固定残業代

キーワード解説

固定残業代とは

固定残業代とは、一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対して、定額で支払われる割増賃金のことです。毎月の固定給として、残業時間にかかわらず、定額の割増賃金を支給します。

固定残業代は、「固定残業手当」「営業手当」「業務手当」など名称に関係なく、割増賃金の支給に代えて支払われるものをいいます。

給与を固定化することで、予算や支払い事務を効率化したり、一定時間内に仕事を終える習慣をつけることで生産性を向上させる目的などで導入されています。

固定残業代支給制度を導入する場合には、就業規則雇用契約書などに残業手当が定額払いであることや、何時間分の固定残業となるのかを明記することが必要です。

固定残業代に相当する残業時間や金額、その時間を超えて残業をした場合には、その超過分を別途支払う必要があり、そのことも明記する必要があります。

基本給を残業代込みの金額にして、超過分の残業代を支払わず、定額分のみの支給とすることは認められません。

また、固定残業代が残業20時間分と定めた場合に、その月の実際の残業が10時間だったからといって、翌月に残りの10時間分を繰り越すことはできません。

固定残業代支給制度は、労働基準法に定めがあるわけではありませんが、以下のような点に注意すれば、適法に利用することができるとされています。

基本給や他の手当と固定残業代が明確に区別できること

基本給のなかに残業代が含まれるのではなく、基本給や他の手当と固定残業代を明確に区別しておかなければなりません。

時間外割増賃金の代わりであること

固定残業代が時間外割増賃金の代わりであるということが明確になっていて、社員にも周知されていなければいけません。

法律の割増賃金額以上であること

固定残業代は、法律どおりに計算した割増賃金の額を上回った手当額になっている必要があります。

超過分の差額を支給すること

設定した固定残業代に相当する労働時間を超える残業した場合には、超えた分に相当する差額の割増賃金を別途支払わなければなりません。

例えば、30時間分の固定残業代を支払うとしていた場合、実際には35時間の時間外労働を行ったとしたら、超過した5時間分の割増賃金を追加して支払う必要があります。

固定額の設定(時間外労働の上限)

固定残業代を何時間分の時間外労働の割増賃金として設定するかについては、企業の自由ですが、36協定を締結した際の1ヵ月の時間外労働の上限に準じることが望ましいと考えられます。

固定残業代をめぐるトラブルを予防するため、固定残業代を採用する場合は、求人・募集の段階で明示をしっかりと行うよう、厚生労働省は事業主等への周知を行っています。
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