退職証明書とは

キーワード解説

退職証明書

退職証明書とは、退職者からの請求により、事業主が交付しなければならない退職の事実を証明する文書のことです。

労働基準法には、「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(解雇の場合はその理由を含む)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない」と定められています。

退職証明書は、従業員がその身分を失った場合に、事業主に対して交付を求めることができます。

一般的に転職先への情報提供や退職後の手続きなどで使用されます。

退職者は退職から2年の間、何回でも退職証明書を請求できます。

離職の事由が解雇の場合には、離職者からの請求により解雇理由を記載した解雇理由証明書を交付することが義務づけられています。

解雇理由証明書に関しては、解雇予告をされた日から離職する日まで、交付の請求をすることができます。

退職証明書の記載事項

退職証明書の記載事項は5つです。

退職者が求めていない事項を記載することはできません。

  1. 在籍期間
  2. 業務の種類・職種
  3. 地位や役職
  4. 給与額
  5. 退職事由(解雇の場合にはその理由を含む)

記載される退職理由

退職の理由については、雇用関係(労働契約)を解消した理由が記載されます。

  1. 自己都合による退職
  2. 退職勧奨による離職
  3. 定年による退職
  4. 契約期間の満了による退職
  5. 移籍出向による退職
  6. その他の退職
  7. 解雇 など

記載事項に該当しない内容

退職証明書には、記載事項に該当しない内容について記載することはできません。

退職者の人柄を記載したり、就業を妨げることを目的として国籍、信条、社会的身分もしくは労働組合運動に関することについて、秘密の記号を記入してはならないとされています。

退職証明書の請求

退職証明書は、退職(解雇)以後に交付を求めることができます。

退職者から退職証明書の交付を請求された場合に、事業主は拒否したり、理由もなく遅れて交付したり、退職者から請求されていない事項について記載することはできません。

退職証明書の請求は2年で時効となりますので、時効の後は退職者が交付を求めても、事業主は拒否することができます。

退職証明書を必要とする例

退職証明書は転職先から求められたり、退職後の手続きにおいて、退職した事実(社会保険の資格を喪失した事実)を証明するために必要になることがあります。

  • 転職・再就職先から求められる場合
  • 退職して国民健康保険など他の保険に加入する場合
  • 退職して扶養家族に入る場合
  • 不当解雇などを訴える場合 など

解雇理由証明書の請求

解雇理由証明書は、解雇予告日から離職する日までに請求することができます。

証明する事項は、

  1. 解雇理由(就業規則の解雇に該当する内容、事実関係など)
  2. 解雇日

です。

解雇予告証明書についても、退職証明書と同様に請求しない事項について記載することはできません。

解雇の事実についてのみの証明書を請求した場合には、解雇の理由は証明書には記載されず、解雇の事実のみを記載した証明書が交付されます。

記載される解雇理由

解雇の理由については、具体的に示す必要があり、就業規則の条項に該当したことが理由の解雇である場合には、就業規則の該当する内容、事実関係が証明書に記載されます。

  1. 天災その他のやむを得ない理由
  2. 事業縮小など会社都合による解雇
  3. 職務命令に対する重大な違反行為による解雇
  4. 業務について不正な行為による解雇
  5. 無断欠勤など勤務不良による解雇 など

解雇理由証明書の交付が行われない例

解雇理由証明書を請求しても一定の条件により交付しないことが認められている場合があります。

  • 解雇予告手当を支払って即時解雇する場合
  • 所轄労働基準監督署から解雇予告除外認定を受けて即時解雇する場合
  • 解雇予告の適用のない従業員を解雇する場合
  • 解雇の予告がされた後にその解雇以外の理由により退職した場合 など

参考:厚生労働省ウェブサイト

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退職証明書は従業員が退職したことを事実を証明する書類で、解雇証明書は解雇した事実を証明する書類
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