ビジネスのグローバル化が進み、あらゆる業種・職種で国際業務に携わる機会が増えています。
国際的な知識、コミュニケーション能力をもつ人材の評価は高まっています。
国際業務で有利なおすすめ資格をご紹介します。
国際業務に役立つ資格
USCPA(米国公認会計士)
USCPA(米国公認会計士)は、国際会計基準(IFRS)の導入により、さらに注目が高まっています。
米国の公認会計士資格ですが、日本でも多くの人がチャレンジしています。
州によって日本受験が可能です。
外資系やグローバル企業、M&Aなどで、国際的な会計知識をもつ人材として活躍が期待されます。
受験資格
USCPA試験の受験資格は、大きく「学位要件」と「単位要件」に分類することができます。
州ごとに各要件が異なります。
試験日
年4回
試験地
アラスカ州、バーモント州、モンタナ州、グアム、ワシントン州などは日本受験が可能です。
試験形式
コンピュータ形式の試験となり、受験者はコンピュータのモニター画面に出題される問題に対して解答を入力します。
- 受験者ごとに異なる問題が出題
- コンピューター上の各種機能を用いて解答
科目合格制度
USCPA試験では、1科目ずつの受験が可能で、各科目とも75点以上で合格となります。
科目合格の有効期限は18ヵ月で、この期間内に全4科目合格できていない場合には、合格科目が失効してしまいます。
合格率
40~50%
問い合わせ
アメリカ各州の会計士委員会、または日本の資格スクール(アビタスやTACなど)
転職・就職情報
外資系やグローバル企業などで、専門性と英語力を両方証明できます。
海外駐在員、海外勤務などの採用でも有利です。
MBA
MBAはMaster of Business Administrationの略です。
日本では経営学修士と呼ばれ、経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位(資格ではない)です。
名門といわれるビジネススクールでは、人脈も卒業後のビジネスに役立つといわれます。
受験資格
基本的には大学卒業。
欧米には実務経験を有する社会人を対象としたビジネススクールも多数あります。
試験科目
一般的に入学までに大学の成績証明書、TOEFLやGMATのスコア、エッセイ、推薦状、面接などの審査があります。
合格率
全体としては10~15%程度
準備期間
ビジネススクールの難易度や英語力などで大きく違いますが、入学月の1年~1年半前に準備を始めるのが一般的になっています。
ビジネススクール
国内でも多くの大学がMBAコースを開講し、ビジネススクールもあります。
海外ビジネススクールより語学や金銭的な負担が少なく、多くの人が学んでいます。
問い合わせ
EducationUSA/アメリカンセンターJapan
転職・就職情報
MBA取得者を活用する環境がある外資系企業への転職・就職が有利です。
海外の企業に就職するという選択もあります。
通関士
通関士は輸出入される物品の通関手続き(税関への手続き)をするための国家資格です。
通関士試験の合格者のうち、勤務先の通関業者の申請にもとづき、税関長の確認を受けて通関士になれます。
受験資格
制限なし
試験日
年1回(10月)
試験地
北海道、宮城県、新潟県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県
試験内容
- 通関業法
- 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法
- 通関書類の作成要領その他通関手続きの実務
合格率
15%程度
問い合わせ
試験実施地の各税関
転職・就職情報
通関業を行う倉庫会社、運送会社、航空会社などでは各営業所に専任の通関士を1人以上置くことが義務付けられています。
通関業務の多い物流企業はもちろん、メーカーや商社などの貿易関連業務でも知識を活用できます。

通関士試験のおすすめテキスト
貿易実務検定
貿易実務検定は、貿易実務に関する輸送機関・通関・外国為替・海上保険などの知識を幅広く問われる試験です。
貿易の初歩的な経験・知識レベルのC級から高度な経験・知識レベルのA級まで設定されています。
各級のレベル
- A級
3~4年以上の実務経験。貿易実務において判断業務を行うことができる実力を証明するレベル - B級
1~3年以上の実務経験。貿易実務経験者の中堅層を対象としたレベル - C級
定型業務をこなすために必要な知識があることを証明するレベル
受験資格
制限なし
試験日
3月、5月、7月、10月、12月
試験地
Web試験
受験に適した環境を自分で用意
試験内容
- 貿易実務
- 貿易実務英語
- 貿易マーケティング
合格率
- A級:平均30%程度
- B級:平均40%程度
- C級:平均55%程度
問い合わせ
日本貿易実務検定協会 事務局
転職・就職情報
学生から社会人まで幅広い受験層が特徴です。
商社、貿易関連、人材派遣会社などの転職・就職で有利です。
貿易実務検定のオフィシャルテキスト
国際連合公用語英語検定試験(国連英検)
国連公用語のうち英語の実力と理解度を判定する外務省後援の試験です。
国際理解に役立つコミュニケーションスキルを証明することができます。
レベルは特A級からE級までの6段階設定されています。
受験レベル
- 特A級:さまざまな外国人と多くの分野の問題について自由に討論できるレベル
- A級:高度な理解力、論理的な表現ができるレベル
- B級:外国での日常生活に対処できるレベル
- C級:高校修了程度のレベル
- D級:高校1・2年程度の語彙レベル
- E級:中学修了程度の語彙レベル
受験資格
制限なし
試験日
- 1次:5月、10月
- 2次:7月、12月
試験地
全国の主要都市
試験内容
- 特A級
1次:筆記(リーディング、作文)
2次:面接(ネイティブスピーカーとの対話) - A級
1次:筆記(リーディング、作文)
2次:面接(ネイティブスピーカーとの対話) - B級:筆記(リーディング、作文)とテープテスト(リスニング)
- C・D・E級:筆記(リーディング)とテープテスト(リスニング)
問い合わせ
公益財団法人 日本国際連合協会 国連英検事務局
転職・就職情報
国連の理念に沿って、試験出題トピックも世界情勢・国際時事問題を広く取り扱っています。
グローバル企業、国際公務員、JICAなど、自分の意見をもち、異文化のなかでも通用するコミュニケーション能力として評価されます。
国連英検の過去問題集(B級)
まとめ
国際業務では、ただ単に英語力や専門性が高いというだけでなく、世界情勢や国際時事など総合的な国際常識を身につけていることが評価の対象になります。
今後は、国際的な知識やスキル、経験をもつグローバル人材がますます求められるようになっていくでしょう。






【参考】
・外務省ウェブサイト
・税関ウェブサイト
・試験実施機関ウェブサイト