販売職は、流通・小売業界おいて代表的な職種です。
取り扱う商品やサービスによって、販売スタイルは変わってきます。
販売にはどのような仕事があるか、販売職の種類と分類についてご紹介します。
販売職の種類
販売職とは
日本標準職業分類では、販売従事者について、
「有体的商品の仕入れ・販売、不動産・有価証券などの売買の仕事、有体的商品・不動産・有価証券などの売買の仲立・取次・代理などの販売類似の仕事、商品の売買・製造・サービスなどに関する取引上の勧誘・交渉・受注・契約締結、保険の代理・募集などの営業の仕事に従事するもの」
としています。
販売に伴う接客サービスの仕事は、サービス職に分類されています。
販売従事者の分類
- 商品販売従事者
- 販売類似職業従事者
- 営業職業従事者
商品販売の業務
商品販売の業務には、商品の仕入れや販売などが分類されます。
小売店主・店長
小売店主・店長は、小売店を経営管理して、主に商品の仕入れ・販売などの業務を行います。
- コンビニエンスストア店長
- 家電量販店店長
- ドラッグストア店長
- ホームセンター店長
- ガソリンスタンド支配人 など
卸売店主・店長
卸売店主・店長は、卸売店を経営管理して、主に商品の仕入れ・販売などの業務を行います。
- 卸売店長
- 飲食料品卸売
- 建築資材卸売 など
小売店販売員
小売店販売員は、店舗で商品販売の業務を行います。
- レジ係
- スーパーマーケット店員・販売員
- デパート店員・販売員
- コンビニエンスストア店員
- ショップ店員・販売員
- 飲食料品販売店員
- 自動車販売店員
- 家電量販店販売員
- 医薬品登録販売者
- 化粧品販売員
- 美容部員
- ガソリンスタンドサービス など
訪問・移動販売
訪問販売は、商品を持って、訪問や呼売して販売の業務を行います。
移動販売は、移動性店舗で商品・飲食物の販売の業務を行います。
- 化粧品訪問販売
- 家庭薬配置
- 列車内販売 など
バイヤー
バイヤーは、商品の仕入れや買い付けの業務を行います。
- 仕入れ営業
- 仕入れ係
- バイヤー など
再生資源回収・卸売
再生資源回収・卸売は、再生資源の回収・買入・卸売の業務を行います。
- 再生資源回収
- 再生資源仲買
- 再生資源卸売 など
販売類似の業務
販売類似の業務には、売買の取り次ぎ・あっせん、売買の代理、不動産・有価証券の売買などが分類されます。
不動産仲介・売買
不動産仲介は、店舗において土地・建物の売買、賃借、交換の代理・仲介の業務、不動産売買は、店舗において土地・建物の売買・交換の業務を行います。
- 土地建物仲介
- 土地建物売買
- 不動産仲介
- 不動産売買 など
保険代理
保険代理は、生命・火災・海上・運送・その他の保険契約の締結、保険料の収納などの代理業務を行います。
- 生命保険代理店
- 保険代理店 など
有価証券売買・金融仲立
有価証券売買は、店舗において公債・社債・出資証券・株券などの売買の業務を行います。
金融仲立は、金融機関相互の融資の媒介や、資金や為替などの金融取引の業務を行います。
- 証券会社店頭
- 証券外務員(内勤)
- 株式トレーダー
- 為替ディーラー
- 債権トレーダー など
その他の販売類似職
- 商品仲介
- 宝くじ等販売
- 商品券販売
- チケットショップ店員
- 両替業務 など
営業の業務
営業には、商品や金融・保険の商品、不動産、サービスの販売に関する取引上の勧誘・交渉・受注・契約締結の業務が分類されます。
食料品の営業
食料品の営業は、食料品の販売に関する取引上の勧誘・交渉・受注・契約締結の業務を行います。
- 食料品営業
- 食料品ルートセールス など
化学品の営業
化学品の営業は、化学品の販売に関する取引上の勧誘・交渉・受注・契約締結の業務を行います。
- 化学品営業
- 化学品ルートセールス など
医薬品の営業
医薬品の営業は、医薬品の販売に関する取引上の加入・交渉・受注・契約締結の業務を行います。
- 医薬品営業
- 医薬品情報担当
- 医薬品ルートセールス
- 医薬品プロパー
- MR など
機械器具の営業
機械器具の営業は、生産用機械器具、電気機械器具、輸送用機械器具などの機械の販売に関する取引上の勧誘・交渉・受注・契約締結の業務を行います。
- 技術営業
- セールスエンジニア
- 機械器具販売営業
- 機械器具製造受注営業
- 自動車販売営業 など
通信・情報システムの営業
通信の営業は、通信に関する回線や機械器具などの利用や販売に関する取引上の勧誘・交渉・受注・契約締結の業務を行います。
情報システムの営業は、クライアントの業務上の課題解決や要求の実現を行うための情報処理や情報通信の技術に係るシステムを提案し、これに必要な商品やサービスを販売することに関して、取引上の勧誘・交渉・受注・契約締結の業務を行います。
- 通信回線営業
- 通信機器営業
- システム営業
- セールスエンジニア など
金融・保険の営業
金融・保険の営業は、金融・保険商品の販売、融資に関する勧誘・募集・契約締結など業務を行います。
- 銀行渉外係
- 信用金庫渉外係
- 信用組合渉外係
- 証券営業
- 証券外務員
- 保険セールス
- 生命保険営業
- 損害保険営業 など
不動産の営業
不動産の営業は、不動産の販売に関する取引上の勧誘・交渉・受注・契約締結の業務を行います。
- 不動産会社営業
- 不動産セールス
- 住宅・リフォーム営業 など
その他の営業職
- 旅行営業
- 広告営業
- 印刷営業
- 建設工事営業
- 会員勧誘 など
販売職の採用市場
販売職の求人・転職
販売職は、取り扱う商品やサービスによって、求められる知識やスキルが大きく変わってきます。
同じ販売職であっても、自分に合っているかどうか、これまでの経験を活かしてキャリアアップできるかどうかなどを見極めることが大切になります。
販売力は実績で示すことが一番ですが、未経験からのチャレンジや異業種への転職であれば、扱う商品についての知識を持っていることがアピールになります。
販売職の平均給与
区分 | 月収 | 年間賞与等 |
販売店員 | 267,000円 | 405,600円 |
商品販売 | 351,800円 | 935,500円 |
販売類似職業 | 377,700円 | 1,110,600円 |
(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より)
販売職の転職活動
エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。
好条件・非公開の求人紹介だけでなく、書類作成や面接対策のアドバイスなどで選考通過率のアップが期待できます。
販売職の転職ノウハウ・スキルアップ
販売職の転職活動におけるアピール材料は販売力です。
販売力を磨くために、専門性を高めて、資格を取得することも有効です。
まとめ
販売職は小売業界をはじめとして、幅広い業界で活躍しています。
取り扱う商品やサービスで必要とされる専門性やスキルは異なりますが、販売力の実績はどこの業界でも評価されます。
また販売の経験を活かして、他職種へキャリアチェンジしたり、キャリアアップすることもできます。
【参考】
・総務省「統計基準等」
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス