営業職の求人は第二新卒からミドル層、未経験から経験者まで豊富で、転職を実現するチャンスの多い職種といえます。
営業職は仕事の幅が広く、選択肢も多い職種ですので、中途採用では営業スタイルが重視されます。
異業種からでも営業スタイルが近ければ転職しやすいといえるでしょう。
応募企業が求めている営業職を把握して、そのスタイルに合ったアピールをすることが書類選考を突破するコツです。
営業職の職務経歴書の書き方についてご紹介します。
営業職の職務経歴書
職務経歴書とは
職務経歴書は履歴書より職務内容を詳細に記載した応募書類です。
実務能力を重視する転職の採用選考では、多くの場合、履歴書と職務経歴書で書類審査が行われます。
一般的に書類審査を通過した人に対してのみ、面接が行われますので、転職の採用選考における職務経歴書の重要度は高いといえます。
職務経歴書の役割
- 求められている経験やスキルがあることを伝える
- 未経験や不足しているスキルは勉強中であることを示す
- 伝えたいことをわかりやすくまとめる
職務経歴書に記載する内容
営業職の職務経歴書では営業スタイルと営業実績が重要なポイントとなります。
応募企業へのアピールとなるようまとめることが大切です。
営業職の必須内容
- 取扱商品
扱った商品の種類と商品の特徴や価格帯など - 営業スタイル
ルートセールスか新規開拓かなど - 営業地域:
海外を含め担当した地域をアピール - 顧客対象
顧客は法人か個人か、世代や客単価など - 営業実績
売上などの営業成績を数字、表彰経験などで具体的に示す - 管理経験
リーダーやマネジメント経験があれば、取り組みなどを記載する
職務経歴書の書き方
営業職は、何を誰にどのようにどのくらい売ってきたかを具体的に伝えることが基本です。
読み手が具体的にイメージできるかどうかを考えながら書きましょう。
職歴要約
職種経験を活かした応募であれば、冒頭に職歴要約や営業職としての強みを200字程度でアピールすると伝わりやすくなります。
会社概要
企業名だけでなく、事業内容、資本金、従業員数などの会社概要を記載した方が具体的に営業スタイルがイメージできます。
配属先や営業所、店舗まで必ず記載します。
職務内容
主にどこを中心に営業していたか、担当した地域を記載します。
営業スタイルは既存客か新規客か、個人営業か法人営業か、新規開拓かルートセールス、電話営業か、1日の営業件数や担当顧客の特徴などを具体的に伝えます。
営業実績・受賞歴
売上金額、契約件数など具体的な数字を示します。
客観性をもたせるために社内の順位などを併記するのもひとつの方法です。
20××年 新規契約件数 150件
(営業所内5位 ※営業担当12名中 半期ごとの個人目標は3年連続達成)
営業の工夫・努力
どのような営業戦略をもっていたか、自分ならではの営業の工夫、努力などをまとめます。
具体的な営業実績、受賞歴がない人は特に、前向きに取り組んできた姿勢をアピールします。
リーダー・マネジメント経験
リーダーとして新人や後輩を育成した経験などがあれば、積極的にアピールしましょう。
転職理由
異業種への転職など、前職では実現できない目標を伝えます。
前向きで説得力のある内容を簡潔にまとめて、新しい仕事でさらに成長できるという意欲をアピールしましょう。
営業職が未経験であっても、交渉力や提案力、行動力などがアピールできます。
商品知識や業界知識について理解していることを示して、積極的なチャレンジ姿勢を伝えます。
自動車販売でお客様と会話するなかで、住宅販売に興味を持ち、宅地建物取引士の資格を取得しました。マンションの販売においても、前職の経験を活かして貢献したいと考えています。
法人営業のアピールポイント
法人営業では対人折衝力や商品知識に加えて、求められるのが提案型のアプローチ力です。
顧客の事業や業界の環境を理解して課題を見つける力、課題解決のための戦略・企画力を伝えます。
また顧客先を動かすプレゼン技術の実績がアピールになります。
未経験者の場合は応募企業や業界をよく理解して、応募企業で役立つ経験や知識を強調することが大切です。
未経験でも短期間で戦力になれることをアピールします。
経験者
- 前職の規模や営業方法、組織の特性、顧客の特色などを示すと、営業スタイルが伝わりやすい
