福祉・介護業界には、専門的なスキルを求められる仕事が多くあります。
「福祉・介護の資格を取って、仕事にしたい」
「介護施設で働いているので、資格を取って、スキルアップしたい」
など、福祉・介護業界で資格取得を目指す人は、資格を仕事に活かしたいと考えているでしょう。
高齢化が進み、福祉・介護の資格を採用条件とする求人ニーズは高まっています。
本気で福祉・介護業界の道を目指すなら、資格を取っておくことをおすすめします。
福祉・介護の資格
介護福祉士
介護福祉士は、福祉・介護で代表的な国家資格です。
「介護のプロ」としての資格は、採用条件とする求人が今後も増えていくことが予想され、福祉・介護業界での求人は豊富です。
受験資格
- 実務経験ルート:実務経験3年以上+実務者研修
- 福祉系高校ルート:福祉系高校卒業+実務経験9か月以上
- 養成施設ルート:高校卒業後+指定養成施設2年以上
試験日
- 筆記試験:1月
- 実技試験:3月
試験内容
- 人間と社会
・人間の尊厳と自立
・人間関係とコミュニケーション - 介護
・介護の基本
・コミュニケーション技術
・生活支援技術
・介護過程 - こころとからだのしくみ
・発達と老化の理解
・認知症の理解
・障害の理解
・こころとからだのしくみ - 医療的ケア
・医療的ケア - 総合問題
・総合問題 - 介護等に関する専門技能(実技)
合格基準
問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上。
筆記試験合格者のみ実技試験(指定の要件を満たせば実技試験が免除されます)
合格率
70%程度
問い合わせ
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
転職・就職情報
介護老人保健施設やデイサービスセンターなどの福祉施設、病院などの医療施設などで高いニーズがあります。
福祉・介護業界のキャリアアップに有利な資格です。

介護福祉士国家試験の過去問題集
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護職を目指す人の入門資格です。
介護保険法の改正により旧ホームヘルパー資格は移行・一本化されました。
研修内容
研修は、「通学」または「通信+スクーリング」で受講できます。
講義と演習で、合計130時間です。筆記の修了試験が行われます。
転職・就職情報
介護職員初任者研修の資格があれば、施設介護も訪問介護にも従事でき、介護業界での活躍の場が広がります。
待遇アップも期待できるキャリアアップの入り口資格です。

実務者研修
実務者研修は、実務経験ルートで介護福祉士の国家試験を受験するために、必須となる資格です。
介護職員初任者研修のステップアップ資格といえますが、受講資格の制限はないので、はじめから実務者研修を受講することもできます。
介護職員初任者研修を受講していれば、実務者研修の受講料と受講時間の一部が免除となります
研修内容
研修は、「通学」または「通信+スクーリング」で受講できます。
講義と演習で、合計450時間です。
転職・就職情報
介護福祉士を目指す人はもちろん、介護職員としてのキャリアアップに有利な資格です。
介護業界でキャリアを積むのであれば、早めに受講することをおすすめします。

介護支援専門員(ケアマネジャー)
ケアマネジャーは、福祉や医療の実務経験者が取得できる資格です。
要支援・要介護認定者およびその家族からの相談を受け、介護サービスの給付計画(ケアプラン)を作成し、他の介護サービス事業者との連絡、調整等を行う仕事です。
受験資格
保健、医療、福祉系の国家資格所有者、ホームヘルパー2級以上の介護職員など、原則5年以上の実務経験者。
現状では試験合格者の半数弱は、介護福祉士です。
試験日
年1回(10月)
試験内容
- 介護支援分野
- 保健医療福祉サービス分野
合格率
15%程度
問い合わせ
各都道府県の介護支援専門員実務研修受講試験担当課
転職・就職情報
ケアマネジャーの資格を取得する人の6割は介護福祉士ですが、医療・福祉系の資格者も多く受験しています。
介護保険施設だけでなく、介護に関連する業界で幅広く資格を活かすことができます。

