ビジネスパーソンが働くうえで、重視しているのは
「休暇の取りやすさ」
「実労働時間の適正さ」
「社員の定着性」
「育成・研修の充実」
などですが、実際の働きやすさはなかなか外からは見えないものです。転職活動では、どのように働きやすい企業を見つければよいでしょうか?
働きやすい会社の探し方
ブラック企業とは
ブラック企業とは、労働法や関係する法律に抵触する可能性があるグレーゾーンでの労働や違法性の高い営業行為を意図的・恣意的に社員に強いたり、パワーハラスメントを手段として強制したりする企業や法人を指しています。
ブラック企業の代表的な特徴
- 慢性的に長時間労働が続く
- 離職率が高い
- パワーハラスメントがある
- メンタル不調者が多い
- 労使紛争がある
ホワイト企業とは
ホワイト企業はブラック企業の対して、福利厚生が整っていたり離職率が低いなど入社して働きやすい企業のことを指しています。
ホワイト企業の代表的な特徴
- 休暇が取りやすい
- 労働時間が適正
- 社員の勤続年数が長い
- 雇用が維持されている
- 人事評価のフィードバックがある
働きやすい企業のチェック項目
働きやすいかどうか、外からはなかなかわかりにくものですが、働きやすい会社の目安となる項目があります。
✔採用者数・離職者数
成長している企業は採用数も多いですが、事業拡大のために採用するのか、辞める人が多いから補充のために採用するのか。従業員数と採用数のバランスを確認します。定着率が高い会社は働きやすいである可能性が高いです。
✔平均勤続年数
勤続年数が短いのは、社員が辞めるからだけでなく、創業からの期間が短かかったり、急成長中の会社ということもあります。平均勤続年数の長い会社は働きやすい一方で、ずっと固定メンバーで働くということでもあり、活力にかけると感じる人もいるでしょう。
✔月平均所定外労働時間
法律で決められている月45時間、年360時間が、上限の目安になります。残業が多いと「ブラック企業」と判断される傾向がありますが、成長中の会社には勢いがあり、残業も多くなる傾向があります。残業時間だけでなく、休暇取得状況や離職率とあわせて、メリハリのある働き方ができているかどうか総合的な判断をする必要があるでしょう。
✔有給休暇の平均取得日数
付与日数より消化日数が重要です。付与日数が多くても、実際に取得できない状況であれば、消化日数は少なくなります。
厚生労働省の調査(平成26年)では企業が付与した有給休暇日数は、1人平均18.4 日、そのうち取得した日数は 8.8 日で、取得率は 47.6%となっています。
現実的な目安は10日前後、50%前後といえるでしょう。夏休みや年末年始を有休と合わせて長期休暇にすることもよくあることですので、セットでチェックしましょう。
✔育児休業の取得対象者数・取得者数(男女別)
育児休業の取得は子育て支援に積極的かどうかがわかります。法律で定められた以上のサポート体制が整っていれば働きやすい会社といえるでしょう。さらに重要なのは、制度があるだけでなく、取得している人がどれだけいるかです。
✔役員・管理職の女性割合
女性の活躍推進に積極的かどうかがわかります。女性が働きやすい会社は男性も働きやすい会社である可能性が高いので、男性にとっても大切なポイントになります。業界水準、新入社員とのバランスなどとセットで確認します。
✔人材育成施策など
人事評価制度やフィードバックの有無などにその企業の人材育成方針があらわれています。
企業の情報収集
企業の業績や従業員数、平均年収など知りたい情報を個別に調べたり比較するには、企業情報誌が便利です。

企業情報
業界地図
まとめ
「ブラック企業」というイメージがつくと、それを変えることは難しいため、企業はできるだけよい情報を出そうとします。
応募者は必ずしも正確な情報を収集できるとは限りませんが、近頃では厚生労働省が安全衛生優良企業公表制度を開始するなど客観的に「ホワイト企業」を認定する動きもあります。
企業情報がどれだけ開示されているかで、会社の情報提供の姿勢がわかります。よい情報も不都合な情報も開示していくことが、社会的な信用につながります。積極的に情報を開示しているかどうかは、ホワイト企業を選ぶ重要なポイントのひとつといえます。

