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半導体の業界研究【概要・動向】

半導体は、さまざまな製品に搭載され、社会生活を支えています。

半導体市場は、AIやIoTの広がりで需要が増加しています。

短期的には変動がありますが、長期的には成長を続けると予想されます。

転職・就職で押さえておきたい半導体業界の概要と動向についてご紹介します。

半導体業界

半導体業界には、半導体素子の製造、半導体素子を集積したIC(集積回路)の製造・組み立て、半導体製造装置の製造などの事業があります。

半導体は、トランジスタが誕生してから、ICと呼ばれる集積回路になり、さらに集積度は向上し、LSIから超LSIへと進化を積み重ねてきました。

半導体は技術革新のスピードが速く、巨額の研究開発費と設備投資で高性能な製品を作り続けるビジネスです。

AIやIoT、自動運転などの普及で、半導体の重要性が増しています。

業界の動向

半導体はデジタル製品や電動化が進む自動車向けなど成長市場で欠かせません。

また生成AI向けなど用途が広がっています。

今後も幅広い分野で半導体市場の拡大が続く見込みです。

半導体の量産へ向けて、トヨタやNTT、ソニーグループなどが出資して、新会社「Rapidas」を設立しました。

半導体と関わりの深い産業

半導体の世界シェア(2022年)

  1. サムスン電子(韓)
  2. インテル(米)
  3. クアルコム(米)
  4. SKハイニックス(韓)
  5. マイクロン・テクノロジー(米)

メモリー

メモリ半導体は、データを電気的に記憶するもので、DRAMやフラッシュメモリ、SRAMなどがあります。

ビッグデータの活用が広がり、データセンター向けメモリ需要が拡大しました。

サムスン電子(韓)

DRAM、NAND型フラッシュメモリ最大手。

新しいメモリデバイスやマルチチップパッケージの開発にも積極的に取り組んでいます。

SKハイニックス(韓)

韓国内においてサムスン電子に次ぐ半導体メーカー。

メモリ以外の領域においても多数の半導体製造を行っています。

マイクロン・テクノロジー(米)

米国のDRAMメーカー。

NAND型フラッシュメモリについても、より高度なエンジニアリング技術で設計上の課題解決に取り組んでいます。

キオクシアホールディングス(日)

旧東芝メモリ。NAND型フラッシュメモリ世界2位。

東芝からメモリ事業を分社化し、早期上場を目指しています。

ロジック

ロジック半導体は、組み合わせることで複雑な回路を設計し、さまざまな機能を担うことができます。

コンピューターのCPUにかかせないデバイスとなっています。

テレワークやオンラインサービスの広がりにより、パソコンやタブレットなどデジタル機器向けの需要が増えています。

インテル(米)

パソコンやサーバー向けプロセッサ世界最大手。

パソコンのCPUシェアは8割以上を占めています。

産業機器や家電製品に内蔵される組込みシステムへの挑戦も続けています。

クアルコム(米)

携帯電話用チップで世界標準を握るファブレス企業。

スマートフォン用で急成長し、スマホ向けプロセッサ世界最大手です。

ブロードコム(米)

通信用の半導体を製造販売するファブレス企業。

コンシューマデバイス部品も多数供給しています。

アドバンスト・マイクロ・デバイス(米)

CPUの世界大手。

カナダの画像処理半導体大手ATIテクノロジーズの買収で、GPUが急成長しました。

メディアテック(台)

モバイル向けSoC分野で拡大を続けるファブレス企業。

スマートフォンに強みがあります。

エヌビディア(米)

画像処理半導体(GPU)の大手。

パソコンやゲームのほかに、AIや自動運転でも成長しています。

マイコン

マイコンは、マイクロコントローラーの略で、制御用として使われます。

IoT時代に向けて、自動車向けや産業機器向けの需要が高まっています。

NXPセミコンダクターズ(蘭)

マイコン世界首位。

汎用製品を全世界対象に提供・販売しています。

ルネサスエレクトロニクス(日)

ルネサステクノロジとNECエレクトロニクスの経営統合によって設立された国内有数の半導体メーカー。

車載マイコンで世界トップクラス。

  • 設立:2002年11月1日(営業開始日2010年4月1日)
  • 本社:東京都
  • 売上高:1兆5,008億円
  • 従業員数:21,017人
  • 平均年齢:48歳

インフィニオンテクノロジーズ(独)

車載半導体やパワー半導体の世界大手。

車載用や産業用のほか、さまざまな分野に半導体製品やソリューション提供を行っています。

アナログ

アナログ半導体は、音や光などのアナログ信号に対応し、電源や動力の制御機能を持っています。

自動車や通信機器、医療機器などで利用される重要な技術です。

テキサス・インスツルメンツ(米)

アナログ半導体最大手。

アナログICと通信用に注力しています。

今後の成長が期待される医療やエネルギー、セキュリティなどの分野に合わせたソリューションを展開しています。

STマイクロエレクトロニクス(スイス)

アプリケーション専用のアナログIC、車載用ICに強み。

FA用ICのほか、電源用ICなど幅広く展開しています。

ソニーグループ(日)

ソニーグループへ社名変更。

画像センサー世界首位。

スマホ向けCMOSイメージセンサーの圧倒的なシェアで、車載向けへの拡大も進めています。

  • 設立:1946年5月7日
  • 本社:東京都
  • 売上高:11兆5,398億円
  • 従業員数:113,000人
  • 平均年齢:42歳

ファウンドリー(受託生産会社)

サムスン、インテルなどの大手メーカーは自社で半導体を製造する場合もありますが、設計と製造を分業して、半導体受託製造(ファウンドリー)に委託する企業もあります。

TSMC(台)

ファウンドリー世界最大手。

日本の熊本県に半導体工場を建設しました。

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半導体業界の採用市場

自動車や産業機械メーカーの影響を受けますが、半導体業界の求人は堅調に推移していくことが見込まれます。

技術革新や再編が激しい業界の変化に柔軟に対応できることが転職市場での評価を高める上で、重要になります。

研究開発

半導体の研究開発では、製品化のために、製品カテゴリーや材料、回路、パッケージなど担当する論理設計や回路設計、レイアウト設計などを行います。

技術系の基礎知識や専門性が求められます。

営業・マーケティング

半導体業界の営業職には、製品の販売だけでなく、技術的にもサポートできるだけの知識が求められます。

マーケティングや製品企画のための情報収集機能も担っていますので、高度な技術知識が必要となります。

生産・製造

半導体の製造は、自社工場で生産する垂直統合型と製造をファンドリーメーカーが担当する水平分業型があります。

水平分業型へ移行しています。

デバイス・電子回路製造業の給与

区分20~24歳25~29歳44.1歳
(平均)
所定内労働時間164時間163時間163時間
残業13時間15時間12時間
月収254,200円294,200円362,800円
年間賞与等560,800円848,100円1,280,700円
年収3,611,200円4,378,500円5,634,300円

(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より)

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まとめ

5GやAI、自動運転など社会を支える半導体の重要性は高まっています。

あらゆる用途で半導体需要は拡大し、市場は長期的に成長が続くと見られています。

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【参考】
・経済産業省ウェブサイト
・一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
・各企業公式サイト
・日本経済新聞出版『日経業界地図2024年版』
・東洋経済新報社『四季報業界地図2024年版』