建設業界には資格がたくさんあります。
工事・建設現場での資格者ニーズは高く、技術・技能資格を持っていれば、転職・就職がしやすい状況です。
工事・建設現場で有利なおすすめの資格を厳選してご紹介します。
工事・建設現場で役立つ資格
第二種電気工事士
電気工事士は、住宅や店舗、工場などの電気工事に従事する技術者の国家資格です。
工事自体の需要が多いので、人気が高く、建設業界の資格者のニーズも安定しています。
資格には第一種と第二種があり、第二種は一般住宅や店舗などの工事に従事できます。
受験資格
制限なし
試験日
- 上期:【学科・CBT】4~5月【学科・筆記】5月【技能】7月
- 下期:【学科・CBT】9~10月【学科・筆記】10月【技能】12月
試験内容
- 学科:筆記方式(マークシート)またはCBT方式の四肢選択方式
・電気に関する基礎理論
・配電理論および配線設計
・電気機器・配線器具ならびに電気工事用の材料および工具
・電気工事の施工方法
・一般用電気工作物の検査方法
・配線図
・一般用電気工作物の保安に関する法令 - 技能:作業用工具を使用し、配線図で与えられた問題を一定時間内に完成させる
合格率
40%程度
問い合わせ
一般財団法人 電気技術者試験センター
転職・就職情報
配線設備工事やメンテナンスなど建設にかかわる多くの業種でニーズがあり、この資格だけでも転職・就職に有利です。
第二種電気工事士のおすすめテキスト
消防設備士
消防設備士は、劇場、デパート、ホテルなどの建物の用途や規模に応じて消防設備等の工事・設備・点検を行うための国家資格です。
資格には「甲種」「甲種特類」「乙種」があります。
受験資格
- 甲種
・大学等指定学科・課程の卒業者
・乙種消防設備士の実務経験者
・国家資格等(技術士、電気工事士など) - 甲種特類
甲種1~3類のうち1つと、甲種4類と甲種5類の3つの免状の交付を受けていること - 乙種
制限なし
試験日
各都道府県により異なります。
試験地
各都道府県
試験内容
【筆記試験】甲種・乙種(四肢択一式)
- 1類:屋内・屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備
- 2類:泡消火設備
- 3類:不活性ガス・ハロゲン化物・粉末消火設備
- 4類:自動火災報知設備
- 5類:金属製避難はしご、救助袋、緩降機
- 6類:消火器
- 7類:漏電火災警報器
【実技試験】甲種・乙種
- 写真・イラスト・図面などによる記述式
- 製図(甲種のみ)
合格率
- 甲種:30%程度
- 乙種:40%程度
問い合わせ
一般財団法人 消防試験研究センター
転職・就職情報
消防設備士を必要とする施設は法律で義務づけられているため、建築や工事、整備等が増えれば、消防設備士の資格者の需要も増加します。
設備業やビル管理会社などの転職や就職に有利です。
仕事が継続してある資格です。
消防設備士のおすすめテキスト&問題集
車両系建設機械運転技能者
車両系建設機械運転技能者は、ブルドーザーやパワーショベルなど3トン以上の建設機械を運転するために必要な国家資格です。
土木・建設現場には不可欠な資格です。
指定教習機関で学科と実技の修了試験に合格すれば取得できます。
受験資格
満18歳以上
講習日
1~6日間
講習内容
【学科】
- 走行装置の構造・取り扱い
- 作業装置構造・取り扱い・作業方法
- 運転知識
- 関係法令
【実技】
- 走行操作
- 作業装置の操作、合図
問い合わせ
コマツ教習所 全国の各センター
転職・就職情報
指定教習機関の技能講習で学科と実技に合格すれば取得できますので、比較的取得しやすい資格といえます。
土木・建設業界では欠かせない、求人も多い資格です。
クレーン・デリック運転士
クレーン・デリック運転士は、すべてのクレーンとデリックを運転・操作することができる技術者の国家資格です。
受験資格
制限なし
試験日
毎月1・2回
試験地
全国の各地区安全衛生技術センター
試験内容
【学科】
- クレーン及びデリックに関する知識
- 原動機及び電気に関する知識
- クレーンの運転のために必要な力学に関する知識
- 関係法令
【実技】
- クレーンの運転
- クレーンの運転のための合図
合格率
- 学科:55%程度
- 実技:50%程度
問い合わせ
公益財団法人 安全衛生技術試験協会
転職・就職情報
建設現場、工場、倉庫などで広くニーズがあり、建設・土木業界の転職・就職に有利です。
クレーン・デリック運転士のテキスト&過去問
移動式クレーン運転士
移動式クレーン運転士は、吊り上げ荷重が5トン以上のトラッククレーン、ラフテレーンクレーン、クローラクレーン、フローチングクレーンなどの移動式クレーンを運転するために必要な国家資格です。
受験資格
制限なし
試験日
2ヵ月に1回
試験地
全国の各地区安全衛生技術センター
試験内容
【学科】
- 移動式クレーンに関する知識
- 原動機及び電気に関する知識
- 関係法令
- 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識
【実技】
- 移動式クレーンの運転
- 移動式クレーンの運転のための合図
合格率
- 学科:60%程度
- 実技:60%程度
