転職の採用選考では、まず書類審査が行われて、書類審査を通過した人だけが面接を受けられるのが一般的です。
第二新卒の応募書類からは、社会人としての経験と成長性が見られています。
職歴が浅い人ほど、応募書類の内容が採用・不採用に影響しやすいもの。
書類選考を突破する「履歴書」と「職務経歴書」を作成しましょう。
職歴3年未満の履歴書の書き方
履歴書とは
履歴書は採用選考で提出を求められるもっとも基本的な応募書類です。
添付されている写真や記載されている内容、書き方などから、人物像、仕事への意欲、正確性などがチェックされています。
市販されている履歴書には、さまざまなタイプがありますので、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
履歴書の項目(例)
- 氏名(ふりがな)
- 生年月日、年齢、性別
- 住所、連絡先
- 学歴・職歴
- 免許・資格
- 志望動機
- 本人希望
履歴書のフォーム
転職活動において、転職サイトは活発に利用されています。
Web上から求人に応募する方法も一般化していますが、その後の選考プロセスで、ほとんどの企業に書類提出を求められます。
Webの応募フォームでひととおり情報を提供しているので、履歴書は形式的なものだろうと考えてはいけません。
スタンダードなJIS規格
最も一般的な履歴書でB4、A4、A3など複数のサイズがあります。
学歴・職歴欄が広いものは、余白が目立たないよう記述の仕方に注意が必要です。
未経験者向き
コクヨの「一般用・B5判」は、学歴・職歴欄は左側のみで、右側に特技や性格などヒューマンスキルをアピールできる欄や志望動機欄が広くあります。
第二新卒や未経験職種希望などの人に向いています。
日本法令の「自己紹介書付き」など似たタイプが複数あります。
経験者向き
日本法令の「転職者用・B4(A3)判」は、学歴は最終学歴のみで、退職理由や出社可能日など選考に必要な項目があります。
転職者に特化したフォーマットで、キャリアが長い人に向いています。
履歴書の書き方
履歴書は入社後の雇用契約における本人確認の基本情報となります。
間違いなく、丁寧に作成しましょう。
日付・氏名・連絡先
日付は提出日、郵送であれば投函する日を記載します。氏名は戸籍に登録されている通りに正確に記入します。
連絡手段として携帯電話やメールを使う企業が増えましたので、記入欄がなくても空欄を利用して記入することをおすすめします。
学歴
中学卒業から記載することが一般的です。
高等学校以降の学歴は入学・卒業とも年次を記入します。
年次は間違えやすい項目ですので、しっかり確認して記載します。
間違えると経歴詐称とされることもありますので、注意しましょう。
職歴が短い人は、職歴を記入する行が少ない用紙を選び、学歴と職歴の間は一行空けるなど空白が目立たないように工夫します。
職歴
職歴は最も重視される情報です。
在籍した会社名と入退社の年月だけを記載するのではなく、簡単な事業内容、社員数などの基本的な情報を書き添えて、具体的に事業のイメージができるようにしましょう。
在職中であれば「現在に至る」、離職中であれば「一身上の都合により退職」などと最後の行に記載します。
仕事内容
仕事の内容については、配属先や職種、具体的な担当業務を整理して簡潔にまとめます。
空白を作らないためには、「営業」「販売」などとまとめてしまうのではなく、取扱商品や担当顧客の件数などを記入するのがコツです。
例えば営業であれば、取扱商品、営業スタイル(飛び込み営業かルート営業か、個人営業か法人営業か、新規顧客か既存顧客か、担当顧客数、1日の訪問件数など)を書き込みます。
異動・昇格
部署の異動や昇格があった場合には、必ず記入します。
アルバイトから正社員に登用など雇用形態の変更も記載します。
ビジネス研修も記入
社内外の研修で身につけたビジネスマナーやスキルもアピールになります。
社外講座の受講も志望職種に関連する知識・技術の習得は盛り込みましょう。
事務系職種であればPCの使用レベルも記入します。
免許・資格
免許や資格を記入するのは、応募する業務に役立つ知識や技術があることを伝えることが目的です。
何でも書くのではなく志望動機に関連するものや応用範囲の広い「簿記」「TOEIC」「運転免許」などを記載します。
勉強中の資格・スキル
応募企業で役立つ資格・スキルについては、勉強中のものも含めて必ず書き添えましょう。
未経験・キャリアチェンジの応募では特に自ら学ぶ姿勢が問われますので、意欲をアピールできます。
退職日・退職理由
在職中の場合、退職予定を入れておくと入社可能日が伝わります。
離職中の場合、履歴書に詳細な退職理由を記載する必要はありません。
自己都合であれば「一身上の都合により退職」、倒産や解雇などであれば「会社都合により退職」、契約社員などであれば「契約満了につき退職」と記載します。
志望動機
志望動機や自由記述欄を活用して、転職の理由となる未経験職種・業種への関心や理解の背景、適性の裏付けとなるヒューマンスキルを伝えるようにしましょう。
職歴3年未満の職務経歴書の書き方
職務経歴書とは
