機械業界は自動車や家電、航空機、船舶など幅広い産業を支えています。機械のなかで、産業用機械は工場などの製造現場で使用される機械全般を指しています。
就活・転職で押さえておきたい産業機械業界の概要と動向についてご紹介します。
産業機械とは
機械産業は幅広く、多岐にわたる機械群で構成されています。
日本標準産業分類では、機械は「はん用機械器具」「生産用機械器具」「業務用機械器具」「電子部品・デバイス・電子回路」「電気機械器具」「情報通信機械器具」「輸送用機械器具」に分類されています。
産業用機械は生産用機械の一種であり、工場などの生産現場で使用される製品や機械を加工する機械全般を指しています。
【生産用機械器具の分類】
- 農業用機械
- 建設機械・鉱山機械
- 繊維機械
- 生活関連産業用機械
- パルプ装置・製紙機械
- 印刷・製本機械
- 基礎素材産業用機械
- プラスチック加工機械
- 金属加工機械
- 半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置
- ロボット など
【日本産業機械工業会の取扱機種】
- ボイラ・原動機
- 鉱山機械
- 化学機械
- 環境装置
- タンク
- プラスチック機械
- 風水力機械
- 運搬機械
- 動力伝動装置
- 製鉄機械
- 業務用洗濯機
- エンジニアリング など
総合重機
多岐にわたる機械群のなかで、重機械と呼ばれるのは、一般的に総合重機メーカーが取り扱う産業用機械を指しています。
総合重機の主要6社は、造船から出発し、事業を多角化してきました。
造船で培った技術をもとに発電設備、航空エンジンなどを展開しています。
三菱重工業
総合重機最大手。三菱グループ。
エナジー、プラント・インフラ、物流・冷熱・ドライブシステム、航空・防衛・宇宙分野の事業を展開しています。
- 設立:1950年1月11日
- 本社:東京都
- 従業員数:77,697人
- 平均年齢:42歳
川崎重工業
総合重機大手。
ロボット事業の拡大を目指し、医療用ロボットの製造・販売を強化しています。
- 設立:1896年10月15日
- 本社:東京都、兵庫県
- 従業員数:38,254人
- 平均年齢:41歳
IHI
総合重機大手。
資源・エネルギー、社会インフラ、産業機械、航空・宇宙分野を中心に事業を展開しています。
火力発電用ボイラー、LNGタンクなどに強みがあります。
- 設立:1889年1月7日
- 本社:東京都
- 従業員数:28,237人
- 平均年齢:41歳
住友重機械工業
総合重機大手。住友グループ。
変減速機は世界トップクラスです。
プラスチックやフィルム加工など精密機械分野を強化しています。
- 設立:1934年11月1日
- 本社:東京都
- 従業員数:25,303人
- 平均年齢:42歳
三井E&Sホールディングス
旧三井造船。
新造船からは撤退し、エンジニアリングを強化しています。
- 設立:1937年7月31日
- 本社:東京都
- 従業員数:5,952人
日立造船
造船は分離。
ごみ焼却発電プラントなど環境設備に強みがあります。
- 設立:1934年5月29日
- 本社:大阪府
- 従業員数:12,148人
産業用ロボット
産業用ロボットは製造現場のものづくりで自動化や効率化を実現するために開発されてきました。
自動車溶接などによく使われる多関節ロボットと電子部品をプリント基板に載せる電子部品実装機に分けられます。
人件費高騰、人手不足の対策として工場自動化ニーズは強く、中長期的な成長が続くと見られています。
ファナック
産業用の多関節ロボット国内首位。
積極的な世界展開で競争力を高めています。
- 設立:1972年
- 本社:山梨県
- 従業員数:9,432人
- 平均年齢:40歳
安川電機
産業用ロボット大手。
多関節ロボットや双腕ロボットなど幅広くロボット事業を展開し、医療分野の開拓にも取り組んでいます。
- 設立:1915年7月16日
- 本社:福岡県
- 従業員数:13,094人
- 平均年齢:42歳
不二越
事業の柱をロボットに転換。
自動車分野を中心に展開しています。
- 設立:1928年12月21日
- 本社:東京都
- 従業員数:7,259人
- 平均年齢:40歳
JUKI
電子部品実装機。
工業用ミシンでは世界トップです。
- 設立:1938年12月15日
- 本社:東京都
- 従業員数:5,230人
- 平均年齢:45歳
FUJI
電子部品実装機。
工作機械も展開しています。
- 創業:1959年4月
- 本社:愛知県
- 従業員数:2,848人
- 平均年齢:44歳

機械業界の採用市場
機械業界では人材の確保と育成が課題になっています。
特に産業用機械の領域で求人数が増加しています。
製品開発、品質管理・保証、生産技術に加え、IT系など技術職を中心に、海外営業など事務系求人も出ています。
ニーズの高い技術系は転職のチャンスが広がっています。
企業間の事業譲渡や提携の動きが増え、変化に柔軟に対応できることも重要になっています。
生産用機械製造業の給与
区分 | 20~24歳 | 25~29歳 | 44.0歳 (平均) |
所定内労働時間 | 170時間 | 169時間 | 169時間 |
残業 | 15時間 | 17時間 | 14時間 |
月収 | 245,000円 | 283,900円 | 359,100円 |
年間賞与等 | 677,700円 | 900,700円 | 1,338,300円 |
年収 | 3,617,700円 | 4,307,500円 | 5,647,500円 |
(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より)
機械業界の転職活動
エージェントサービスを利用すると、業界や職種に精通したキャリアアドバイザーのサポートを受けることができます。
非公開・独自案件の求人紹介だけでなく、書類作成や面接対策のアドバイスなどで選考通過率のアップが期待できます。


まとめ
設備投資の動向など景気の指標として注目される機械業界。
産業用機械の需要は、デジタル化や脱炭素化などの投資で増加するものと見られています。
ものづくりを主導する産業用機械業界は、技術を磨き、新たなビジネスへの期待を高めています。



【参考】
・一般社団法人日本産業機械工業会
・一般社団法人日本ロボット工業会
・各企業公式サイト
・日本経済新聞出版『日経業界地図2024年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2024年版』