネットショップ(EC)事業に参入を考えている人
- ネットショップ(EC)業界に転職を希望する人
- ネットショップ(EC)を担当する部署へ異動予定の人 など
ネットショップ入門セミナーの内容
- ネットショップ業界とは
- 優良ショップから学ぼう
- ネットショップの開店から日常業務の流れ
- 修了テスト
ネットショップ入門セミナーのメリット
- ネットショップ実務士補の資格が取得でき、検定受験の準備になる
- ネットショップ検定・公式テキストに準拠した内容
- すべての職種のEC業務知識を体系的に学べる
- 最新事例と演習で、利益を生み出す知識を学べる
ネットショップ実務士レベル1
ネットショップ実務士レベル1は、ネットショップの基礎知識についてネットショップ検定 公式テキストから出題されます。
検定に合格するとネットショップ実務士(レベル1)資格を取得することができます。
レベル1の主な対象
- ネットショップ(EC)事業会社の内定者および従業員
- ネットショップ(EC)事業会社を顧客とする企業の内定者および従業員
- ネットショップ(EC)事業会社に就職・転職を希望する人
- ネットショップ運営初心者 など
レベル1の試験内容
4択・70問・80分(マークシート形式)
レベル1の出題範囲
- ネットショップのビジネス環境
- 小売業の分類と特徴
- ネットショップの位置づけ
- ネットショップの動向
- ネットショップの出店形態と特徴
- ネットショップ実務の共通知識
- ネットショップ事業の準備
- ネットショップの制作
- ネットショップのプロモーション
- ネットショップの運用
- 社会人としての基礎知識
レベル1の合格基準
全70問中70%(49問)以上の正答率で、合格評価カテゴリごとに、50%以上の正答率。
ネットショップ実務士レベル2
ネットショップ検定レベル2は、ネットショップの実践知識についてネットショップ検定 公式テキストから出題されます。
検定に合格するとネットショップ実務士(レベル2)資格を取得することができます。
レベル2の主な対象
- ネットショップ(EC)の運営/制作/集客担当者
- ネットショップ(EC)の運営業務を受託している企業の担当者
- ネットショップ(EC)の制作業務を受託している企業の担当者
- ネットショップ(EC)の集客支援業務を実施している企業の担当者
- ネットショップ(EC)のコンサルティングを実施している企業の担当者
- 実践的な知識を身につけたいネットショップ実務士L1資格者 など
レベル2の試験内容
4択・70問・80分(マークシート方式)
レベル2の出題範囲
- 運営業務
・受注~出荷指示
・物流センター業務
・問い合わせ対応、クレーム対応
・商品管理 - Web制作業務
・トップページ
・商品ページ
・その他のページ
・商品写真の企画と撮影技法
・カラーデザイン
・キャッチコピー・文章
・メールマガジン
・知っておくべき知識 - プロモーション業務
・新規顧客獲得
・リピート購入(リテンション)
レベル2の合格基準
全70問中70%(49問)以上の正答率で、合格評価カテゴリごとに、50%以上の正答率。
ネットショップ実務士レベル3
ネットショップ実務士レベル3は、実務経験がある人の実践能力を証明する資格です。
レベル3の取得者は、ネットショップ・EC業界において、該当するさまざまな職種で職種のプロフェッショナルと認められます。
職種
- マネジメント(M)
ネットショップ全体に必要な専門知識を持ち、実践スキルがある - プロモーション(P)
ネットショップのプロモーション業務の経験があり、定常業務を熟知している - Web制作(W)
優良なネットショップのサイト制作および運営業務の経験があり、定常業務を熟知している - 運営(O)
優良なネットショップの運営業務の経験があり、定常業務を熟知している
資格取得の流れ
- 勤務実績の証明
- 書類の審査
- 認定機関にて面接
- 合格者に資格認定書を発行
ネットショップ・EC業界
電子商取引とは
電子商取引とは、インターネットなどネットワークを介して行われる商取引のことです。
電子商取引には企業と企業、企業と個人、個人間で行われるものなど、さまざまな形態があります。
企業と個人のBtoCのeコマース市場が拡大するなか、個人間のCtoCの市場も急速に拡大しています。
新型コロナウイルスの感染拡大の対策として、外出自粛やECの利用が進み、物販系分野の市場が大幅に拡大しました。
一方で、サービス系分野の市場規模は大幅に減少しています。
物販系分野のBtoCのEC市場
物販系分野のEC市場規模は高い成長率で増加を続けています。
- 食品、飲料、酒類
- 生活家電、AV機器、PC周辺機器等
- 書籍、映像・音楽ソフト
- 化粧品、医薬品
- 生活雑貨、家具、インテリア
- 衣類、装飾雑貨等
- 自動車、自動二輪車、パーツ等
- その他
サービス系分野のBtoCのEC市場
サービス系分野のEC市場は旅行サービスが大きな割合を占めていますが、旅行サービスの縮小に伴い、市場規模も減少しています。
- 旅行サービス
- 飲食サービス
- チケット販売
- 金融サービス
- 理美容サービス
- フードデリバリーサービス
- その他(医療、保険、住居関連、教育等)
デジタル系分野のBtoCのEC市場
デジタル系分野のEC市場は巣ごもり需要を背景として拡大しました。
- 電子出版(電子書籍・電子雑誌)
- 有料音楽配信
- 有料動画配信
- オンラインゲーム
- その他
(経済産業省「2022年度電子商取引に関する市場調査」より)
まとめ
eコマース市場は拡大を続けています。
市場全体として今後も成長が見込まれる業界です。
EC業界での実務能力を証明できるネットショップ資格は、就職や転職、キャリアチェンジ、キャリアアップなどあらゆるキャリアステージで活用できます。
【参考】
・経済産業省ウェブサイト
・一般財団法人ネットショップ能力認定機構