キーワード解説
離職票
離職票とは、基本手当(失業等給付)の金額や支給日数を確定させるための書類のことです。
基本手当を受ける権利があるか、受けられるならどれだけ受けることができるのかを証明するものです。
会社を退職して、基本手当の支給を申請する場合、ハローワークに離職票を提出して、求職の申込みをしなければなりません。
ハローワークは離職票の記載内容に基づき、基本手当の受給要件の判定や日額、支給日数など受給資格を決定します。
従業員が会社を実際に離職するまで、会社はハローワークへ書類を提出する手続きができないため、本人が離職票を受取るまでには、退職後数日~2週間程度の期間がかかります。
離職票の受取りが遅れると、基本手当の給付も遅くなります。
また離職票の記載内容は、基本手当の受給条件に大きく影響することを知っておきましょう。
離職理由について、会社都合か自己都合かなど会社と見解が異なる場合は、ハローワークが資料等に基づき、最終的に判断することになります。
離職票の交付手続き
- 会社が「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」を管轄のハローワークへ提出する
※離職証明書は1枚目が「事業主控」、2枚目が「安定所提出用」、3枚目が「退職者交付用(離職票-2)」 - 書類の提出を受けて、ハローワークが雇用保険被保険者「離職票-1」「離職票-2」を会社へ交付する
※「離職票-1」はハローワークから発行される - 会社から退職者へ「離職票-1」「離職票-2」が送付される
離職票の記載内容
離職証明書は3枚つづりの複写になっています。
離職票の記載内容は、離職前の賃金額と離職理由で、原則として離職者本人が署名・押印してから、会社がハローワークへ提出します。
賃金額
記載される賃金額は、労働の対償として支払われるすべてのものです。
これには毎月の給与とは別に支払われるもののうち、3ヵ月以内の期間ごとに支払われるものも含まれます。
ただし、臨時に支払われる賃金と3ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)は除かれます。
受給資格決定に必要な書類
離職票を受け取ったらハローワークで「求職の申込み」を行い、「受給資格者決定」を受けます。
ハローワークでは受給資格を満たしていることを確認したうえで、受給資格の決定を行い、離職理由についても判定します。
受給資格の決定後に受給説明会の日時が知らされ、「雇用保険受給資格者のしおり」などを受け取ります。
- 「離職票-1」と「離職票-2」
- 個人番号確認書類(いずれか1種類)
マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票 - 身元(実在)確認書類
運転免許証、マイナンバーカードなど - 写真2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 印鑑(念のため)
離職理由
該当する離職理由のチェックと具体的事情が記載されます。
この離職理由は、基本手当の支給申請をするときに、給付日数や支給額に影響します。
離職理由により、特定受給資格者や特定理由離職者と判断される場合があります。
実際の状況と異なる記載内容があれば、会社に確認して修正するか、ハローワークに相談することもできます。
例:退職勧奨であるにもかかわらず、自己都合退職とされている場合など
契約社員の離職理由
契約社員など有期労働契約の期間を満了して、本人に契約更新の希望があるのに、契約更新がされなかった場合、雇い止めの扱い(特定受給資格者)となることがあります。
自己都合退職であっても、正当な理由のある自己都合の場合、特定理由離職者と判断されれば、給付制限を受けません。
離職理由と受給資格の判断はハローワークが行います。
派遣社員の離職理由
派遣社員が契約期間を満了して自ら退職した場合、原則として自己都合の扱いとなります。
自己都合退職であっても、正当な理由のある自己都合の場合、特定理由離職者と判断されることがあります。
それ以外のケースであっても、ハローワークが実際の状況に基づいて判断し、受給資格を決定します。
離職票の住所
基本手当の支給申請は、退職者本人の住所を管轄するハローワークで行うことになります。
離職票の住所は、退職後の住所と一致するように記載してもらいましょう。
離職票が届かない場合
退職後、2週間以上経っても、離職票が送られてこない場合は、前の会社に問い合わせてみましょう。
退職後の引越しや送付先住所の不備で受け取れないということもありうるので、注意が必要です。
参考:ハローワークインターネットサービス
- 離職票は基本手当の支給申請に必要
- 離職票の記載内容は賃金額と離職理由