ケアマネジャーのおすすめテキスト
社会福祉士
社会福祉士は、福祉系の三大国家資格のひとつです。
医療・福祉・教育・行政機関などで日常生活を営むのに問題がある人からの相談に対して助言や指導、援助を行なう専門職です。
受験資格
- 福祉系4年制大学で指定科目を履修
- 福祉系短大等で指定科目を履修+相談援助実務
- 社会福祉士短期養成施設等(6月以上)
- 社会福祉士一般養成施設等(1年以上) など
試験日
年1回(2月)
試験内容
- 人体の構造と機能及び疾病
- 心理学理論と心理的支援
- 社会理論と社会システム
- 現代社会と福祉
- 地域福祉の理論と方法
- 福祉行財政と福祉計画
- 社会保障
- 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
- 低所得者に対する支援と生活保護制度
- 保健医療サービス
- 権利擁護と成年後見制度
- 社会調査の基礎
- 相談援助の基盤と専門職
- 相談援助の理論と方法
- 福祉サービスの組織と経営
- 高齢者に対する支援と介護保険制度
- 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
- 就労支援サービス
- 更生保護制度
合格率
25%程度
問い合わせ
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
転職・就職情報
医療系ソーシャルワーカーが人気ですが、福祉、保健、教育など幅広い分野で専門性を活かすことができます。
転職や就職、キャリアアップで非常に有利です。

社会福祉士国家試験の過去問題集
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、介護福祉士、社会福祉士とともに福祉系の国家資格です。
精神障がい者の社会復帰を援助するのが主な仕事です。
受験資格
- 福祉系4年制大学卒業
- 福祉系4年制大学以外は養成施設等(最終学歴と実務経験年数により異なる)
試験日
2月の2日間
試験内容
- 精神疾患とその治療
- 精神保健の課題と支援
- 精神保健福祉相談援助の基盤
- 精神保健福祉の理論と相談援助の展開
- 精神保健福祉に関する制度とサービス など17科目
合格率
60%程度
問い合わせ
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
転職・就職情報
ストレスの多い現代社会で、精神疾患からの社会復帰を目指す人を支援する専門家として、重要度が高まっています。
精神保健福祉士国家試験の過去問題集
保育士
保育士は、保育所など児童福祉施設において子供の保育を行うための国家資格です。
待機児童の課題を解決するために保育所の増設が進められていますが、保育士の不足という新たな課題に直面しています。
保育士になるには、保育士国家試験に合格するか、保育士養成校を卒業するルートがあります。
受験資格
- 大学等(大学院、大学、短期大学、保育系の専門学校)を卒業した者
- 大学に2年以上在学し、必要以上の単位を修得した者
- 高校卒業+児童福祉施設2年以上児童の保護に従事した者など
試験日
- 前期試験:【筆記】4月 【実技】6~7月
- 後期試験:【筆記】10月 【実技】12月
試験内容
- 筆記試験
・保育原理
・教育原理及び社会的養護
・児童家庭福祉
・社会福祉
・保育の心理学
・子どもの保健
・子どもの食と栄養
・保育実習理論 - 実技試験:保育実習実技2分野を選択(筆記合格者のみ)
・音楽に関する技術
・造形に関する技術
・言語に関する技術
合格率
20%程度(通常試験)
問い合わせ
一般社団法人 全国保育士養成協議会
転職・就職情報
保育士の求人ニーズは高い水準が続いていますので、資格を持っていれば転職・就職しやすい状況です。
保育所や保育所以外の児童福祉施設で活躍しています。

福祉・介護の資格取得
資格取得の勉強法
資格を取得するには、独学や資格・通信講座で勉強する方法があります。
自分の状況やかけられる時間、費用に合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。
働きながら、効率的に勉強を進めるのであれば、試験に対応した資格・通信講座を上手に活用することをおすすめします。
介護・福祉・医療の資格を取るなら『シカトル』でスクール探しができます。
資格・通信講座の資料請求
福祉・介護系資格の講座案内を一括資料請求すると、無料で複数の資格や講座を比較して検討できるので便利です。
福祉・介護系の講座
まとめ
福祉・介護の仕事は高度な専門性を要求されるので、資格を取得しておくことが大きな強みになります。
資格なしで働いている人も、福祉・介護業界で仕事を続けるのであれば、資格取得を目指すことをおすすめします。