問い合わせ
公益財団法人 安全衛生技術試験協会
転職・就職情報
建設現場や港湾などで活躍する移動式クレーンの操作は専門性が高く、建設業界での転職に役立ちます。
移動式クレーン運転士試験のおすすめ問題集
技能士・技能検定
技能士・技能検定は働くうえで必要とされる技能を検定し、特定の職種(作業)について一定の基準に達していると国が評価する国家検定制度です。
建設関係では32職種の技能検定が実施されています。
建設関係の技能士
- 鉄筋施工技能士
- とび技能士
- 建築大工技能士
- 塗装技能士
- 内装仕上げ施工技能士
- 枠型施工技能士 など
受験資格
都道府県が実施する職種の技能検定を受験するには、原則として実務経験が必要となります。
検定職種に関する職業訓練や学歴で短縮されるものがあります。
- 特級:1級合格後5年以上
- 1級:7年以上
- 2級:2年以上
- 3級:なし
- 単一等級:3年以上
3級は検定職種に関する職業訓練を受けていたり、学科に在籍していれば実務経験がなくても受験することができます。
試験日
- 実技試験:【前期】6月~9月【後期】12月~翌年2月
- 学科試験:【前期】7月~9月【後期】1月~2月
職種ごとに試験日は異なります。
試験内容
【実技試験】
- 製作等作業試験
- 判断等試験
- 計画立案等作業試験
- 実地試験
【学科試験】
- 真偽式
- 多肢選択式
実技試験と学科試験が行われ、両方の試験に合格する必要があります。
どちらか一方のみ合格した場合は、次回以降は不合格となった試験のみ受験し、合格すれば技能士になることができます。
(特級については5年以内)
問い合わせ
中央職業能力開発協会、都道府県職業能力開発協会、指定試験機関
転職・就職情報
技能士・技能検定は関係する職種において確かな技能レベルを証明することに役立ちます。
合格者の評価は高く、転職や就職、キャリアアップに有利です。
建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士は、工事現場で使用される建設機械の運転や操作を行ったり、施工の管理責任者となる技術者の国家資格です。
資格には1級と2級があります。
受検資格
2級の第一次検定は17歳以上であれば誰でも受験できます。
【第一次検定・第二次検定】
1級・2級ともに受験資格要件となる実務経験年数を満たしていること
【第一次検定のみ】
- 1級
・受験資格要件となる実務経験年数を満たしていること
・2級合格者 - 2級
満17歳以上
試験日
- 第一次検定(筆記):6月、1月(2級のみ)
- 第二次検定(筆記と実技):8月から9月の指定日
試験内容
【1級】
- 第一次検定(筆記):マークシート方式
・土木工学
・建設機械原動機
・石油燃料
・潤滑剤
・建設機械
・建設機械施工法
・施工管理法
・法規 - 第二次検定(筆記):記述解答方式
・施工管理法
・建設機械施工法
・建設機械組合せ施工法 - 第二次検定(実技):実機による操作施工
・第1種:トラクター系建設機械操作施工法
・第2種:ショベル系建設機械操作施工法
・第3種:モーター・グレーダー操作施工法
・第4種:締め固め建設機械操作施工法
・第5種:舗装用建設機械操作施工法
・第6種:基礎工事用建設機械操作施工法
【2級】
- 第一次検定(筆記):マークシート方式
・土木工学
・施工管理法
・建設機械原動機
・石油燃料
・潤滑剤
・法規 - 第二次検定(筆記):マークシート方式
・施工管理法 - 第二次検定(実技):実機による操作施工
・検定科目は1級と同じ
※第二次検定(実技)は第一次検定の合格者のみが受検できます。
合格率
- 1級:30%程度
- 2級:60%程度
問い合わせ
一般社団法人 日本建設機械施工協会
転職・就職情報
1級建設機械施工技士は、ゼネコンなど特定の建設業で施工主任者になるために必要な資格です。
2級は一般建設業で主任技術者や事業所専任技術者となれます。
いずれも活躍の場は広く、転職・就職で有利です。
建設機械施工技術検定のおすすめテキスト
工事・現場系の資格を取るには
資格取得の勉強法
技術系資格の学科試験対策としては、独学や資格・通信講座などで勉強する方法があります。
資格や級によっては、学歴や資格に応じた実務経験が必要とされています。
目指す資格やかけられる時間、費用など自分の状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切になります。
技術系通信講座
専門性の高い技術系の資格や技能を短期間で効率的に取得するには、試験に対応した通信講座を上手に活用することをおすすめします。
多くの企業も利用する技術講座専門のJTEXでは、資格取得や技能向上のための技術系通信講座を数多く取り扱っています。
現場で役立つ専門性の高い通信教育講座を提供していて、技能検定の学科試験が免除となる認定訓練講座もあります。
まとめ
建設業界の資格はたくさんありますが、ひとつ持っているだけでも有利になる資格が少なくありません。
現場で強みとなる技能を身につけて、スキルアップしていくことは強力な武器になります。
【参考】
・経済産業省ウェブサイト
・国土交通省ウェブサイト
・試験実施機関ウェブサイト