ホテルの業界研究


訪日外国人観光客の増加を背景として、ホテルは都市部を中心に高い稼働率を維持しています。開業ラッシュが続き、外資系ホテルの地方都市での出店も目立ちます。

ホテルの転職・就職で押さえておきたい業界の動向、売上高ランキング、ホテルの組織についてご紹介します。

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ホテル業界の最新動向(2020年)

ホテルとは

ホテルとは、「洋式の構造および設備を有する施設で、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」(旅館業法)と定義されています。

宴会場や婚礼施設があるフルサービスのシティホテル、宿泊に特化したビジネスホテル、保養や観光の目的に対応するリゾートホテルなどに分類されます。

またホテルは資本系列によっても分類されます。専業・独立系のホテル、鉄道会社系のホテル、不動産、デベロッパー系のホテルなどがあります。

ホテルの規定

  • 洋式の客室が10室以上あること
  • 客室の広さが9平方メートル以上であること
  • 館内に適当な数の洋式浴室またはシャワーがあること
  • 水洗式男女別のトイレがあること

老舗・御三家

老舗ホテルは外資や新規ホテルとの競争のなかで、いかに差別化を図り、収益を確保していくかが注目されます。

帝国ホテル

1890年開業、日本を代表するホテルです。

  • ホテル数:国内4
  • 従業員数:1,940人

ニュー・オータニ

「ホテルニューオータニ」は東京都内で最大級です。

  • ホテル数:国内13、海外2
  • 従業員数:1,857人

ホテルオークラ

建て替えの「ホテルオークラ東京」本館が2019年9月に開業しました。

  • ホテル数:国内47、海外26
  • 従業員数:803人

鉄道会社系

鉄道会社の関連事業として運営されているホテルです。多様な顧客ニーズに対応した宿泊施設の開業を進めています。

プリンスホテル

国内最大手。西武ホールディングスの中核企業です。

  • ホテル数:国内48、海外6
  • 従業員数:7,928人

東京急行電鉄

東急ホテル、エクセルホテル東急、東急REIホテルなど。

  • ホテル数:国内44

阪急阪神ホールディングス

阪急ホテル、阪神ホテル、第一ホテル、レムなど。

  • ホテル数:国内50

京王電鉄

京王プラザホテル、京王プレッソインなど。

  • ホテル数:国内23

JR東日本

メトロポリタン、メッツなど。

  • ホテル数:国内50

シティホテル・リゾートホテル

好調な宿泊需要を背景に、積極的な設備投資を進めています。

リゾートトラスト

会員制リゾートホテル最大手です。

  • ホテル数:国内49、海外1
  • 従業員数:7,592人

藤田観光

椿山荘、箱根小涌園、ワシントンホテルなど。

  • ホテル数:国内50、海外2
  • 従業員数:1,515人

星野リゾート

星のや、リゾナーレなど。運営受託で急成長しています。

  • ホテル数:国内38、海外3

ロイヤルホテル

リーガロイヤルホテル。関西地盤の名門です。

  • ホテル数:国内11

宿泊特化型

宿泊特化型ホテルは、宴会場は持たず、宿泊に特化したホテルです。宿泊特化型のビジネスホテルは新規開業が大幅に増加しています。

宿泊特化・ビジネスホテル

  • 東横イン
  • アパグループ
  • スーパーホテル
  • ルートイングループ
  • ワシントンホテル

外資系ホテルグループ

訪日外国人観光客の増加などにより、外資系ホテルの進出ラッシュが続いています。

日本に進出している外資系ホテル

  • マリオット・インターナショナル(米)
  • ヒルトン(米)
  • ハイアット・ホテルズ(米)
  • フォーシーズンズホテルズアンドリゾーツ(カナダ)
  • インターコンチネンタルホテルズグループ(英)
  • アコーホテルズ(仏)

ホテルの売上高ランキング

順位ホテル名収入高(百万円)
1プリンスホテル202,182
2リゾートトラスト179,542
3共立メンテナンス162,811
4アパホテル100,821
5ルートインジャパン99,469
6東横イン90,731
7東急ホテルズ83,175
8ホテルオークラ77,442
9ミリアルリゾートホテルズ72,427
10藤田観光69,285
11帝国ホテル58,426
12近鉄・都ホテルズ54,784
13ニュー・オータニ52,734
14阪急阪神ホテルズ48,338
15大和リゾート47,299
16ホテルマネージメントインターナショナル44,468
17ホテルマネージメントジャパン42,420
18日本ホテル41,275
19ロイヤルホテル40,884
20三井不動産ホテルマネジメント38,093

(帝国データバンク『業界動向2020-Ⅰ』より)

ホテルの組織

宿泊部門

ロビーやフロントを預かる部門です。組織的にはフロントオフィス、フロントサービス、ハウスキーピングなどのセクションに分かれています。

フロントクラーク

  • リザベーション(宿泊予約の受付)
  • レセプション(接遇)
  • インフォメーション(案内)
  • キャッシャー(会計)

宿泊予約業務

客室の予約受付と販売管理を行います。稼働率の向上のためにどのタイプの客室をどの時点で、どのような料金で提供するかを判断する能力が求められます。

ドアマン・ベルボーイ・ベルガール

ドアマンはホテルの玄関で、宿泊客を最初に出迎え、最後に見送る仕事です。ベルボーイ・ベルガールはホテルのロビー周辺において、多岐にわたるサービスを提供します。

コンシェルジュ

ロビーの特設デスクなどで館内外の案内や予約の手配など様々な要望に応える仕事です。ホテル内のことだけでなく、周辺で評判のレストランやレジャー施設、観光スポットなどに関して最新の情報で対応することができるようにしておくことが求められます。

ハウスキーパー

客室の清掃及び整備を行い、最終的な点検まで行います。清潔で快適な客室を提供することが求められます。

オペレーター

ホテル全館の電話交換を担当する仕事です。予約や問い合わせ、宿泊客への取り次ぎなどを行います。ホテル全館の動きを理解し、的確に対応すること、語学力も求められます。

料飲部門

料飲部門はホテルの売上のなかで大きなウエイトを占め、ホテル経営上の重要な役割を担っています。サービス向上のためにメニュー開発や各種フェアを企画して実行します。

サービス部門の職種

  • グリーター
  • オーダーテイカー
  • ウェイター・ウェイトレス
  • バーテンダー
  • ソムリエ

調理部門

たくさんのレストランや大きな宴会場を運営するホテルでは、総支配人に次ぐ立場として総料理長を置いて、料飲部門を任せていることが多くあります。

調理部門の職種

  • シェフ
  • ソーシエ
  • ブッチャー
  • ガテマンジャー
  • パティシエ
  • ブランジェ
  • スチュワート

営業部門

客室から宴会場、レストランでの企画などホテルの商品をセールスする部門です。基本的にはホテル業務すべてを理解していなければならず、現場経験が必要です。

営業部門の職種

  • 営業
  • 企画
  • 広報・PR

管理部門

ホテルの経営資源を有効に運用するための部門です。管理部門でも基本的には現場の仕事がわかっている必要があります。

管理部門の職種

  • 総支配人
  • 支配人・副支配人
  • 人事・総務

まとめ

訪日外国人客の増加で好調が続き、外資系ホテルの展開も進んでいます。今後のホテル業界は訪日外国人客の受け入れ設備の充実と料金体系の多様化、食習慣に対応した豊富なメニューなど高度なサービスの提供が求められます。さらなる成長のステージを迎えるなか、人手不足や高齢化が課題となっています。

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