職務経歴書は履歴書より職務内容を詳細に記載した応募書類です。
実務能力を重視する転職の採用選考では、多くの場合、履歴書と職務経歴書で書類審査が行われます。
一般的に書類審査を通過した人に対してのみ、面接が行われますので、転職の採用選考における職務経歴書の重要度は高いといえます。
職務経歴書の役割
- 求められている経験やスキルがあることを伝える
- 未経験や不足しているスキルは勉強中であることを示す
- 伝えたいことをわかりやすくまとめる
職務経歴書のフォーマット
職務経歴書の書式は自由ですが、基本になるのは「編年体式」と「キャリア式」です。自分に合うものを選んで読みやすく作成します。
編年体式
経歴を古いものから順に時系列にまとめる書き方です。
基本的な構成は入社、配属、異動などの見出しと見出しに沿った職務内容、実績を記載する形式です。
古い方から書くのが一般的ですが、最新のものから書く形式(逆編年体式)もあります。
習熟度やレベルアップをアピールしやすいので、同じ業務に携わってきた人に向いています。
キャリア式
時系列ではなく、職務内容ごとに経歴をまとめる書き方です。
基本的な構成は、経歴の要約、職歴と、職種別、プロジェクト別、取扱商品別などキャリア(同じ業務)ごとにまとめて記載する形式です。
プロジェクトごとに、業務内容や規模、担当が異なる技術職やエンジニアに向いています。
職務経歴書の書き方
職務経歴書に最初に目を通すのは、採用担当です。
わかりやすく見やすい書き方を工夫しましょう。
A4サイズ1~2枚にまとめる
職歴3年未満の職務経歴書はA4用紙1枚をベストと考えて、要点をまとめます。
伝えたいことが多くても、長々と記述するのはNGです。最大2枚以内に収めましょう。
タイトル・氏名・日付
中央に他より大きめの文字で「職務経歴書」とタイトルを入れます。
右上に日付、日付の下に氏名を入れるのが基本スタイルです。
日付は履歴書と同じ日にします。
職務経歴
どのような事業を行っている企業で、どのような部署で働いてきたかを記載します。
時系列やキャリアごとなどにまとめます。
- 在職期間
- 正式社名
- 事業内容
- 従業員数
- 資本金 など
職務内容
具体的な職務の内容と、その仕事にどう取り組んできたかを書きます。
具体的に詳しく記載すると、どのような職務能力があるかがわかるだけでなく、取り組み姿勢や業務の理解度まで伝わります。
実績・達成したこと
どのような実績を出したか、どのような評価を受けたか、どのような変化、成長があったか、改善、提案したことなどをまとめます。
実績は売上などの数字や表彰経験などで具体的に示し、具体的な事例がない場合は、上司やクライアントに評価された内容やその期間にどのように成長、レベルアップしたかを盛り込みましょう。
第二新卒のアピールポイント
応募する仕事とは直結する経験がないとしてもアピールできるのは、これまでの実務経験の内容です。
応募企業でも役立つことに関連付けるのがコツです。
応募企業が求めているスキル・経験・適性を把握して、そのニーズに沿った内容を強調します。
分野は違っても、商品知識や法令、取引先との対応、接客、後輩の指導、目標達成のためのチームワーク、クレーム処理など、どの仕事でも活用できる経験やスキルは評価されます。
アピールすること
- 新人研修の基礎力アピールもまだ有効
- 応募先で役立つ経験とスキルを強調
- ヒューマンスキルも実績で伝える
- 自己啓発で未経験をカバー
- 転職先で貢献できることまでアピール
- 転職理由は志望動機とリンクさせて、目指す理由を明確に
職歴3年未満の書類作成サポート
第二新卒の転職活動
作成した応募書類に自信が持てなかったり、応募する前に添削してもらいたい、という人も多いのではないでしょうか。
エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。
サービスのメリット
- キャリアの可能性を広げるカウンセリング
- 自分だけでは見つけられない求人紹介
- 書類作成や面接対策のサポート など
まとめ
応募職種とは直接の関連がない経験しかないとしても、第二新卒の職務経歴書での最大のアピールポイントは「実務経験」です。
いち早く戦力になることができる社会人としての応用力、前向きな取り組み姿勢で入社後の成長意欲を伝えることがポイントです。
参考:職務経歴書の基本構成
職務経歴書
20××年×月×日
氏名○○ ○○
【職務経歴】
具体的な仕事内容や実績を伝えます。アピールになるアルバイト経験や派遣社員経験は記載して大丈夫です。
- 勤務先、入社・退社年月、所属、職種
- 経験した業務の詳細・実績
- 勤務先での評価、表彰、受賞、昇格、後輩指導など
【資格・スキル】
応募企業に役立つ知識や技能を伝えます。
- 免許・資格・スキルレベル
- 業務に関連する学歴、自己啓発
【転職理由・自己PR】
入社意欲や求人ニーズに合った適性や強みを伝えます。
- 転職(退職)理由
- 自己PR
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス