介護職の需要は年々高まっています。
施設勤務ではチーム制となるため未経験者でも採用されやすい傾向があります。
介護職の採用選考ではスキルや専門性だけでなく、志や目指す気持ちを重視しています。
介護職の経験者は実務経験や実績から、未経験者もこれまでの経験や対人スキルなどから意欲・適性を職務経歴書でアピールすることが重要になります。
介護職の職務経歴書の書き方についてご紹介します。
介護職の職務経歴書
職務経歴書とは
職務経歴書は履歴書より職務内容を詳細に記載した応募書類です。
実務能力を重視する転職の採用選考では、多くの場合、履歴書と職務経歴書で書類審査が行われます。
一般的に書類審査を通過した人に対してのみ、面接が行われますので、転職の採用選考における職務経歴書の重要度は高いといえます。
職務経歴書の役割
- 求められている経験やスキルがあることを伝える
- 未経験や不足しているスキルは勉強中であることを示す
- 伝えたいことをわかりやすくまとめる
職務経歴書のフォーマット
職務経歴書の形式は、主に「編年体式」と「キャリア式」の2種類があります。
自分の職務経験をよりアピールできる方を選びます。
介護経験がまだ少ない人や未経験の人には、ベーシックな編年体式がおすすめです。
編年体式
経歴を古いものから順に時系列にまとめる書き方です。
基本的な構成は入社、配属、異動などの見出しと見出しに沿った職務内容、実績を記載する形式です。
古い方から書くのが一般的ですが、最新のものから書く形式(逆編年体形式)もあります。
習熟度やレベルアップをアピールしやすいので、同じ業務に携わってきた人に向いています。
キャリア式
時系列ではなく、職務内容ごとに経歴をまとめる書き方です。
基本的な構成は、経歴の要約、職歴と、職種別などキャリア(同じ業務)ごとにまとめて記載する形式です。
ホームヘルパー ⇒ 介護福祉士 ⇒ ケアマネジャーなど、ステップアップしてきた人や介護業界でさまざまな業務・職種を経験をしてきた人におすすめの書き方です。
職務経歴書に必ず記載する内容
介護職として命を預かるための専門性とホスピタリティの実践を実務経験の有無に関わらず、職務経歴書から伝えることが必要です。
人との接し方
介護の知識や資格だけでなく、関係者との良好な関係が評価されます。
サービス利用者やその家族との信頼関係、市町村・事業者・施設などとの関係を良好に構築してきたことがアピールになります。
目指すきっかけ・自己啓発
未経験の領域では、なぜ転職したいと考えたか理由を明確にして、志望動機や自己PRでこれまでの経験から適性を示すことが大切です。
資格・専門性
介護関連の資格で示される知識や専門性、基礎スキルは実務経験に関わらず必要とされます。
またホスピタリティなど業務の適性は不可欠。
利用者や家族、関係者間の説明力や調整力も評価されます。
職務経歴書の書き方
応募する施設やサービスで必要とされる能力を理解して、アピールにつながる内容を中心にまとめます。
職務経歴
- 勤務先会社名
- 勤務先の業種
- 勤務期間
- 職種
- 職位(あれば)
- 雇用形態
職務内容
介護・福祉系の職種は幅広いので、応募先で求められる職務領域を把握して、前職の経験があるからこそ、応募先で貢献できることが採用のポイントになります。
自分の役割や仕事の取り組み姿勢を具体的に示すと伝わりやすくなります。
保有資格・スキル
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 社会福祉士
- 訪問介護員(ホームヘルパー) など
関連する資格・スキル
- 認知症ケア専門士
- 福祉住環境コーディネーター
- 福祉用具専門相談員
- 介護食士
- 介護事務 など
勉強中の資格
介護職では資格を求められることが多いので、取得していない場合でも取得に向けて勉強中であることが評価されます。
志望動機
志望動機は応募先の特徴と合致する内容を記載します。
事前に応募する事業者について、サービスの特色などを調べておくことが大切です。
前職の不満や悪口はマイナスの印象を与えてしまいます。
新しい職場で実現したいことや成長したいという前向きな理由に転換して意欲を伝えましょう。
自己PR
自己PRは実際の経験やエピソードを交えて、具体的に書くことが大切です。
介護職の経験者は実務経験から、未経験者は他の仕事や実際の経験から得た内容を記載しましょう。
具体的な経験を盛り込むことで、説得力が高まり、伝わる内容になります。
介護職のアピールポイント
介護職の経験者は実績で、未経験者も対人関係の業務経験からホスピタリティの実践を伝えます。
経験者には業務改善など経営的な視点も期待されています。
経験者
- 前職の事業内容や特色を示す
- 施設勤務の場合は、守備範囲やポジションもアピール材料。業務改善やリーダー、後輩指導などの経験は積極的にアピールする
- ホスピタリティなど業務に対する姿勢や適性は具体的なエピソードで伝えるとわかりやすい
- 勉強中の上位資格があれば記載して、向上心をアピールする
未経験者
- 学歴や前職で福祉関連の知識や経験があれば必ず示す
- 異業種における実務経験からでも対人折衝力やホスピタリティは適性として評価される
- ボランティアや個人体験を通じた介護現場への理解も評価対象となる
介護職の書類作成サポート
介護職の転職活動
作成した応募書類に自信が持てなかったり、応募する前に添削してもらいたい、という人も多いのではないでしょうか。
エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。
サービスのメリット
- キャリアの可能性を広げるカウンセリング
- 自分だけでは見つけられない求人紹介
- 書類作成や面接対策のアドバイス など
まとめ
介護職の職務経歴書では、介護業界でアピールできる実績やスキル・資格、適性などを中心に自分の経験を整理することが大切です。
採用担当に好印象を与え、会ってみたいと思わせる職務経歴書を作成しましょう。
参考:職務経歴書の基本構成
職務経歴書
20××年×月×日
氏名○○ ○○
【職務内容】
具体的な経験内容や実績を伝えます。アピールになるアルバイト経験や派遣社員経験は記載して大丈夫です。
- 勤務先、入社・退社年月、所属、職種
- 経験した業務の詳細・実績
- 勤務先での評価、表彰、受賞、昇格、後輩指導など
【資格・スキル】
応募企業に役立つ知識や技能を伝えます。
- 免許・資格・スキルレベル
- 業務に関連する学歴、自己啓発
【転職理由・自己PR】
入社意欲や求人ニーズに合った適性や強みを伝えます。
- 転職(退職)理由
- 自己PR
【参考】
・厚生労働省ウェブサイト
・ハローワークインターネットサービス