- 職務内容には商品、対象顧客・エリア、営業方法を具体的に記載する
- 実績は売上、目標達成率、成績順位など数字で示し、実績を上げるための工夫や努力も伝える
未経験者
- 応募企業や顧客先の業界知識・商品知識があれば有利
- 対人スキルなど営業職としての適性、商品企画や販促の経験も強みになる
- 企画書作成や提案資料などPCスキルは必須。プレゼンテーション経験があれば、必ず記載する
ルートセールスのアピールポイント
ルートセールスでは業界、商品、商習慣を熟知していて、信頼関係を構築できるかどうかがポイントになります。
顧客管理の方法や担当件数、業界のトレンドを読んだ主体的な提案力も大切です。
実績や具体的なエピソードを通じて、単なる御用聞きではなかったことを伝えます。
未経験者の場合は応募企業の商品を理解して、役立つ知識や経験をアピールすることが必要です。
経験者
- 前職の規模や従業員数、事業内容、資本金、年商などの概要を示す
- 扱った商品の特徴、対象顧客、担当エリアは必ず記載
- 目標達成率、平均訪問件数などの実績は数字で示し、工夫していたことや努力していたこともアピール
未経験者
- 業界経験や商品知識があれば有利。なくても、基本的な知識は習得しておく
- 接客・販売など対人業務の経験をアピールする
- 普通自動車免許が必要になる場合があるので、免許の有無や社用車の運転経験などがあれば記載
カウンター営業のアピールポイント
カウンター営業は店舗や営業所の来訪者に対応する営業職です。
旅行・金融・教育・不動産・ブライダル業界など、不特定多数の顧客を対象とするため、業界経験者が歓迎される傾向があります。
商品・サービスに関する知識、相談にも臨機応変に対応できる高い対人適性を伝えます。
宅建など資格や免許が必要となる住宅・不動産関連などの業界では未経験者採用も活発です。
業界の経験はなくても、短期間で戦力となれる営業力をアピールしましょう。
経験者
- 前職の事業内容や商材の特色、顧客数、担当人数などを示す
- 手配・手続きなど業務処理の方法や範囲についても詳しく記載して、応募先のニーズに合わせて強調する
- 実績や工夫の成果は数字で示す
- 専門知識や顧客ニーズをとらえた提案力などもアピール材料
未経験者
- 応募先の商品知識、業務に関連する資格は有利になるので、勉強中のものも含めて記載する
- 対人折衝力や対応力、調整力、提案力などの適性を業務経験を通じて伝える
- 営業未経験でも接客や販売の経験があれば適性をアピールする
- PCスキルや語学力もアピール材料
営業職の書類作成サポート
営業職の転職活動
作成した応募書類に自信が持てなかったり、応募する前に添削してもらいたい、という人も多いのではないでしょうか。
エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。
サービスのメリット
- キャリアの可能性を広げるカウンセリング
- 自分だけでは見つけられない求人紹介
- 書類作成や面接対策のアドバイス など
まとめ
求められている営業職を把握して、自分がどれだけ戦力になれるかを職務経歴書からアピールすることが大切です。
接客・販売職からのキャリアチェンジなど営業未経験者は、活かせる対人スキルやこれまでの経験から短期間で戦力になれるということを積極的にアピールしましょう。
営業職の職務経歴書は転職活動におけるプレゼン資料です。
参考:職務経歴書の基本構成
職務経歴書
20××年×月×日
氏名○○ ○○
【職務内容】
具体的な仕事内容や実績を伝えます。アピールになるアルバイト経験や派遣社員経験は記載して大丈夫です。
- 勤務先、入社・退社年月、所属、職種
- 経験した業務の詳細・実績
- 勤務先での評価、表彰、受賞、昇格、後輩指導など
【資格・スキル】
応募企業に役立つ知識や技能を伝えます。
- 免許・資格・スキルレベル
- 業務に関連する学歴、自己啓発
【転職理由・自己PR】
入社意欲や求人ニーズに合った適性や強みを伝えます。
- 転職(退職)理由
- 自己PR
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス